『新しい発達と障害を考える本』(第Ⅰ期①~④)刊行のお知らせ - ミネルヴァ書房 ―人文・法経・教育・心理・福祉などを刊行する出版社
「自閉症」「アスペルガー症候群」「LD」「ADHD」の4つの発達障害についてさらに掘り下げ、
子どもと大人が一緒に考え学べる工夫がいっぱいの絵本にしました。
今まで30冊くらい発達障害に関する本読んできて何冊か紹介もしてきましたが、
自分が読んできた中では特に素晴らしい本だと感じました。
Amazonで見たところまだ全然レビューとかついてないので、多分知られてないんだと思う。
確かにページ数の割には値段も高いし、どんな本かわからないので、手を出しにくいと思う。小さな本屋さんではなかなか扱ってなさそう。
でも、もし大きな本屋や図書館などで触れる機会がある人は、ぜひ読んでみてもらいたいです。
この本の良さを私では上手に説明できないのですが、本屋などで中身を少し見てもらえば一発でその良さがわかると思うので
1章だけでも中身検索ができるようにして欲しいし、HPでも、どういう本か、もう少しわかるように紹介して欲しい。
一応こちらのページで、少しだけ中身が見えるようになっていますが、これだけではわかりにくい…
発達と障害を考える本(1) ふしぎだね!?自閉症のおともだち|絵本ナビ : 内山登紀夫監修 / 安倍陽子編 / 諏訪利明編 みんなの声・通販
とにかく、できることなら、みなさんに読んでもらいたいです。
全ての学校や図書館においてもらったり、理想を言えばアンドロイドやiphoneの「アプリ」になってくれたらすごく嬉しいなと思います。せめてkindle化を熱烈希望。
今まで読んできた発達障害の本
今まで読んできた本は
A:「発達障害ってどういうものですか?」という概要を説明してくれる
B:実際に発達障害を経験した人が、自分の苦労や治療体験を具体的に説明してくれている
C:SSTなど、発達障害の人が「どのように社会に適応できるようになるか」のトレーニングや育て方を説明してくれる
D:発達障害の子を持って苦しむ両親へのアドバイス(Parent Training)を説明してくれている
といった内容のものでした。
もちろんどの本も、きちんと咀嚼した上で、自分の状態を理解し、どう自分に適用するかを考えられれば役に立ちます。
発達障害に関しては、本人だけでなく、周囲の人の理解と協力が必要
ただ、どうしても発達障害は、いろんな人が関わってくる話です
障害を抱えている本人だけが理解していればよいものではなく、周囲の理解や協力が必要になります。
例えば
・本人だけが理解して頑張ろうと思っても、周囲がそれを理解してくれないと努力がつぶされたりします
・周りの人間がそれを理解して気を使っても、本人に自覚がないとトラブルが絶えません。
・トレーニングは普通の人にとっては当たり前、基礎的なものが多く、周りの理解・協力なしではそもそもできません。
そのためそれぞれの立場の人が、
①自分はこの問題についてどういう立ち位置であり、
②どういうことを理解して
③「自分以外の人間はどういうことを考えていて」
④それに対して、何をすればよいのか
⑤なぜそうしなければならないのか、なぜそうしたほうが良いのか
を知り、納得する必要があります。
これに対して、今まで読んできた本は、どうしても「一冊の本で皆が問題意識を共有する」というスタートラインからまず難しい。
また、入門書でもそこそこ難しく、興味のない人にはとてもとっつきにくい印象があります。
「みんなで一緒に学べる本」が必要。特に、発達障害の人が問題を「理解し」「表現し」「共有・調整する」助けになる本が必要
まとめると、発達障害は、障害を抱えている人だけが理解していてもダメで、皆が問題意識や対策を理解する必要があります。
かといって、発達障害の人が、自分の症状をそうでない人に上手に説明できるとは限らないというか、それはほとんど無理です。
発達障害は、「感覚が普通の人と違う」ということであり、
発達障害で苦しんでいる人たちは、その周囲との違いを
①「理解できない」(自分だけでなく、他人のことも)
②「表現できない」(理解してもらえない)
③「調整できない」(受け入れてもらえない)
からこそ困っているのです。
たとえ他人と違っていても、その違いをちゃんと理解・表現できて、調整できるならそれほど問題はないのです。
この本の優れている所
・マンガ形式になっており、とてもとっつきやすい
・基本はケーススタディーなのだけれど、
「周りの人間から見た発達障害の子供の印象」
「なぜそうなったの?」の簡単な説明
「発達障害の本人の見え方や気持ち」
「それについての取り組み」
ということで、いろんな人の立場から問題を捉えており、
自分だけでなく、他の人が何を考えているのかわかる
・ある程度イメージがつかめてきたところで
先に概要を説明するのではなく、
この「イメージがつかめた上で、なぜこうなっているのか」を説明する
もし子供が発達障害でなかったとしても、発達障害について理解することで子どもとのコミュニケーションにおけるつまづきとその対応がわかる
後で