評価★★★★(個人的評価★★★★★)
「光とともに……」は重度の自閉症を抱えて生まれた光と、彼を育てようと奮闘する家庭を通して、自閉症児を育てることについて深く知っていく作品。
私は自閉症スペクトラム障害では有るけれども比較的軽度なものであり、生きづらいと思いながらもごまかしごまかしで今まで生きることができてきたわけだけれど、この作品に出てくる光は重度なものであり、それを隠して生きることなどとても出来ないし、周囲からの助けが絶対に必要だった。
だから、光に幸せに生きてもらいたいという願いから、カミングアウトし、夫婦で力を合わせて戦い続け、子育てにおいて様々な工夫をするだけにとどまらず、いろんな施設の力を借りたり、周囲の無理解や攻撃との向き合いながら、できることを一つずつこなして親としても成長していきます。
この「できなかったことが少しずつ出来ていく」「すこしずつ協力者を見つけていくこと」を一つ一つ喜びながらゆっくりと前進していく姿がとても素晴らしいなと感じます。作者自身は当事者ではないのでフィクションではあるけれど、当事者への詳細の取材を元にして描かれた作品であり、とても熱がこもっています。今でも当事者にここまで寄り添った作品というのは他になく、オンリーワンの作品と言えます。
話の密度が高く、1冊読むだけでもすごく疲れる作品ですが、それだけ作者の強い思いがこもっている作品であり、何度も読み返しましたが、読むたびに心が揺さぶられます。最近はなんでもかんでもkindleに以降してる私ですが、この作品は今でも本棚に紙の本としておいてます。
この作品もkindle unlimitedにて1巻が無料で読めるので是非読んでみて下さい
光とともに…~自閉症児を抱えて~(1)[Kindle版] | ||||
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完結編が出てたのは知らなかった
ところで、私はリアルタイムで買ってたので知らなかったのですが、15巻は完全版が出てたそうです。
作者が連載途中でお亡くなりになったため、最後の2話はネームだけの公開だったのですが、10周年記念でそのネームを別の作家さんが作品におこされていたそうです。
戸部の逝去により2010年5月号で連載終了となっていた同作だが、その後のストーリー2話分はネームの形式で遺され、単行本の最終15巻に収録。今号のフォアミセスではそのネームに河崎芽衣がペン入れを行い、正式な完結編として掲載された。
光とともに…~自閉症児を抱えて~ 別巻[Kindle版] | ||||
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「どんぐりの家」と合わせてオススメ。
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また機会があれば内容についても紹介しようと思います。