頭の上にミカンをのせる

「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「脳を鍛えるには運動しかない!」理由読んでうつ対策に適した運動やってみる

タイトルはややミスリーディングなので注意。実際には「運動はすごい」けど、「運動+頭を使うはセットで行う。どっちかだけだと成長が弱い」という内容の本です。

最近鬱気味のせいか運動が減ってきており、そのせいか体重増えてきてるし、気分もよくないので、またこの本読みなおしてちゃんと運動します…。


運動するだけで頭が良くなるとは書いてないから注意

ライフハックで有名なブログで「運動すると重要な神経化学物質や成長因子がどんどん放出され、ニューロンの結合が強くなり、さらには新しいニューロンまでもが生まれ、脳の基礎構造を物理的に強くできる」って煽っていましたが、読んでみたところこれは言い過ぎ。

この本はタイトルに反して運動の効果を科学的に地道に実証している本であり、結構分厚いしいろいろ難しいこと書いてるので、私もよくわからないところが多いです。私の要約も乱暴なので、ちゃんと理解できる人が読んで、ちゃんとしたまとめを書いて欲しい。私も含めてあまり信用しないでください。


「運動+頭を使う」はセットで行う。どっちかだけだと成長が弱い

運動の効果として
①まず気持が良くなり、頭がすっきりし、注意力が高まり、やる気が出てくる。
②つぎに、新しい情報を記録する細胞レベルでの基盤としてニューロンどうしの結びつきを準備し、促進する。
③海馬の幹細胞から新しいニューロンが成長するのを促す。

どんな運動が一番いいのか?

2007年の実験結果では「最大心拍数の60から70%を保って、35分間ランニングマシンで走っただけで、認識の柔軟性が向上する」ことが示された。また、「30分のジョギングを週に2,3回、それを12週間続けると遂行能力が向上することが確認された。しかし足を交互に前に出すだけでなく、もっと難しい動きに挑戦することが重要だ。有酸素運動と複雑の動き両方を組み合わせないと、小脳には何の変化も見られなかった」という結果もある。


現在までの研究では、心血管系と脳を同時に酷使するスポーツ(テニスなど)をするか、あるいは10分間ほど有酸素運動でウォーミングアップをした後に、ロッククライミングやバランスの訓練といった、酸素消費量が少なく技能を必要とする運動をすると良いことがわかっている。


→要するに、運動はニューロンを増やしたり、結合を促進したりするが、実際に脳を発達させるのは、やはり頭を使うような複雑な動きが必要ってこと。運動だけしてれば頭が良くなる、みたいな話ではないので注意。


運動によってストレスが解消される仕組みについて

ストレスは脳内物質によるものなので、ごちゃごちゃ原因をかんがえるなってことらしい。低血糖とかで脳にいくエネルギーが疎外されたり、酵素の働きが押さえられたり、海馬の働きが鈍いのが原因で、そういうのは運動すれば解決できると言っている。しかし厳密な仕組みについてはまだ研究中。

①酸化ストレス  :ニューロンが活動するとフリーラジカルは必ず発生する。過剰に発生しすぎない限りは酵素は自動的に対処する。これを強調しすぎる健康番組は胡散臭い。


②代謝性ストレス :グルコースの摂取に障害があるなどで、細胞が十分なATPを生成できない時。


③興奮毒性ストレス:グルタミン酸が活動が活発すぎて、増加した情報の流れを支えるエネルギーをATPが賄い切れないとき、と書いてるが何のことかよくわからない。とりあえずこの状態が続くとニューロンがどんどん死んでいくとのこと。


とりあえずストレスが継続すると、海馬の働きが抑圧され代わりに扁桃体が活発になる。扁桃体が優位になりすぎると記憶や現実とのつながりを抑えこみ、恐怖や不安を常態化させ、さらなるストレスを呼び込むという恐怖のスパイラルが完成するらしい。


んで、運動すると、フリーラジカルに対抗する酵素が活発になり、インスリン受容体の生産が促進されて①と②が解放され、また扁桃体の活動が抑制されるから、そのスパイラルから解放される、と。


そういうわけで、「ストレス解消のための運動は、エアロビやウェイトトレーニングなど強めの運動を45分くらいやる」といいらしいです。運動がいいといっても、目的によってメニューが変わるわけですね。そういうわけで、詳しくはちゃんと本読んだほうがいいと思います。あんまり乱暴なまとめだけ読んで適当に運動しても意味が無いかも。



その他

・私のような不安障害の人は、対策として誰かと一緒に運動するのが良い


うつ対策には中程度の有酸素運動30分間を、できれば毎日、やるのがいい


ADHD対策には薬と運動の併用が基本。ランニングなどは効果が弱く、複雑で集中力が求められる武術や体操などを根気強くつづけるべし


・依存症対策には強度の高い有酸素運動を30分以上。


・女性のホルモン不調には中強度の有酸素運動を1時間以上。


・クミン、ニンニク、たまねぎ、ブロッコリーとかお勧めらしい。あと有名なのがオメガ3脂肪酸。

などなど。

ランニングやウォーキングについてもそれぞれ注意書きがあるので、単に「運動すればいいんだー」じゃなくて、ちゃんと本を読んだ上で、自分はどうするかよく考えて取り組んだほうがいいと思う。繰り返し言うけれど、理系の人がちゃんと読んでまとめ直して欲しい。



補足 鬱病や依存症の時の脳の状態

うつ病
鬱状態が長引くと脳の一部が萎縮してしまう。
その仕組みとしては「モノアミン仮説(鬱はノルアドレナリンドーパミンセロトニンの不足)」や「結合理論(ニューロンの可塑性や新生に関わる化学物質全般に焦点)」などが挙げられているが、どちらの場合でも抗鬱薬や運動が効果ある。なぜかというと、これらはBDNF; Brain-derived neurotrophic factor=脳由来神経栄養因子を増やすから。運動は体を動かすので脳幹を刺激しつつ、さらに前頭葉においては化学物質を調整する効果がある。とはいえ、鬱状態になると本当に疲れやすくなり運動そのものが苦しいので、予防的に活用していきたい。


②依存症
依存症はモラルの欠如ではなく神経の機能不全であると認識すべき。はてブやらなにやらに執着してしまうのも、報酬系のコントロールが効かなくなっている状態だから。報酬中枢のドーパミン受容体が通常より少なくドーパミンレベルが低いと先天的な依存症傾向がある。大脳基底核が自動的に反応し、前頭前野が反射的な行動を止められなくなるから。これ、双極性障害とも関係あるっぽい。

これに対して運動することによって生成されるドーパミンは受容体に結びついて渇望を抑える効果があり、さらにアナンダミドと2アラキドノイルグリセロールという神経伝達物質の受容体を活性化させることで、自己規制力を向上させる。ある程度デブになってきて食事制限でやせたいけど食べるのが我慢できない、という状態になっちゃってる人は、30分程度の運動を2週間~1か月続けるだけで、この依存症がかなり改善されるとか