ぼくが今年一番衝撃を受けた本を紹介するよ - Outward Matrix
で紹介されていた「好きなようにしてください」興味があったので早速読んでみました。
私も面白かったです。紹介してくれたSpeedque01さんに感謝。
日本版の「仕事は楽しいかね?」みたいな内容。しかも多様な問に答えていて、一つ一つの答えが数ページにまとまっているので読みやすい
この本は「好きなようにしてください」という言葉にあるように、相談者からの50の質問に対して応える形で
「相談者の心を押さえつけたり縛っているものを軽やかに解き放って、もっと自由に考えてみよう」という呼びかけをやっている。
この本のメッセージはこの「仕事は楽しいかね?」と通底しています。
なので、マンガでもなんでもいいからこの「仕事は楽しいかね?」を読んだ後に
「好きなようにしてください」を読むと理解度が増すのでセットで読むことを強くおすすめします。
49個の質問に対しては「好きにしてください」なのだけれど最後の1つだけは「好きなようにしてはいけない」と答えている
結構変な質問に対しても(いろいろ条件はつくけれど)「好きなようにしてください」と答える楠木さん。
しかし、最後の一つの質問に対してだけは「No」を付きつけるのです。
え……他のどの質問に対しても「好きなようにしてください」って言ってきた楠木さんがダメっていうなんて。
それはいったいどんなにひどい質問だったんだろう?って思うかも知れません。
でも、そうじゃありません。
質問内容は一件普通に見えます。
質問内容だったらこの本の中にもっと突飛なものがたくさんありました。
でも、楠木さんにとって一番ダメなのは最後の質問者の姿勢だったんですね。
答えあっさり書いちゃいますが「本人が取り組んでいてワクワクしない時」です。
この時だけは絶対にダメだ、と言っています。
え?それだけ?と思うかもしれませんが、これこそが致命的なのです。
その後楠木さんによって「ワクワクする」ってどういうことかについて別の言葉で説明があります。
「ワクワクしていない人」の問題点と解決策についてもコメントされてます。
この章に関しては笑いはありません。真剣です。
読んでみたら
「なるほど。
確かに~~~~~できない状態は非常にまずいし、
そして・・・・・してしまうのは最悪だ。
まだやめておいたほうが良い」と思うはずです。
もちろん、「諦めろ」と言ってるわけではありません。はてブの野次コメントとは違うのだよ。
ちゃんと「何が足りないのか」「どうすればよいのか」まで語ってくれています。
これはとても重要な考え方だと思います。
そして、これ「仕事は楽しいかね?」のコアメッセージでもあります。
「なぜ好きなことをしているはずの人でも仕事を楽しいと思えないのか」「どうすればいいのか」。
この問に最初に取り組んだ本が「仕事は楽しいかね?」だったのですがやはり楠木さんも同じ結論にたどり着いたのだなぁと思います。
※一応一番後ろに答え書いておくのでそれまでに考えてみてください。
夢を語る若者に対して「好きなようにしてください」というべきか言わざるべきか、の答え
たとえば、ブログやら投資でお金儲けをしたいという若者がいるとします。
種類は違いますが、最近だとエアロビがどうのこうので就職せずにネットでがんばります、という人も居ましたね。
そういう話を聞かされた時、私たちはどう答えればよいか。
http://delete-all.hatenablog.com/entry/2016/03/22/190000
世の中には星の数ほども仕事があるのになぜわざわざブログを選ぶのか。《生活のため》以外の強力な動機がないと不自然ではないか。
本人が心の底からその取組にワクワクしているかどうかを確かめれば良い。
「本人がワクワクしている」といっても、言葉ヅラだけで勝手に「ワクワク」を推測してはいけない。
この本に書かれている「ワクワク」の条件を満たしているかどうかを判断する。
誰でも思いついた時には多少は「ワクワク」する。だが大半の人はすぐに心が摩耗してしまう。
「ワクワクし続けられる」ための条件を満たしていないなら、そのワクワクは自称にすぎない偽物。
そういう「本物のワクワク」=「強力な動機」を支えるものが有るかどうかを確かめる。
「それ」がある、思ったなら条件はつけるにしても基本的に「好きなようにしてください」でいいと思う。
「それ」がないと思うなら、若者が反発しようがダメだと言えばいい。そしてその理由を説明してあげましょう。
いやあ、ものすごくすっきりしました。
年長者からダメだしされることに対して「夢をくじくような人は最低だ」みたいな洗脳を受けてる若者もこの本を読んで考えましょう
ブログで何か自分がやりたいこととその動機を語って、周りからやめておけって言われた時に「若者の夢をくじくようなことをいうなんて最低」とか言ってる人居ましたね。
イケダハヤトややぎろぐもそれに便乗してアホみたいなエントリを書いてましたね。多分このあたりの人が積極的にそういう洗脳をやってるんでしょう。言っちゃなんだけれど、それって、ホントにええかっこしいしたいだけの無責任クソ野郎だと私は思うんですよね。まぁふたりとも商売でやってるのはわかるけどそれにしてもなんというか大っ嫌いですそういうの。
”「若者応援おじさん」に気をつけろ” - この夜が明けるまであと百万の祈り
そういうの、自分たちが特別なことをしてるから反発されるんだみたいに教祖様はおっしゃってるのかもしれないけど就職試験でどこかに採用された人だって、みんな同じように「動機」を試されてクリアしてきてるからね。それ自体何の特別なことでもないからね。
あとは「若さ」とか「実績のなさ」とか「経験」のせいで舐められているとか思ってるのかもしれない。もちろんその理由はゼロじゃない。実際そういう理由だけでダメって言う人も少なからずいるとは思う。
でも、それが100%の理由なの?ちがうよね。
そう決めつける前にあなたの中の「ワクワク」が読み手に伝わってないか、「ワクワク」が最後まで継続しないと思われてるんじゃないかってことをちゃんと考えてみたらいいんじゃないでしょうか。自分はちゃんと「心からワクワクしてし続けられる」の条件を満たしているのかってチェックしたらいいんじゃないでしょうか。読み手にそれが伝わるような話し方ができているかってチェックに使ったらいいんじゃないでしょうか。
何か抵抗が来た時に「人と人とは分かり合えないから話が合わない人の話は無理に聞かなくてもいいと思った」と言って許されるのは、はてなでそこそこ力を持てれば満足というくらい志が低い人だけであって、リアルで何か成し遂げたいなら、反対する人とも上手くやっていかないとどこかでどん詰まりになると思うんですよ。 こういう「必要最低限の部分」すら避けようとする態度が見えれば見えるほど「やめておけ」と言わざるをえない気がします。
※これなら大丈夫だという「ワクワク」とは=「論理的な確信」を持っているかどうか
・実際に事業を始める前に起業の拠り所となるのは、「論理的な確信」である。
・ビジネスは、自分以外の様々なステークホルダーの関与なしに実現できない。利害や立場が違う人でも分かり合える共通言語、それが論理だ。論理でなければあなた以外の他者は理解できない。あなたが1人でどんなに情熱を持っていたとしても、そこに論理がなければ他者には伝わらない。ここに確信が「論理的」である必要性がある。
・もっとも大切なポイントは、あなたを取り巻くステークホルダーだけでなく、当の本人の情熱にとっても、論理で紡がれた戦力ストーリーは不可欠であるということだ。これがなければそれを維持することは困難である。
・情熱があるのはもちろんだが、論理的に理解できて「人に話したくてたまらなくなるような」話をする、これが戦力の原点にして頂点だ
「ストーリーとしての競争戦略」の作者さんらしい話ですよね。 でもこれすごく大事だと思います。
今はまだ「炎上芸」で目立つ人でも食っていけるかもしれない。でも、参加者が増えれば増えるほど、そういう人は淘汰されていくと信じています。……大丈夫、だよね?