評価★★★(個人的評価★★★★★)
私が好きだったマンガ「放課後カルテ」の最終巻が出ましたね。
放課後カルテ(16) (BE LOVE KC) | ||||
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表紙とタイトルで想像できる通り小学校の校医さんがメインのマンガです。同じく私が大好きで小学校教師が主人公のマンガ「あの山越えて」は30巻を越えても今でも続いていますが、この漫画もずっと続いてほしかったので少しさびしいです。
とはいえ、まずは完結お疲れ様でした。
あの山越えて 32 (秋田レディースコミックスセレクション) | ||||
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校医が主役のマンガというと、金田一少年よろしく、主人公の周りで子供がどんどん病気になっていくという展開になるかというとそうではないです。病気ももちろん多く出てきますが、あくまでも一つの小学校を舞台にして、そこで生きる子どもたち、先生たち一人ひとりの物語をずっと考え続け、心をこめて描いているのがよく伝わりました。
・小学校を卒業した後、中学生に進学した生徒が主人公のもとを訪れる展開
・病気の問題が解決した生徒が再登場する展開
・病気に限らない友達関係や親子関係、進学、ダイエットなど小学生が抱える悩みと向き合う展開
・小学校の先生の悩みを見つめる展開
などを通して、幅広く「小学校」というものを描いています。
また、そういう問題と向き合いながら主人公である校医もまた学びを得るという展開になっていて、いろんな問題を描いていて、その中には解決しきれないこともあったのに、それでも心が温かくなるお話でした。
正直、主人公の物語としては「やさしいセカイのつくりかた」と比べると物足りない感じは有るのですが、最後まで丁寧に丁寧に子どもたちを描き続けたこの作品はとても良いなと思う。
※この作品メッチャクチャ好きなんですがあまり読んでる人いなくて寂しい。誰か読んだこと有る人いたら教えてください!
「今の子供目線」で子供の問題を見つめるというのはなかなか難しい(自分の子供時代と同じ、と考えると多分間違えるところもある)と思います。特に「子どもたち同士の間で起きる問題」というのはなかなかわかりにくい。 そう考えると、子供をお持ちのお父さんお母さんにはぜひ読んでほしいです。
また、あとがきマンガで詳しく語られていますが、作者さん自身、かなり厳しい環境から這い上がってなんとかマンガを食べていけるようになるまでの過程がとてもおもしろいです。(この作品がデビュー作というから恐ろしい……。)
……と、私は思い出しながら語っているので感慨深いのですが、まだこの作品読んだことがない人は、全体像だけ語ってもあんまり興味が惹かれないと思います。
というわけで、この作品の11巻~12巻で「ADHD」の小学生が登場してくるので、そのエピソードを記事を分けて紹介したいと思います。
んで、そこからまた「大人のADHDハンドブック」の話に戻していきたい…です。