頭の上にミカンをのせる

「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

最近のこのブログのお気に入りは「アークナイツ」です
アークナイツ
kindleセールの紹介
新NISA解説ブログ
発達障害

「自分で考えて私と同じ考えになりなさい」こそがハラスメントの本質

復習。
「ハラスメントに対する嫌悪」の感覚を共有するのは難しい - お前のことが好きやったんや
「ハラスメント」に関する過去記事まとめ - お前のことが好きやったんや

苦悩は、相手側が「コミュニケーションを無理やり成立させようとする」ところに端を発しているといえる。わからないならわからないでいいし、嫌いなら嫌いで良い。ただ、無理やりわかろうとしないでくれ。わからないのにわかったことにしないでくれ、自分が発していない意見を勝手に自分が考えてることにしないでくれということが言いたいのだ。

魂とインターフェースの「断絶」がハラスメント

「コミュニケーションを求めながら、それが決して成立しないこと」というのはそれ自体苦しいことだろう。しかし、ハラスメントはその先にある。コミュニケーションが成立していないのに「一方的に相手の文脈によって」成立したことにされてしまう。この際に、自分が思っていないことを思ったことにされてしまう。自分の感覚を裏切ることを強要される。これがハラスメントなのだ

ハラスメントに対する学習は、学習の基盤となる情動を切離し、外界から提供されるラベルを拒否するという、自律性を下げる学習である。自律性が下がると、学習能力は落ちてしまう。そして、自律性を下げ続けた果てに「学習能力を失う」という「学習の完成」がある。この学習が完成すると、ソレ以降の学習は停止してしまう。

学習の源泉はいうまでもなく欲求です。マズローが正しいかどうかはわからんけど、いろんなレベルの欲求がある。欲求があるからコミュニケーションを取ろうとするしそのために相手の学習もする。この動きが死んでしまうのが「断絶」でありハラスメント。


ハラスメント下で生きるのは毎日ひたすらバッドエンドをループするようなものである

コミュニケーションの成立そのものに失敗し続ける関係を継続し続けるのはかなり苦痛だと思う。 
ループする物語において、ひたすらバッドエンド、バッドコミュニケーションのイベントのみを強制的にエンドレスエイトされるようなものだ。 

やがて考えるのをやめるしかなくなる。


ハラスメント成立の過程

①第一段階

コミュニケーションについて 「一方だけが学習の努力を続けることを要求され続ける。
この非対称の関係が継続することでやがて疲労困憊し、茫然自失の状態に陥る。
それは自尊心の喪失につながり、学習過程をうまく作動させられなくなる」


②第二段階。 
「こうなった時にBは、Aに対して、自分にだけ都合の良いメッセージを送り込む。
それはお前は私の言うことだけ聞いていれば良いのだ」という趣旨のものである。 
これによってAは呪縛を受ける。


③ハラスメントの成立条件。 
この呪縛が成立する上で重要な条件は2つ。
「AがBとの関係から離脱できないと思い込んでいること」と
「自分自身の感覚を裏切り、相手の"学習しているフリ"を本当の学習だと信じること」だ。
その場を離脱することに罪悪感を覚え始めたら、そこから本当の地獄がスタートする。

要するに「無意識に行われるマインドコントロール」です。

「子猫を殺す仕事」はきっちりハラスメントの「完成」を描いている。
上司との会話において第一段階が完成していることがわかる。
第二段階のプレッシャーとして放送や各種宣伝が描かれる。
そして、彼女は自分の状況から逃れられないと思い込んでおり、
また、自分を一方的に悪者扱いする異常なおばさんに土下座までして教えを請う姿は
彼女がもはや「完成された」ハラスメント被害者であるということである。

鎖に繋がれて育った象ですね。


対策としての「自分の頭で考えつづける」のはとてつもなくしんどい

しかし、己を持って生きるには、頭を常に使い続けて何が正しいかを考え続け、その正しさを守るための努力を続ける必要がある。これはものすごくしんどい。しんどいからみんなそれを投げ出してきた結果が今と言えなくもないので、ほんとにこの問題は根深い

この記事では書かないけど「マネジメント」ですらもこの問題は乗り越えられない。

この問題をどう乗り越えるか、についてじっくり掘り下げてるなーと思うのが
「マギ」というマンガだと思ってて最近めっちゃはまってます。