頭の上にミカンをのせる

「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

最近のこのブログのお気に入りは「アークナイツ」です
アークナイツ
kindleセールの紹介
新NISA解説ブログ
発達障害

コンビニの「1円廃棄」問題 および コンビニの仕入れ価格問題のメモ

とりあえずコンビニの問題は、大きくわけて2点。

①廃棄を売上から引かないロイヤリティ設定に問題があるんじゃなくて、フランチャイズ契約前に説明しないのが問題なんだよ。

「説明求めるようなまともな人とは契約しない」「説明を求めるような面倒くさい人とは契約更新しない」っていうのがコンビニ各社の頭の良くて極悪なところ。それについては、こちらの動画が非常にわかりやすいので見てください。
2014/07/30 日本外国特派員協会 セブン イレブンフランチャイズオーナー・三井義文氏 記者会見 - YouTube


もちろんコンビニのFCを複数経営して上場企業になってる企業もあって(CVSベイエリアなど)こういうところはそれなり発言力あるでしょうからなんとも言えないけど。まぁ普通にやったら本部に食い物にされますわね。

なにげに本部は「複数店舗経営していて発言力のあるオーナー」や「個人店舗でも売上数字が良い店舗」はとても大事にしていて、毎月の表彰の他、全国大会での表彰やロイヤリティもかなり優遇措置などいろんなアメを用意しているし、彼らの要望についてはいろいろ受け付けてくれる。そうやって恩恵を与える代わりに優良店舗のノウハウを全部吐き出させて共有させる。大事なことは「力をつける」か「弱いもの同士で団結」することなのだが、FCシステムというのは法の隙間が大きすぎて、ワタミなんかよりよほど悪質なことがやろうと思えば出来てしまう。(逆にFCオーナーが労働基準法的な意味で横暴な振る舞いをしていても、本部の取り締まりが及ばないという問題もある) 自らが負うリスクが小さいからスクラップビルドにもためらいがない。優良な店舗を生み出すため、共食い的なことは平気でさせる。このセブンの仕組みをそのまんま教育業界で実践してるのが東進衛星予備校を運営するナガセ。

②廃棄ロスより機会ロスを重視、までは問題ない。発注量の裁量が店舗にあるなら問題ない。裁量がないのに廃棄ロスを店舗に押し付ける契約、これが非常に気にくわない。この話のポイントは、他の小売業態が新商品開拓のリスクを自前で負担してるのに対し、コンビニは下請けにリスクを負わせてること。コンビニとコンビニ以外の間の不当な格差が小売業の慢性デフレの重しとなってる

確かにローソンやサークルKサンクスは、セブンと比べると裁量の自由が大きい。特にローソン。かといって、よほど能力がないと、ローソンやサークルKサンクスと契約してもセブンに潰されるのもまた事実。


結局、チェーン全体としてみれば、本部が能力的にバラバラなオーナーを厳しく締め付けて統制することで全体の利益率を上げ、本部の体力を強くし、開発力を強化したほうが良いから。実際そうやってセブンは商品開発力とロジスティクス、情報システムにおいて圧倒的な優位に立ってる。ファミマは、そもそも個人がオーナー契約するのに向いてない(個人の感想です)
最近のコンビニ業界について個人的に気になる5つのポイント - (修行中)

セブン-イレブンが一人勝ちした理由として、個店あたりの収益力が高い結果、出店計画における選択肢の幅が拡がり、計画を順調が進められたことが大きい


ところで、セブンを無邪気に持ち上げるってほんとにどうなんやろ。確かにすごいところいっぱいある。でも、セブンばかりになったらやばい。いろいろブログでは書けないこともあるけど、とにかくセブンと東進はいろいろやばい。こればっかりになったらほんとやばいと思う。対抗馬は絶対に必要だ。

「ブラックな企業」のことってわからないことが多すぎるんだよね……。すき家だって10年前は時代の寵児扱いだったし、ワタミも元会長のパーソナリティのせいで目立ってるけど外食系の中ではほんとにアレでも給与面などにおいてかなりマシな方だし。 トヨタだって本体はめっちゃ賞賛されてるけど系列の下請け企業におけるブラック労働は有名だし。 東進だってセブンだって多分そのうち叩かれることになるだろう。でも、問題はいまよりずっと前からあったわけで、それに気づかず放置していた私達が、やれ騒ぎになってから鬼の首を取ったかのように大騒ぎする権利なんてあるんだろうか。 私達がやることは、問題がわかったらその特定の企業だけを晒しあげて叩くみたいな「江戸の敵を長崎で討つ」ようなマネや「気づいた時だけ正義のフリしてハメを外すという節操のない振る舞い」をすることでは無いと思う。

たとえその瞬間だけは正しいことを言っていても「節操のない振る舞い」をする人は嫌だ。





「値引き販売」を巡る本部とFC店の攻防および「1円廃棄」について

はてなブックマーク - 加盟店に弁当を廃棄させて儲けるセブン-イレブンのえげつない経営術|LITERA/リテラ 本と雑誌の知を再発見

店側は1円廃棄(1円に値引きして店長が購入することで店の損害を最小限に抑える)という対抗策を生み出したが、本部側はこれすら許さず係争が続いていた。

2005年
セブンイレブン廃棄ロス訴訟、本部敗訴も報道されず:MyNewsJapan


2009年
コンビニ業界、「1円廃棄」の衝撃 - 帰ってきた ■財務アナリストの雑感■ シーズン7
1円廃棄のカラクリ|独学者の独り言

セブンイレブンの排除命令は、つまり『1円廃棄』が公に認められるので... - Yahoo!知恵袋

この1円廃棄は公正取引委員会の感知しない(あずかり知らない)ことなのです。あくまで排除命令セブンイレブン本部のFC加盟店に対する「期限前値引き認めず」が公正取引上に問題ありとしての対応です。従って、セブンイレブンの本部からすれば大きな問題ですから、排除命令を受けた翌日には次の策をとったのです。「廃棄する場合は原価の15%を補填する」とFC加盟店への通知です。要するに「1円廃棄」防止策と同時に排除命令の改善策なのです。


2013年
セブン-イレブン、見切り品値下げ販売裁判敗訴で失ったもの〜異なる同業他社の方針 | ビジネスジャーナル

値下げ販売の制限をめぐっては、2009年に公正取引委員会が、独占禁止法違反(不公正な取引方法、優越的地位の乱用)にあたるとして排除措置命令を出している。同社広報によると、これを受けて現在は廃棄損失の15%を同社が負担するルールを導入しているという。


2014年
コンビニ問題 裁判すべきか?



その他 「おもてなし」についての疑問について


【読書感想】ブラック企業VSモンスター消費者 - 琥珀色の戯言

そもそも「おもてなし」やら「ホスピタリティ」なんて、本当に日本人に特有の「資質」なのかな

違うと思いますよ。ワールドエコノミックフォーラムの年次総会(ダボス会議)では、毎年観光競争力などについての国際比較ランキングを発表しているんだけど、2013年、日本の観光競争力は震災直後に発表された2011年の22位からランクアップして14位になった。

事業者による顧客主義の程度」(Degree of customer orientation)という項目があるのですが、日本は2位のスイスをぶっちぎりで引き離して1位なんです。つまりホテルや旅館、飲食店などの施設におけるサービスは圧倒的にいい、という評価でした。

 ところが地域全体で外国人観光客を受け入れる姿勢(Attitude of population toward foreign visitors)、つまり国民一般のホスピタリティの態度なんですが、これは140ヶ国中、74位なんです。これは、おもてなしとかホスピタリティの高さが「日本人の国民性」なんて大ウソということだろうと。要は、ありとあらゆるレベルのサービス業が、国際的にみれば度が過ぎたほど圧倒的に「お客様に尽くす」だけのことなんですね。



お・も・て・な・しは日本人の自己満足か:日経ビジネスオンライン

日本のサービス自体が「押しつけ」と感じられることが多く、それを自覚していない

なぜ急にみんな、「世界一のおもてなし」とか言い出したんでしょう。自己満足の部分が結構あって、日本人同士で世界一ですよと言い合っているんでしょう。もしそこへよそ者が入ってきて「いや別に自分はいいと思わない」と言っても、あなたは分かっていないからと処理されてしまう。

直せばみんな来ますよ。昨年の伊勢神宮出雲大社のように。誰かが言っていましたが、人を自分の家に呼ぶ時に、何十年も修理をしていなくて、椅子はガタガタでドアは開きにくくてペンキがはがれているような家には呼ばないでしょう。観光立国で何千万人も来てほしいなら、おもてなしだとか言う前に整備をするべきでしょう