頭の上にミカンをのせる

「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「恋わずらいフリークス」  女の子の心の中は、お化け屋敷

甘々と稲妻」が人気の雨隠ギドさんの作品です。

俺を信じろ!お前を信じる俺を信じろ!!
安心しろ、お前の傍には俺がいる。お前を信じろ!俺が信じるお前を信じろ!!
俺が信じるお前でも無い、お前が信じる俺でも無い、お前が信じる…お前を信じろ!!

この三段活用は男女の間にこそ必要だよね、というお話。

この作品は、自分に自信がなくて人間不信こじらせちゃってる年上の女性が
何度も何度も愛の言葉を与え続けることでついに笑顔が可愛い女の子になっていきます。

絵がとてもきれいなこともあり、
男側から見ても、女性側からみてもそれぞれに理想が詰まってて素敵な作品だと思います。


ちょうめんどくさい女の人

主人公の女の人は超常的な力を持っていた巫女の血族で特殊な力を持っている。
その力が原因で親からの愛情を受けられなかったり、
自分の力がきっかけでトラブルを起こしたり、
さらにはあるトラウマを抱えることになってしまった。


そんな彼女は自分のことも自分の能力のことも嫌っており、
ずっと他人を遠ざけて、誰にも頼らず一人で生きていた。
そうやって、とことんぼっちをこじらせた女が出来上がった。

自分のせいで、人を傷つけたり、傷つけたことがたまらなく苦しかったり
そういうことが積み重なったら、誰だって嫌になるわよね

そんな彼女だったが、あることをきっかけに自分への好意がバレバレで、
でも彼女に手を出してこない草食系男子と同居するようになる。
ハリネズミのように他人に警戒心が強い彼女も
その男には次第に心を許すようになり、
ちょっと心を開いて自分のことを打ち明ける気分になる。

事件はそんなタイミングで起こった。


「どんな私でも好きだと証明しなさい」

事件の後、女の人は9歳になったり、42歳になったり、12歳に変化するようになる。
そんなわけで、決してロリなだけのマンガじゃないです(謎の弁解)

そして、それぞれの姿で男を困らせるような行動を取って男を試す。
なんでも、何があったかは覚えていないが男の人を絶対に許せないという気持ちだけは覚えているらしい。理由がわからないからそのモヤモヤを男の人に手当たり次第にぶつけてくる。めんどくさい。

その都度男は戸惑い、振り回されながらも、
それぞれの状態の女への理解を、そして女の人の存在そのものに対する愛を示す。

せんぱいが「なんでもないことだわ」って顔をする時は要注意だ。
たいていが「フリ」なのだから。
……この子は本当にせんぱいなんだなぁ

そのたびに女の人はちょっとずつ癒やされていく。


ただ、どんなに姿を変わっても元の24歳にだけは戻れない。
こころの底で、どうしても自分を受け入れきれない。
どれだけ愛を示されても、どうしても自分を信じ切れない。
自分が人に愛されるということが信じられない。
人に愛されるということがどういうことがわからないで
それでも愛を求め続けるうちに、ハードルもむちゃくちゃ高くなっちゃっていたのでした。
めんどくせー。

世の中に、なんでも受け入れてくれて、私を傷つけない。
そんな都合のいい人間居るわけ無いのに。
あなたならって……

しかし、この物語の男の人は、そんな女の人のハードルさえ越えて
女の人を包み込んで癒して、愛してくれるのでした。 めでたしめでたし。


というわけで、ストーリーはシンプルなんですが、
女の子の絵がすごくセクシーな感じだし、
いろんな要素が散りばめられていて、何回か読んでも飽きない楽しさが有ります。



「自分にだけ都合のいい異性はいない」

美人の女の子に対して男は冴えない風貌ですが、
まっすぐに女の人を愛してくれて、どんなわがままも許してくれて絶対に浮気もしない。
まさにこの女の人には理想の男性的存在。

ただ、ほんとにこれだけで終わると「メェルヘンやファンタジー」すぎて面白くない。

この作品はそんな男は他の女からもモテる、という描写があるのが面白いです。

で、この男に惚れるのがやはり美人で才女のテラモトさん。

超美人だけど自分に自信がない主人公は、
男が自分にべた惚れであることを知っていつつも、
どうしても不安に勝てなくて
好きなのに男を試し、男から逃げ、男がライバルの女に向かうように仕向けちゃうんですよね。

こういう葛藤をもたらす要素があるのはすごくいいですね。
ハーレムものとかだと自分以外にライバルとなる男がおらんですからね。
ある程度の緊張感はあったほうがよいです。


というか、このテラモトさんも、主人公の女の子ほどではないけれど
感情表現がひねくれてて、いちいち駆け引きみたいにしないと表現できないのがすごい好き。


「女の子の心の中は、お化け屋敷」

この作品、男の人の感想が読みたいなーと思います。

私からしたら、感情表現が素直にできなくて、その悶々が爆発して
街そのものを巻き込むような変異まで起こしちゃう
その女の人のエネルギーに圧倒されます。

だからこそ、逆にそのエネルギーが自分に好意的という形で向けられた時は
もうホント幸せーな気分になるんだと思います。
これはなかなか男には難しいことだと思う。やっぱり女ってすごい。

コンプレックスや伝えられない思いが、
そのまんま目に見えたら、いっそどんなに楽だろう
ひょっとしてせんぱいにとっての「変災」の意味も…

「狂人」になりますか?それとも己が不幸であることを諦めますか? - この夜が明けるまであと百万の祈り
どんなに毎日が生き辛いか、苦しいかって、
心の中にあるだけで、誰にもわからないことじゃないですかあ・
鏡をみたら健康そうな私が映ってるし、
世間的に見たら貧乏ってわけでもないし。
美味しい物だって食べられるし、旅行だってできるし。
こんなに辛いのに、外からだと、もしかしたら幸せに見えてるのかもしれない!
そう思うと、本当に悔しいですよねえ。
そういうとき、傷を付けて、血みどろでボロボロになった自分の腕を見ると、
ちょっとだけ心がおちつくんですよねえ。
自分の感じてるものと、実際の姿が少し近づいたような、
ギャップが少し埋まったような、そういう安心感があるんです。
だから、もし身体のどこかにメーターがあって、
その人の気持ちの苦しさとか楽しさを正確に表示出来てたら、
きっと私はこういうことしなかっただろうなぁって思います。
メーターを見せればすむことですから。
(中略)
つまり、心の辛さなんて、他人にはどうせわからないんです。
前島さんが千絵さんの辛さがわからなくたって当然です。
だから、決して安心しないでくださいよお!
いい加減に考えたら、駄目ですよお。
女の子の心の中は、お化け屋敷なんですから!
女の子の本当の気持ちは、深い茨の奥にあるのです。
傷つく覚悟を決めないと、そこにはたどり着けませんよ

そうそう、この作品って「いばら姫」なんだよね。