おすすめ度 ★3.5(5段階評価)
初稿:2017年3月
最新:2019年10月 5巻まで読んだので追記。
エロゲシナリオライターとして有名な「るーすぼーい」さんの作品
18禁ゲーをやっている人なら「るーすぼーい」はご存じの方が多いと思います。「車輪の国」シリーズや「G線上の魔王」「ぼくの一人戦争」など、独特の世界観描写と叙述トリックを用いたどんでん返しで人気が高いシナリオライターさんです。実はラノベも出してます。
- 出版社/メーカー: 5pb.
- 発売日: 2013/02/28
- メディア: Video Game
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- アーティスト: ゲーム・ミュージック,片霧烈火,彩音,Barbarian On The Groove feat.茶太
- 出版社/メーカー: 5pb.Records
- 発売日: 2009/04/24
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PCゲーム「 ぼくの一人戦争 」オリジナル・サウンドトラック
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白蝶記 3 ―どうやって獄を破り、どうすれば君が笑うのか― 白蝶記 ―どうやって獄を破り、どうすれば君が笑うのか― (ダッシュエックス文庫DIGITAL)[Kindle版] | ||||
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1話の時点でだいたいどういう話か分かります
この作品でも同様に見事などんでん返しを決めてきます。
「叙述系トリックによるどんでん返し」なので、私が記事で説明するとネタバレになってしまいます。
1話だけ読めばわかるので実際に読んでみてください。
1話の時点で「まじか!」と驚いたなら後は続きを読むだけです。
- 作者: るーすぼーい,古屋庵
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2017/02/22
- メディア: Kindle版
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2話以降の展開として、関連作品としては「アカメが斬る」「Death Note」「新世界より」などです。これらの作品が好きな人にはとても楽しめる作品になっていると思います。
「どんでん返し」と合わせて作者のもう一つの持ち味である「渋いおっさん」の描写はこの作品でも健在
るーすぼーい作品の中でも代表作とされる「車輪の国」には法月というキャラがいるのですが、めちゃくちゃ人気が高いです。
この法月という人間は単に強くて悪い大人だからというわけではなく、一本筋の通った人物であり、強固な価値観を持っています。彼の若い時代を主人公にした番外編まで用意されているくらいキャラが立っています。古い作品なのですが番外編の主人公を務めているあたりからも「タクティクス・オウガ」に出てくるランスロット・タルタロスをほうふつとさせますね。
さらに、この法月と主人公の関係が素晴らしい。物語開始の段階では、この法月が主人公の価値観まで支配しています。
主人公はこの法月に反発こそ感じつつ、自分の中に彼を超える信念を持つことができていません。なので物語中で何度も彼に論破され、敗れてしまいます。
しかし、物語を通して、主人公はいろんな人との交流を経て己の信念を強くし、仲間を得ることで、一対一ではまだかなわないと認めつつも、この法月の束縛を乗り越えるという展開になっています。そういう「悪」ではなく「乗り越えるべき大人」として芯の通った人間を、るーすぼーいさんは描いてきたんですね。
この「価値観の転換」や「成長して自分自身の心に素直になる」という展開はその後の「G線上の魔王」にも引き継がれており、この「無能なナナ」でもいかんなく発揮されています。「法月」ポジにあたる人物も登場しますし、今作は主人公が女性キャラであるという点から、「ライバルキャラ」「お助けキャラ」などが登場し独自性も感じられます。
そういう意味で、るーすぼーいファンにはもちろん満足できる作品ですし、今まで知らなかった人も名作のエッセンスをお手軽に味わえる良作に仕上がっていると思います。 おススメ!
1巻の後は4巻まで少し似たような展開が続いてダレ気味になっていましたが、
5巻に来ていよいよ本格的に物語が展開します。今から読み始めるとちょうど面白いですよ。
- 作者: るーすぼーい,古屋庵
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2019/07/12
- メディア: コミック
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