頭の上にミカンをのせる

「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

最近のこのブログのお気に入りは「アークナイツ」です
アークナイツ
kindleセールの紹介
新NISA解説ブログ
発達障害

サンバイオで見る、証券会社のレーティング煽りの怖さについて

f:id:tyoshiki:20190202153441j:plain

サンバイオは、11月までは大して個人に人気の株というわけではなかった。わたしもバイオ株投資してますが、ここはノータッチ。1500以下でサンバイオの株を買ってた人は間違いなくバイオ株上級者といってもよいと思う。

そして、だからこそ、高いところから追証の恐怖すら知らないような素人を巻き込んでしまい、被害めちゃくちゃ多くなってしまった感じがあります。2月1日引け値時点で、ここ3か月以内に勝った人は全滅。ここからは全員が下げ圧力に化けます。




サンバイオは個人投資家がなかなか寄り付かない銘柄だった

なぜなら、TBI用途のPh2通過までは証券会社のレーティングがなかなか上がらなかったから。

サンバイオ自身は連日IRを連発して自社の開発の優位性をアピールし、それでもレーティングは上がらなかった。バイオ相場をよく理解している人たちや、自分でちゃんと調べてバイオ株を選ぶ人がこつこつ買い集めていたという印象だ。

2017年にもそこそこ動いていたが、証券会社はむしろ警戒しており、何度も値を戻された。


2018年11月から一転、個人がわんさか飛びついてイナゴタワーを形成し始める (この時点ではまだ株価は3000円台前半だった)

サンバイオが一気に注目されたのは、SB623 という製薬パイプラインにおいて、TBI用途の治験Ph2で有意な結果を出したから。

これを受けて、今まで目標株価を上げ渋っていたみずほがいきなり目標株価を1420→7800に爆上げ。 野村なども同時に引き上げを行った。

ここからがお祭りの始まり。

もうすっかり新薬開発が確定したようなお祭り騒ぎになり、何にわかってない個人もどんどん高値を買っていった。仮想通貨の熱狂再びである。


他者も追随してレーティングをガンガン上げてカバー開始 & 3大メガバンクとコミットメントライン締結(お墨付きのようなもの)

なんせ自分たちも出資して、証券会社のほうでは株も買うようになってきたものだからどんどん「都合の良いこと」しか言わなくなります。


各社、レーティングの根拠としてバラ色の売り上げ予想を立ててさらにホルダーを煽る展開に(1000億以上が「ブロックバスター」と呼ばれる)



煽りに煽られすぎて、すでに「完全に治験が成功して上市まで行ってもこれ以上株価上がらない」ラインまで株価が上昇していた

見てわかる通り、すでにSB623の成功は75%織り込まれていた。100%成功でももう大して上がる余地がないところまで買われていた。

しかも、実際のところ、成功しても売り上げは2000~4000億程度と言われており、これもかなりバラ色のシナリオにも拘わらず
売り上げ2000億の製薬会社の時価総額は2000億~3000億が相場でありSB623を共同開発していた大日本住友製薬も売り上げ4600億で時価総額1兆円。

成功してやっと、株価半額が妥当というというレベル。
ところが暴落直前のサンバイオの時価総額は5800億。もはやリスクリターンで考えても全く割りが合わない状態に。



こう書くと、成功したとして、時価総額がどのくらいまで伸びると思っていたのだろうかと思う人多そうだけど、バイオ株というのはこういうものです。
私もそーせいの時に時価総額6000億おかしいとか全然思わなかったからね!


大半の個人は、よりによって、証券会社のレーティングを信じて「6000よりも上の価格」で、「信用買いで」買いまくった

サンバイオ (サンバイオ) 【4592】 | 株価 チャート 日中足 日足 週足 月足 年足 | 株探

見てもらえればわかる通り、6000を超えてからの出来高が多いんですね。


治験「失敗」後、即座にレーティングを引き下げる各証券会社。特にみずほの7800→1500がえげつない

1月29日 SB623 治験 Ph2b において有意な差を得られず(=失敗。治験は実施費用がシャレにならないのでよほどの見込みがなければ二度めのチャンスはほとんどない)




批判を受けたのかどうかわからないけれど、みずほはしれっと7800に戻すというネタ展開にも


今年に入ってからNISAで勝った人がわんさかいるみたいですが、当然全員討ち死にです。

本当に一人の例外もなく、全員大損状態に突入しています。最安値で1単元だけ買った人でも30万以上の損失が出ている状態です。

この光景もS社の時によく見た…。






だらだらとまとめて何が言いたいのかというと。


証券会社のレーティング、特にバイオ株に関する証券会社のレーティングなんて信じてるんじゃねえぞ…ってことです。
f:id:tyoshiki:20190201232428j:plain



個人投資家は、まずなによりも証券会社のレーティングから身を守ることが必要です。