作品評価★(個人的評価★)
fateシリーズ、特にFGOが好きな人には是非読んでもらいたい作品。
舞台は1888年のロンドン。その世界でシャーロック・ホームズ(なぜかオーク姿)と、U.N.Owenの探偵コンビが、切り裂きジャックと戦うというオールスターもの。
バネ足ジャック、アルセーヌ・ルパンやフランケンシュタインが登場するなど、時代や実在・非実在、人間か都市伝説かを問わず色んなキャラが登場して場を賑やかす。
英国王立賢人協会(ワーズワース・ワークス)
ユナ・ナンシー・オーウェン
ロード・サイモン・プリムソル
比類なきジーヴス - Wikipedia
レストレード - Wikipedia
ジョゼフ・メリック - Wikipedia
ドラゴン・タトゥーの「男」
アイリーン・アドラー
シャーロック・ホームズの兄
クラレンス公アルバート・ヴィクター
残念ながら私はシャーロック・ホームズについてそんなに詳しくないので、このあたりしかわかりませんでしたが、好きな人がよめば、もっと色々分かって楽しいと思います。コンセプトとしては、夏目漱石の小説に出てくる登場人物のオールスターもの「こころ・オブ・ザ・デッド」を思い出すようなどんちゃん騒ぎで、その気になればかなり盛り上げられるポテンシャルはあったかな、と。
こころ オブ・ザ・デッド ~スーパー漱石大戦~(1) (アース・スターコミックス) | ||||
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文豪ストレイドッグス (14) (角川コミックス・エース) | ||||
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「探偵権限」「赤い真実」についてのツッコミ
この作品では、探偵であるホームズは超能力を持っており、「これが真実である」と認定すれば、たとえ事実であってもそれを捻じ曲げることが出来ます。
これは、「うみねこのなく頃に」で登場した「探偵権限」、もっといえばゲームマスターのみに赦される「赤い真実」に近いものがあります。
赤き真実は少なくとも宣言したゲームにおいては真実であるといえる。
例えば殺人が起きる前に「右代宮絵羽は犯人ではない。」と発言したらそのゲームで起きる事件の犯人は絵羽であってはならない。
うみねこのなく頃に散 Episode8:Twilight of the golden witch 9巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER)[Kindle版] | ||||
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実際は、赤い真実よりたちが悪い、fateシリーズの聖杯のような機能を果たします。
これにより、各エピソードで「切り裂きジャック」の犯人を見つけるものの、それを彼が超能力を使って否定します。これによって現実が捻じ曲げられ、変容していくことによって、「切り裂きジャック」にまつわる真実もその都度変化していきます。 彼が最終的にこれが犯人だと観測を確定させるまで、延々と多様な可能性をはらんだまま現実が変容しています。「シュレディンガーの猫」みたいなもんですね。
ぶっちゃけ、現実と仮想を混ぜた世界だから許せるものの、倫理的には完全にアウトなことをやっていますよね。fateシリーズでセイバーが願い、それを断念したものを、いとも簡単にやらかしてしまっているわけです。そして、実際そうした改変の積み重ねで、どんどんと改変後の現実で被害者が出ていきます。この問題にどうやって責任を取るのか、どうやってオチを付けるのか。 そのあたりは、fateシリーズをプレイしてきた人なら興味を持って読めるのではないかと思います。
この作品、2巻で終わってしまっているのですが、とてももったいない……。
この系統の作品としては、かなりオススメなのが「紫色のクオリア」ですね。「虎よ!虎よ!」のオマージュといい切っている作品ですが、終わり方がとても美しいです。
紫色のクオリア(3) (電撃コミックス)[Kindle版] | ||||
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オーク探偵オーロック (1) (角川コミックス・エース)[Kindle版] | ||||
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