頭の上にミカンをのせる

「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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汚かったり厳しいほどリアリティを感じるのって変じゃない?

「追いつめられた時にその人間の本性が出る」みたいな話が苦手。余裕があったり調子がいい時の人のこと全否定かい。


同じように「世の厳しさみたいなのを描いてるからリアリティがある」みたいな考え方も苦手。それはあなたがそういうのを現実だと思ってるだけでしょう。


「本当の自分」「本当の現実」みたいなのがあるという考え方自体好きじゃない。「己の根源」みたいなのの存在を仮定するのって中二病的ですごく好きだけれどあまり実用的じゃないと思う。バイオリズムの変化によってこれだけブレまくるし、時とともに考え方の根本さえ変わるでしょ。三つ子の魂百までって言うのは癖でしょ。信念ってのはその自然な変化を無理やり固定させてるだけでやせ我慢でしょ。(やせ我慢だと思うからこそ、信念を持っている人が大好きです。迷いなく信念持ち続けてる人は大嫌い)


理性やら論理万能主義だとかいうのも嫌い。論理だけでなんでもうまくいくわけないでしょ。ネットでは論理多めだけどそれは言葉主体のコミュニケーションのためであってネットで論理性ないのにわかってもらおうとするのは甘えだとおもってるだけであって現実ではむしろめちゃくちゃ感情重視ですよ。感情ファーストですよ。

どっちも極端すぎるでしょ。

人間そんなにいいものでもないしそこまで汚くも無いでしょう。現実だってそんなにいいものでもないけれど、絶望してネットに極端な希望見出さなきゃならんほどでもないでしょ。100%嫌いな点しかない人間なんていないでしょう。私はむしろ嫌いな人間から良い所探しだそうとするのが趣味なくらいだぞ。好きな人間を疑うのも趣味だぞ。そうすることで嫌いな人間はもっと嫌いになれるし好きな人間はもっと好きになることもあるし、逆に最初嫌いだった奴が結構好きになったりするのが楽しい。







今日は「空が灰色だから」を読みました(…察し)

この作品は人間のボラティリティ(振れ幅)激しいから良い。長編作品って、キャラの振れ幅大きく出来ないし一方向だったりするけれど、この作品は短編ゆえに人間の振れ幅の激しさが描かれててすごく良い。

キャラとしては4巻と5巻に登場する瑠瑚奈ちゃんがお気に入り。やる気ないやる気ない現実だるいっていいながらさりげなく5巻で三高で合格してるのホント好き。というか、この「ネガティブ(ウィンプ?)瑠瑚奈」「平凡(別の意味でネガティブ)奈緒」「ポジティブ(マッチョ?)翔」の三人組のかけあい好き。ネガティブなことを言うやつがネガティブなこと言うだけだとすごくつまらない。ネガティブなこと吐き出して、それを別のやつが受け止めたり否定したりして、その上でポジティブなこという、っていう関係すばらしいよね。

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ネットでの議論ってネガティブなことを言う奴がいて、そのネガティブを叩き潰すみたいな話で終わっちゃう。あるいはポジティブ一辺倒の言い分の人がいて、それをみんなでいいね!しあうような気持ち悪い構図になったりする。三つめの軸が足らないかもしれない。 中立的な立場にいる「奈緒」の悩みについて描いた「ちーちゃんはちょっと足りない」も大好き。
「ちーちゃんはちょっと足りない」 - この夜が明けるまであと百万の祈り




一番好きなお話は18話の「信じていた」です。多分この話は何度も読み返すと思う。上で言ったとおり、こういうのが現実だとか言うつもりはなくて、こういう切なさが本当に好き。頑張っても報われないことの辛さを噛みしめる話がすごく好き。

「君は報われない幸せを知らない」 - この夜が明けるまであと百万の祈り





余談ですが、人間の極限状態を引き出してそこに真理を見出そうとした結果どうなるかという思考実験としてはこの作品おすすめな

後ergだと「Extravaganza」という傑作が有ります。