頭の上にミカンをのせる

「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

最近のこのブログのお気に入りは「アークナイツ」です
アークナイツ
kindleセールの紹介
新NISA解説ブログ
発達障害

アンガーマネジメントの最も根本的な部分=「怒り」に報酬(強化)を与えてはいけない

思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。

anond.hatelabo.jp
https://anond.hatelabo.jp/20190322172319


読みました。

先に言っておくと、私はこの記事が好きではありません。なぜかというとこれ私があまり好きでないアドラー心理学の「目的論」に基づいたお話まんまだからです。(「あなたは怒りたいから怒っているのです」的なやつ) タイトルや語調がひどすぎるし、疲れからか正常な判断ができなくなっている母親に言っても追い詰めるだけで何一ついいことはありません。


他の人がブコメで書いてましたがこちらの記事のほうが役に立つと思います。


dot.asahi.com

「理屈が通じない」理不尽に直面した時に、それを乗り越えるには、まずエネルギーが必要です。
理不尽を乗り越えるためには、ちゃんとした睡眠と共に、精神的余裕が必要です。
(中略)
娘さんを預けて、ちゃんと一人になれる時間がありますか? 
もし、そんな時間がないのなら、公的サポート、家族、友人、民間サービス含めて、なんとか方法を見つけて下さい。
そこから、僕の「子供とのつきあい方」のアドバイスが始まります。

ただ、1つだけとても大事だと思うことが書いてあったのでそこだけ引用します。

余計なことばっかり考えて感情的になる人は
例外なくその感情に対して報酬を得られるべきだと考えています。
だから恥ずかしげもなく怒るし、材料を探してまで怒るんです。

人は誰かが怒っていれば嫌な気持ちが移ってくるので離れようとするだけです。
あなたのような人に「とっても可哀想!怒って当然ですね!」と擦り寄ってくる人は
あなたと同じように怒りを快楽に感じる性格を持っていて、お裾分けを受けに来ているだけです。
その人達の同調を受けてますます怒りまくっても、自分の性格がますます暗くなり、人生が破綻するだけです。


これはほんとに大事。




私は、これがアンガーマネジメントで一番気を付けないことだと思っています。アンガーマネジメントはダイエットと同じで「習慣・サイクル」の問題だと思っています。

普段いかにして怒りを発散させるか、いかにして怒りを取り扱うかという点において、最も気を付けるべきことが、
「怒り」に報酬(強化トークン)を与えてはいけない、ということです。



私が考える今ネットをやることで一番大きな弊害は、「自分が表現したことにすぐ共感や報酬(自分が期待する反応)を求める癖がついてしまう」ことです

(1)負の感情サイクル
特に「怒ること」や「被害を訴えること」「自分の敵を攻撃すること」などに対して、共感を得られることが当然、当たり前になってしまうのはヤバイ。「ある程度」はそういうのを求めるのは悪いことではないにせよ、それに対して必ず報酬が得られると思っている人は今すぐネットをやめたほうがいいです。ネットをやればやるほどあなたの認知はゆがんでいき、いつのまにか「行動の結果報酬を得る」という流れが逆転し、「ネットで与えられる感情報酬の為に行動する」ようになります。与えられる報酬のために日々誰かの悪口を言い、何かに怒り続け、常に被害者ぶる癖がつきます。


はてなスター漬けになったはてなブックマーカーや、「海老」や「お寿司・猫・薔薇」アイコン。棘コメにしか居場所がない人。ブログでも毎日誰かの悪口や批判ばっかり書いてる人。(オマエモナー)「弱い人の心に寄り添いたい」的なことを言いながら年がら年中ファンネルを使って自分の気に入らない人を攻撃することに愉悦を感じる人。



いますよね。 




(2)群れを作ってエコーチェンバー(バズワード
しかも、こういう人たち、徒党を組むことが多いですよね。快感のために怒りを表現したいが、一人だとやましいからか不安だからか、すぐ群れて感情を肯定しあい、増幅しあう。
自分の怒りの感情は自分ひとりのもののはずなのに、なぜかそこで責任分散みたいなことをしたがる。





(3)散々ネットに汚染されたあと現実に戻ってくる
それでもネットで完結しているならよいのですが、ネットでそういう感情サイクルを学習してしまい、それを現実に持ち込むようになると地獄です。現実でも「怒りの原因を探し」「我慢する理由を探して」、発散するときの快感がクセになってしまう。
さらにたちが悪いことにリアルの場合、ネットと違って相手が目の前にいて反撃が怖いから、怒りを発散する相手は自分より弱い相手になりがちです。会社で部下に対してイライラをぶつけたり、自分の子供に向けて怒りを発散する。 そういう状態になったら、どういう事情があったとしてもそれはもう他者にとって有害な存在です。





こういう風にならないよう、初手のところから「悪循環」を断ち切るようにしないといけません。怒るのが悪いわけじゃないですが、「怒り」や「我慢」に報酬があって当たり前だと思うようになると、こういう悪循環になるということだけは絶対に理解しておくべき。 この「悪循環」の部分さえ自覚できていれば、アンガーマネジメントの目的の8割は達成できていると思います。



はてなブックマークはわるいぶんめい

そもそも、ネットというのは怒りが発生してから書き込みを行うまでにタイムラグがあります。

アンガーマネジメントの基本として6秒ルールがあります

リアルでこの6秒をこらえるのは難しいとしても。
ネットにおいては、文章を書きこむ間に自動的に6秒過ぎますからネットにおいて「ついかっとなって暴言を吐いた」は全部嘘です。
(過去に私もそれを言い訳にして文章を書いたことが何度かありますが嘘です。わざわざ自分で怒りをたきつけながら書いたのです)

ネットでは怒りながらもそれを冷静に表現する訓練をすべきです。

その意味で、ネットにおいては特に「トーンポリシング」は絶対に必須だと思います。これを否定する人は基本的に信用しません。

tyoshiki.hatenadiary.com

はてなブックマークで暴言を吐いたり、〇〇を殺せみたいなことを言う機会が多い人、かなりシステムに脳を毒されていると思うので気を付けましょう。

私は自分ではそういう発言をせずにスターを付ける人間が一番きらいですが

といいつつ私も以前ははてなブックマークでは毒を吐くことが多く、多くの人に不快な思いをさせました。

私は意志が弱く、かつユーモアを持つことは難しかったのでそもそも公開状態で使用するのをやめました。





同様に、会社への不満があるときに、社会DISなど「イケハヤ」みたいな悪質なコンテンツに触れるのはやめましょう。彼はたまたまネガティブな状態になった人間を「見かけ上」肯定することで自分のエサにしようとしてるだけです。負の感情が増幅されて、人生の一大事なのに間違った判断をしてしまいかねません。
ネット上では、自分の負の感情に過剰な報酬を与えて思ったように操ろうとする悪質なコンテンツがどんどん表に増えてきています。そういうコンテンツからは、自分の意志で、意図的に距離をとったほうがいいと思います。





とにかく、自分の感情の手綱は自分で握りつづけるようにしましょう。それが真の意味でプライドがあるということだと思います

tyoshiki.hatenadiary.com

「どうしたんだ、知世?」
「眠れないの。眠ろうとするとあの(お父さんの悪口を言ってたやつの)やーな大笑い声が浮かんできてムカムカしちゃうの」
「困ったなぁ」
「私のハートはもういいやと思うんだけど、私のプライドは許さないの。…プライドってめんどくさいものだね」
「でもお父さんはプライドの高い知世がいいと思うよ。」
「え?」
プライドっていうのは、自分がいちばんだって偉そうにすることでもなく傲慢な態度を取ることでもなくてたとえば知世が何十億人の人たちの中でほかならぬ知世であるために必要なものだと思うんだ。」
「IDカードみたいな?」
「そうだな、でももっと重たい。旅行かばんのようなものかな。すべての人があらかじめかならず1つずつ持ってる。型はそれぞれ違っていても重さは皆同じなんだ。女の子も男の子も、大人も、子供も。持って歩くのはなかなか大変だ。だからこんなものは邪魔だと思ったら捨ててしまってもいいわけだ。それがその人の意思ならね。でも中にはとんでもないバカなおせっかいがいる。"君は小さな女の子だから、こんな重いカバンなんかもっちゃいけないんだよ。必要ないんだよ"なんていうやつだ。」
「はりたおしていいのね?」
「うーん、、、まぁ」
「お墨付きがでたわ」
それから、みんなのカバンをまとめて持ってあげようという人も出てくる。大きな一つの荷物にしてしまおうってね。それは楽ちんだけど、とてもこわいことだ。どこに運ばれるかわからないんだから。やっぱり自分のカバンは自分一人で持たなきゃならないんだ。だから、知世のカバンをお父さんが持ってあげることもできない。お父さんがやれるのはせいぜい知世がカバンの重さに負けないようにたくさんご飯を作ることくらいだな
「やっぱり腕力よね」
「精神的な、ね」
「ムカつくことがあったら、ちょっと考えてみるといいんだよ。どうしてそんな気持ちになるのか。それは自分のことを知る手立てになる」
「キーっとなるのも無駄じゃないんだね」
「そう、その上でやっぱり言うべきことがあると思ったら冷静に対処すること」

な○ちゃんの信者やってる人に100万回音読してもらいたい。






(応用)行動分析学と、神経伝達物質にかかわる知識があると、よりアンガーマネジメントへの理解が深まります

行動分析学の入門書としては私はまずこの本を強くお勧めします。とにかく「役に立つ」本です。

今までこういうことを考えたことがないという人には、人生を変える力を持ちうる一冊です。
「アンガーマネジメント」は根底に行動分析学がありますので、アンガーマネジメントに興味がある人ほどこの本を先に読んだほうがいいです。


理論的な部分をもう少し知りたいという人はこちらの本を。




科学的な裏付けとして以下のような記事も参考になります。

www.tmd.ac.jp


blog.livedoor.jp
グルタミン酸GABAの話。正直脳内物質に関してはまだ未解明なことが多いのでうのみにしないほうが良いですが、このあたりまでは信用できる範囲かと思います。


https://obp-ac.osaka/_pdf/event/anger_management.pdf
けんこうによい(# ゚Д゚)の扱い方。 いらすとやのイラストがあってわかりやすいです。

自分の怒りの程度に合った言 葉 が 見 つ か る と、 脳 内 の“腹側外側前頭前野” の活動量が増加することが分かっています。
この部分は “ 脳のブレーキペダル ” とも呼ばれ、活性化すると、不安などのマイナス感情に反応する “扁桃体” の活動が抑制されます。



こういった知識を得たうえでアンガーマネジメントに関する話を読まないと、語る人によって言うことが微妙に違うので混乱することになると思います。



実際、ネットで検索上位に来る「アンガーマネジメント」の記事や、ベストセラーになっているアンガーマネジメントの本は、明らかにわかってない人がいろんなところのコピペのつぎはぎで作っている感じがするので非常に怖いです。ちゃんと精神医学の専門家が書いている本を読むのがお勧めです


私が強くお勧めするのは、「発達障碍者のための対人関係療法」でお世話になった水島広子先生の本です。

この人の本で一番おススメなのは「自己肯定感、持っていますか?」なので、上の本を読んでよかったな、と思ったら合わせて読んでみてください。



あと、これはアンガーマネジメントではありませんが信頼と実績の「読書猿」さんがお勧めのこの本です。 親子関係における「リフレーミング」の実践として最強だと思います。

特にこの本はkindle unlimited無料なので、もしunlimited利用している人は絶対に読んでほしいと思います。