「金田一少年の事件簿」全話まとめて振り返り シーズン2前半(EP20-24) - 頭の上にミカンをのせる
の続き。1つ前の記事で頑張りすぎたのでシーズン2は2つしか残ってなかった……。
犯人の名前&動機
殺人事件名 | コミックス | 犯人 | 動機 | 生死 | 予定外の殺人 |
EP26怪奇サーカス | 8巻 | 小椋顕人(12)&小椋乃絵留(14) | 父と石川の復讐 | 生存 | ✕ |
EP27金田一少年の決死行 | 9-10巻 | 狩谷純(22) | 長期間幽閉に対する復讐 | 生存 | ✕ |
見ての通り、EP13あたりから、予定外の殺人を犯している犯人が全くいない他、
シーズン2に入ってからは、結局犯人が誰も死にませんでした。
EP26 エピソード評価★
「怪奇サーカス」は殺人犯が最年少を更新しているシナリオ。演出の関係で解決編や動機の解決部分があっさりしており、あまり印象に残らないが、流れとしては下記のとおりとなっており、3人組はかなり極悪である。
①6年半前に強盗犯3人がサーカス団に加入。(小椋団長はなぜ受け入れた?)
②その後数年前に大男の「石川隆」が曲芸中にやけどを負う。
③1年前に前団長の「小椋伸吾」が1年前に焼き殺されている。殺したのは3人組で、正体に気づいた団長の口封じに「ショーの練習に使う灯油を危険なガソリンにすり替え」たらしい。これを石川隆は目撃していた。
④団長殺害の翌日、3人組はさらに口封じで「石川隆」を殺した(?)後、海に荷物ごと投げ捨て、団長殺しの罪もかぶせる。
⑤第一の殺人の後、エドの死体を焼いたのも3人組の生き残り。
「小椋伸吾」や「石川隆」は解決編の途中でも一度もビジュアルとして出てこなかったため、一読しただけではこれらの情報がすっと正確に頭に入って来ませんでした。動機の部分を丁寧に描くことに定評がある金田一少年シリーズにしては珍しいです。
トリックに関して、第二の殺人における錯覚を利用した仕掛けは面白いものの、やはり「MONSTER」なる存在の仕業にするのは難しいので、とりあえず殺し切るところまでしか考えていなかったのかなと。個人的には第一の殺人の後のアリバイ確保のほうがうまいなと思いました。
EP27 エピソード評価★★
高遠遙一登場4回目。
「金田一少年の決死行」ではまず舞台作りと、そこに被害者を集めるまでの導入の流れがちょっとわかりにくかったです。巌窟王をベースにしているとはいえ、金田一が香港のホテルについた時点でここまで話が進んでいるんですよね。
①高遠遙一がまず殺人犯を牢獄に閉じ込めた4人組の1人「神山」から殺人犯が牢獄に閉じ込められていることを知らされ、金田一との対決のための手駒として利用することを決める。「神山」を殺害した後、殺人犯を脱獄させる。
②殺人犯は、脱獄の際に自分が幽閉されていた洞窟内に残っていた財宝を使ってホテルを買収し、改装工事を始める。この際に南麗晶を秘書として雇用する。
③「神山」の名を使って残りの3人をホテルのマジックショーに呼び寄せる。
④殺人犯は自分が誘拐されたことにして身をくらませ、警察を舞台に呼び寄せる。
⑤高遠遙一は金田一や明智がそれとわかる新聞広告を出し、二人を香港のホテルまで呼び寄せる。
⑥香港に来た明智警視を洞窟内に誘導した後襲撃、トリックの場まで拉致する。
私は明智さんが登場したのがかなり唐突に感じたわけですが、読み返したらちゃんと説明ありましたね。また、被害者4人がなぜ集まったのかも読み返すまであれ?って思いました。ちゃんと描かれてるんですがうまく頭に入ってこない……。自分がいかにボケっとしながら作品を読んでるか痛感します。
鏡を使ったトリックですが、①~⑥で行った準備の大掛かりさを考えると、もう少し確実性の高いやり方はなかったんだろうかと思ってしまいますね。。。
そもそも一度睡眠薬食らって容疑者扱いされているのに、同じような手口で二度目も無警戒に睡眠薬を食らい、目覚めた後そのままナイフを持って移動する金田一くんというのはちょっと……。芸術殺人にこだわる高遠さん的にはこれでいいのか……?
というわけで、事件としては結構ツッコミどころが多く(金田一少年と高遠に対して)、実行犯としては「おいおい、これで本当に大丈夫なのか?」といいたくて仕方なかったと思うので、「犯人たちの事件簿」で思う存分ツッコんで欲しいと思います。
「巌窟王」になぞらえている割に、見立て殺人というわけでもなく、「待て、しかして希望せよ!」的な展開になるわけでもなく、途中から高遠と金田一の対立が持っていってしまったりと、終わり方がすっきりしないと感じますが、過去作の準レギュラーキャラが多数登場したりとサービス精神が十分に発揮されていてなかなか面白かったです。