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「異世界迷宮でハーレムを」 あらためてランスシリーズは名作だと思った

タイトルはあれだけど、2巻までは本当にめっちゃ面白かったです。
2巻までの展開は、ランスシリーズ好きな人ならたまらんと思う。

「結構シビアな世界の中で、臆病で慎重な主人公が、一目惚れした女の子のために無茶をする」というだけでグッとくる

いやほんとに、性格は似ても似つかないんだけど(ランスはひたすら傲岸不遜、唯我独尊なのにたいして、本作品のキャラクターは根暗だし慎重)、ロクサーヌという女の子に一目惚れして、なんとしても彼女を仲間にしたいということで、5日間で身の丈を越えたお金を手に入れようとする主人公んの姿がすごいぐっと来る。シィルちゃんに一目惚れして、何が何でも彼女をモノにしたくて、命がけで身の丈を越えたリスクに挑んだりしていた頃のランスを思い出して、なんだかすごい懐かしい気持ちになりました。

ランスいじり11回目 : アリスソフトBlog

17歳
 性悪女サリーに借金を負わされる
 魔法使い屋敷での事件
 ※この辺りもゲームに出来そうと言えば出来るかなぁ

18歳
 奴隷商人の護衛任務の途中で奴隷シィルを購入
 ※たぶん、ランス0とか作るのならこのエピソード

それなりの家系に生まれたが、都市の学校に入学する為の移動中、夜盗に拉致されてしまい、絶対服従の魔法をかけられて奴隷として売られていた。そこで奴隷商人の護衛に来ていたランスに紹介され、後に15000Gで購入される事になる。*3本来の値は豪華な家が買える額との事だが、値切り交渉抜きでこの値段だったのかは不明。一応、ランスのこの時の全財産だったらしい*4。それがLP1年4月の16歳の出来事。(ちなみにその奴隷商人は、同年アリオス・テオマン、ユラン・ミラージュらによって倒されている)

異世界迷宮でハーレムを (2) (角川コミックス・エース)

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主人公の性格はとても説得力はあるけど、それ故にテンポが……

この作品、異世界転生ものだからいろんなチートとかはあるんですが、主人公万能には程遠く、言語が通じる相手が限られていたり、能力使用にペナルティがあるなど制約がかなり多く、世界も殺伐としているので「心理的安全」が確保されない状態。周りに誰も理解者がいない孤独も表現されています。

そういう中で主人公はなんとか生きる道を確保し、安全圏を確保し、さらに仲間を増やすことで可能性を広げつつ世界を知っていくという感じで常に試行錯誤しているので、嫌いじゃない。

ただ、当然といえば当然だけれど、
現世から転生したという設定のせいで3巻以降は凄い慎重なんですよね。
石橋を叩いて壊すくらい一歩一歩確実に確かめながら恐る恐る進む。

2巻ではそんな慎重な主人公が、どうしてもロクサーヌちゃんを自分のものにしたくて人を殺すこともいとわないほどの覚悟を持って、命の危険を顧みずに身の丈を越えたリスクを取ったからこそ盛り上がるのですが。ロクサーヌを手に入れた後はなかなかそのあたりが盛り上がらず……。

3巻以降は世界がなかなか広がらないし、ただロクサーヌちゃんとイチャイチャしながら日々ダンジョンに潜る生活を描写するにとどまっている。もっとランスとかイシュトバーンみたいにオラオラ感がほしいところ。

4巻から「魔法」を使うようになり、この作品独自のMP設定が活きてくることに

この作品世界では、HPだけでなくMPも減少してくるとペナルティがあります。
0に近づくとと気力や判断力が奪われ、絶望的な気分になります。

なので魔法の使用はかなり慎重でなくてはいけないのですが「かなり細かく用途別に使用できる」代わりに消費MPに対する効果があまり高くない。この仕組みによって主人公無双は難しくなっており、相棒のロクサーヌのサポートが必須になるうえ使いどころも一戦一戦かなりあまたを使います。

この作品はとにかくこんな感じで「トレードオフ」が存在するためそれを踏まえた立ち回りが必要となっており、主人公の性格とあいまって、石橋をたたいて渡るように慎重に実験を重ねながら着々と進んでいきます。読む方としてはダルいけれど、作ってる作者さんはとても楽しいだろうなと思いましたね。


丁寧な描写と世界そのものの長大な歴史を描くことの両立をはたしたランスシリーズは最高

とにかくこの作品は丁寧だけどものすごくゆっくり。雑にやられるよりも全然いいけど、やや物足りなさはどうしてもあります。

その点、この両立しがたい制約を越えて、強引に世界を拡張していって最終的に世界を救ってしまうランスという人間を描いたランスシリーズはやはり神作品だと思います。

つまりみんなランスシリーズをやろう!

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