さて、Appleについて、少なくとも「販売台数」については頭打ちの観測が出てきましたね。
以前と比べると、日本部品の活躍は少なくなっていますがやはりかなり影響はでると思います。
実は幻想、iPhoneの「日本製部品頼み」 :日本経済新聞
新型iPhoneの中身を探る。電子部品セクター(アルプス電気、ソニー、日東電工、村田製作所) | トウシル 楽天証券の投資情報メディア
というか、未だにApple1台につき日本が3分の1儲かるって思ってる人いそうだけど、もうとっくに違うからね。
iPhone部品で見る日本の製造業のつらさ - シコウノキロク
なにより、この記事で書かれているようにJDIのJOLEDが食い込めるかどうかは日本にとって非常に大きな意味があったのですが、結局食い込むことができず韓国に持っていかれた。これによりJDIは完全に再復活の道を失いました。久々に世界に先行した技術を持っていて大逆転のチャンスはあったのに、モタモタしすぎて無駄になってしまった。もう後はどこかのタイミングで会社清算を待つばかりでしょう。本当に残念です。ちなみに2017年~2018年にかけては、中国のスマホ向けに部品を供給してたメーカーが儲かってたけど、これも減ってきてます。メイコーのチャートとかひどい……。
Appleに限らず、Amazon、NVIDIAなどいろんなハイテク企業・グロース企業に成長ブレーキ
前回決算の時点ですでに多くの人が指摘されていたことではありますが、今期決算ではっきりと販売台数低下が決まり、実際に設備投資や人員削減の動きが起きています。
アップル好決算、iPhone部品供給業者に必ずしもプラスでない - Bloomberg
これ、Appleだけは困らないんですがサプライヤーにとってはかなり厳しい状況ですね。
フォックスコンはアイフォーン関連業務で来年、経費を60億元削減する 必要があり、非技術系従業員の約10%を削減する計画だ。
Apple自身は販売台数が10%減少しても単価は高いしサービスでの利益は上昇しているため決算は変わらず良いはずなのですが株価はすでにピークから20%以上下落しています。これはバフェットが5月に買い増しを開始したライン180ドルを割りこんでおり、単なる利確とはまたちょっと違った動きです。
バフェット氏はこのインタビューで、アップルは「信じられないほど素晴らしい企業だ」と称賛。「iPhone(アイフォーン)X(テン)やその他の機種が3カ月で何台売れそうかという推測に膨大な時間をかけるなど、私にとっては完全に的外れだ」と語った。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-05-04/P87KZU6S972N01
Amazonについても5月水準まで低下しており、これ以上下げるようなら今までの買いの動きが逆流することになります。
不動産株だけでなくアメリカのハイテク系株があまりに成長を過大に折り込みすぎてきたというのが鮮明になってます。今
一番やばいのはNVIDIAだと思いますがちょっと成長が鈍化しただけでご覧の有様です。
市場の現状を把握するのに必須ん4指標について
トランプが当選してからは超巨大な「債権売り株式買い」の動きが続いたため国債の10年金利だけ見ている人が多いかもしれませんが、アメリカ市場の概況は以下の4つの指標をチェックすることが重要です。
これはアメリカ株投資について「本で」読んだことがある人なら絶対に知ってることだと思います。
・XHB(ホームビルダー指数。中古住宅販売件数でも可)
・HYG(ドル建てハイイールド債・ジャンク債)
・SOXX指数(主要半導体の平均指数)
・Russel2000指数
この内特に重要なのが上の2つです。
これらは鉱工業生産や雇用統計、GDPなどよりもより直接的な景気先行指数だからです。
これとあわせて、市況を見るために下の2つが重要になります。
日本以上にディフェンシブ株が大きく自社株買いが鬼のように強いダウ平均やSP500はなかなか下がりません。<だからこそ、自社株買いがやりにくいブラックアウト機関にだけ強烈な下げが発生します。アノマリー投資法というのがありますが、これはオカルトではなく市場の仕組みに基づいたれっきとした戦術です> それよりも、シクリカル(景気敏感株)が多いRussel2000指数と、アメリカ繁栄をささえているハイテク全体の動きを示すSOXX指数が重要になります。
有名なバフェット指数やシラー係数などは「割高感、割安感」をはかるものであり、市況を判断するにはあまり役に立ちません。いろんな道具がありますが、使い方をちゃんと理解して使いましょう。
そういう意味で、この本は日本でのイベント投資についてまとめている上に安いというかなり貴重な本なんですが、投資初心者の頃はこの本の価値が全く理解できなかったです。3~4年やって市場サイクルを理解して、価値がわかる頃にはこの本が必要なくなってしまうというジレンマがあります。 今から投資を始めようという人には3年分の経験を買えるという意味でめっっちゃくちゃおすすめです。
スタバ株は1月に買え!: 10万円で始めるイベント投資入門 | ||||
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日本ではなくアメリカ株に投資している人ならこっちの本オススメ。これも「短期売買法」って名前がミスリーディングですが、市場サイクルについて解説している本であり、数年ほったらかしにするのでなければ読んでおくと防御力が上がります。この本はアメリカ株投資してる人にとってバフェット本よりはるかに重要度が高いのでもっと安く販売してほしいです……。
ラリー・ウィリアムズの短期売買法【改定第2版】 (ウィザードブック) | ||||
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また別途記事でまとめるかもしれませんが、こうした指標を見ると、アメリカ株はかなり厳しい状況にあります。
正直「金融引き締め=段階的利上げとBS縮小」にブレーキがかかったりしない限りはもう1段下を見に行く可能性もあると思っています。 一方、FOMCにおいて再び金融緩和がどこかの段階で示唆された時が最後のバブルということになると思います。
こういう状況で、日本は相変わらず日銀によるPKO。最近は「ユニーファミマ」ばかり買っている
そういうわけで、いったん日本市場も下げるほうが良かったと思うのですが、今現在は「ソフトバンク」の上場が迫っているため、市場の雰囲気を悪くしたくない政府としては日経平均を下げることができません。
ご存知のとおりガチガチの官製相場なので、後の歪みを無視しても今は支えるしかない。
しかし前の記事でも書いた通り、もうユニクロは浮動株が2%まで減ってしまったので買えません。
日銀が大株主になっている銘柄特集 - マネ会
コラム:日銀とスイス中銀の株保有、過剰なリスクテイクか | ロイター
そこで新しく日経平均のPKOのために今利用されているのがユニーファミマです。
逆に言うと、これだけファミマを強引に買い上げているのにそれでも日経平均の位置ってこのあたりなんですよね。今の状況の苦しさがわかります。 正直言うと、今の日経平均は売られすぎだと思うので調整が終わったら年末に向けて上がっていくと思いますが、とにかく歪みが大きすぎてどうなるかわからんところが怖いですね。