まーくんと部長の関係よりも、とにかく浅川夏帆さんが気になっていた作品。
良くも悪くもとにかく直情的。
ズケズケと物を言い過ぎて逆に人を傷つけてしまい、そのことで自分まで落ち込んだり。負けん気が強すぎて人にすぐ噛み付いて揉め事を起こしたり。短気すぎて先走って考えなしに行動してしまい、かえって物事をややこしくしたり。
とにかく、口が、悪い。ネットとかやったらやたら炎上力高そうな子だなぁと思う。
それでいて、周りのこともちゃんと気づかえる。というか、優しいし正義感が強いし気遣いもできる。なのにそれがうまく生かされない。そしてそのことを気にしつつも、他の女の子みたいにうまくできない。自己分析までできてるのにそれでも自分を変えられない。芯がやたらと強いんだろうなぁ。
無理です……私は部長とは違うんです……私は小さい人間なんです!
たとえ私がおとなしく生きていたとしても、変なやつらはアホなことをするわけですよ。部長ならきっと、あらーしょうがないわねーみたいな感じになるわけですよ。でも私はそういう訳にはいきません。「このアホ共、どうしてやろうか」とか思っちゃうわけです!
私だってわかってます。私がギャーギャー言っても何の解決にもならないって。私だって、無理をすれば笑顔でしょうがないっていうことはできると思うんです。でも、その時私、確実に寿命が縮まっていると思うんですよ。あのバカ共のおかげで私の命が削られた。それは我慢ナンないんですよー!ダメなんです、無理無理!
私は、そんな…小さい、人間なんです……。アリのように小さい人間……。そういや、体も小さいですね。心にぴったりな器です……
そんな感じで芯が強すぎて自分を曲げられないくせに、他人のよい所とかはちゃんと見てて、そんな他人の良いところに憧れてしまったり同じようにできない自分自身にコンプレックス感じてしまったりするめんどくさい子です。
そういうめんどくささがすごく可愛いんだよなぁ。
「力は無いけど真っ直ぐな心を持ってる子」はどう生きるか
夏帆は「天使の小生意気」の主人公であるメグタンを引き継いだようなキャラだと思う。この子はメグタンと違って家の権力があるわけでも武道があるわけでもなくただ普通の女の子なのですよね。
(「鋼鉄の鼻っ柱」の主人公は権力や財力を失っても我が道を貫くけど、これ女の子だと難しいんだと思う)
きっと、夏帆は自分の思ったように生きようとした時、いろんなことにぶつかってしんどい思いをしてたんだと思います。それでも自分を変えられなくて、でもうまく行かなくて、という葛藤を抱え続けてるんだろうな。
だから、茶道部の部長のような人に少しでも近づきたいと思う。「自分を変える」方向を模索しようとする。
一方でまーくんのようなバカをキライながらも、その奔放さと、思ったままに行動して力づくで何とかしちゃうところとかに憧れちゃうところがあるんだと思う。
「アタシってしょぼい、私は偉そうに言ってるけどアイツみたいには出来ない」と無駄に悩んでしまったり、人を素直に褒められない自分に苦しんだりしてる。
そういうことを考えながら読んでいたので、夏帆がそんな自分の特性を理解しつつ、「自分だからこそできること」を見出して実行してるシーン(31話とか最終話とか)はものすごく好きです。
この子は、単体だと生きるの苦労するだろうけれど、サポートしてくれる友達がいたり、彼女のことをよく理解してくれる後輩や部下の人がいたらものすごく力発揮できるんだろうな、って思ったり。
西森ヒロインが、社会に出た時でも己をまっすぐ貫いてる姿を見てみたい
西森ヒロインはすごく魅力的なのだけれど、これ学生という限定された時だけの輝きだとか思いたくないんですよね。
舞台が高校から上のステージに移った時にその特性をうまいこと活かして活躍していたらもっと魅力的なんじゃないかな、とか思うことが時々有ります。
(ちょっとちがうけど、「遠坂凛」みたいになってるんじゃないかと思います)
最新作「なにもなくとも空は青い」のヒロインは、年齢こそ高校生だけれど学校とう枠組みが外れたところで行動してるからちょっとそういう雰囲気はあるかもしれない。
一度でいいから今度は大学生だとか社会人というステージでの作品を描いてみて欲しいなーとか思ったり。