頭の上にミカンをのせる

「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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本当に今更なんだけど「ゼノギアス」が神作品すぎて魂の大部分をごっそり持っていかれた

名作といわれる作品は多いけれど、今でも人生で一番のゲームだ、という人がたくさんいるレジェンド。実際、今更プレイしてもめちゃくちゃ面白かった。ランスに出会う前にこのゲームやってたらたぶん延々と繰り返し何回もプレイしていたのは確実でしょう。むしろなぜ当時プレイしなかったのか悔しくて仕方ない。


でも、いろんな作品をプレイしたあとでこの作品を今更になってプレイしたことで今まで自分が触れてきた作品の要素の数々がこの作品の中にあるのを感じて胸が熱くなりました。


いろんなゲームやってきたからこそ思うのは、その中身の濃さ。メインプロットとはべつに、そのテーマだけで一つの作品を作れるレベルのサブプロットが10以上あり、しかも全体の3層構造のなかにきれいに収まっている。恐ろしいレベルの構成力です。ゲーム10作品やるよりこの一作品やる方が多くのテーマを体験できるという満漢全席みたいな作品でした。すごすぎる。

正直、一回プレイしただけではよくわからないところが多かった。解説本ほしい。

一度絶版になってたけど復刊ドットコムのおかげで復刊したみたい……だけどまた絶版に。
仕方なく解説動画探しててみたんだけど、そしたら見つけたこの動画がめっちゃ面白かった!プレイしたことある人でも絶対楽しいと思うのでぜひ見て!
www.youtube.com






以下この動画で使われたスライド引用しつつざっくり感想。 しょおー!

フェイとエリィはお互いに抱えてるものが重たすぎてそれを解決するだけで精いっぱいだった印象

まず波動存在&デウスシステム(カドモニ・ゾハル・デウスシステム)の設定がわかりにくかったけど、よくこんなの考えたなぁと。

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この結果発生した「接触者アベル」と「対存在エレハイム」というミクロなレベルでの輪廻転生が続く一方で、
ミァンは「デウス」復活のための部品として何度も何度も人類リセマラを続けていた。

これは全然話のレベルが違うはずなのに、どちらも同じ目的で動いているというのが面白い。

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グラーフやシェバトなど、世界の秘密に気づいた人間がデウスを倒したりミァンを亡ぼしたりしようとするものの、人類は人類で仲間割れをしたりして、結局はすべてミァンの目論見通りに事が進んでしまう。


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統合後のフェイはすごいけど、そんなフェイでも全く歯が立たないくらい世界設定がでかいよね。


もう一人の主人公カレルレン。世界の意思と向き合いながら400年以上戦い続けてた精神力がやばすぎる

ストーリー的に見ると、実際のところ、フェイとエリィらは、ミァンの思い通りに動かされていただけと考えられる。一方、真実に最も近いところで、ミァンと向き合いながら最後まで己を貫いたカレルレンがもう一人の主人公だろう。

シェバドの裏切りによって、ソフィアの死を目の当たりにしたカレルレンは、神の存在に絶望。する。
「信仰は、外に求めず、自らの内に」というソフィアの思想を捨て、「神がいないのならば、自らの手で創り出す」ことを目指すようになる。「ラジエルの樹」のデータから、デウス、高次存在を知ったカレルレンは、これこそが自分の追い求めている神であると確信し、デウス復活の研究を行っているソラリスへ昇った。


以後、彼は自らのデウス復活研究を「プロジェクト・ノア」と名付け、

・カインの延命措置や
・ガゼル法院のデータ化
・M(マラーク)計画=人類部品化計画の推進
・ヒトに対するリミッター措置

など、様々な計画、研究を400年以上推し進めてきた。

自らの計画が最終段階まで進んだと確信したカレルレンは、ゲーティアの小鍵の発動、天帝カインの殺害、さらにエリィを捕え、ついにデウスを復活させた。
彼の最終目標は、高次存在へのすべてのヒトの合一であったが、フェイとエリィに人の可能性、愛を見出し、最期は一人、両翼の翼で波動存在とともに高次世界へと羽ばたいていった。

https://www65.atwiki.jp/xenoausdruck/?cmd=word&word=%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%83%AC%E3%83%B3&type=&pageid=53

これほどまでにすがすがしい悪役はなかなかいないと思う。「3×3EYES」のシヴァとよく似ているが、最後に主人公たちと戦うのではなくただ託して立ち去るという終わり方がすごい。


悪名高いソイレントシステムの運営やら人体実験を繰り返したりとまごうことなき極悪人ではあるが、
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彼がひたすらに手を汚し続けるということがなければ、「ナノマシン」によるデウス補完はなしえなかったため人類(スファラディー)はもっとえげつない形で部品化されて絶滅していただろうし、ラストシーンでも少なくともエリィとフェイが結ばれることは絶対になかった。そう思うと、「Baldr Sky」のノインツェーンってカレルレンへのオマージュに見えてくるなぁ。

そういう意味では「コードギアス」のルルーシュみたいな存在ともいえるかもしれない。泣いた青鬼。


ミァンの存在が極悪すぎるけど、ミァン視点からしたらそりゃそうするよね、と

ミァンのやってることって、みようによっては「ひぐらしのなく頃に」のベルンカステルだけど、迷惑を省みない人類レベルのリセマラぶりがいっそすがすがしい。
 
とはいえ、ミァンからしたらオリジナル・エレハイムから母性だけは切り離されて「デウス復活」という行為のためだけに行動するのを強いられてるわけだからやむを得ない。エリィはエリィで、呪いのように接触者を縛り続けるわけで、母性が全くないのも恐ろしいし、母性が強すぎてもグレード・マザーの呪いになる。

母とはいったい、、、、うごごご。

三次元世界で実体を持たない波動存在は、偶然その場に居合わせたアベルによって、
母親として定義づけられとことで、カドモニ内でオリジナルエレハイムとして、三次元世界で認識が可能な存在となった。一
方肉体はゾハルに閉じ込められた。
波動存在はもといた次元へ還るため、接触者であるアベルに力を与え、ゾハルの破壊を託すことになる

エリィのヒロイン属性の多さがすごい

すべての人類の母にして、永遠の恋人にしてフェイの中の人格にとっては娘でもあり守るべき存在なのに、フェイを守るためにすぐ命かけちゃう呪い属性持ち。本人もお嬢様だったり巨乳だったりメンヘラだったりと属性てんこ盛り。

途中で両親を目の前で殺されたりするあたり含めて闇が深すぎるでしょこの人……。

エリィやフェイのように「運命」やら「内なる存在」に引っ張られることの恐怖とか考えると「3×3EYS」やら「EVE burst error」やら「久遠の絆」やら「Air」やら「僕の地球を守って」やらと大好物すぎるネタ。

最後の最後でエリィが「生きて」ではなく「   」って言葉を発するシーンほんと好き。このシーンがカレルレンの心を動かしたのかもね。


10000年の歴史をバックボーンに描かれる三層構造のストーリーをきっちりたたみ切る構成力がすごい

<ミァン・カレルレンを中心とした上層(形而上の世界)>
<ソラリスVSシェバトを中心とした中間層>
<アヴェ・キスレブや教会などソラリスに操られる地上世界を描いた下層>

という構造になっており、しかも10000年の歴史を誇っており、その過程で起きた戦争などの影響が手抜きなく描写されている。

「グレンラガン」で、一つ目の層を超えた先にアンチスパイラルが存在したり他にも「蒼穹のファフナー」や「ゼーガペイン」など世界が二層構造になってる作品は多いが三層構造はなかなか難しいと思う。しかも一番上の世界とフェイ・エリィの関係が切り離しがたく結びついている。本当に一つ一つの町の人間の描写まで丁寧に作られてていて驚くばかり。 作りこみが半端ない。



とにかくすべてのキャラがしっかりしててほんとうに好き

その結果、一人一人のキャラクター、操作できないキャラも含めてみんなが重いストーリーを持っててとても魅力的。ちなみに、私が一番好きなキャラクターは、男だとラムサス、女性だとマリィかエメラダかなー。

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試験管ベイビィであるが、母に捨てられ、
シャア・アズナブルみたいになって戻ってくるのかと思いきや
ザビ家が強すぎたため倒すことは不可能。
せめて志あるものと共に歩もうとしたら
ヒュウガにもシグルドにも逃げられ周りからは塵とののしられ続ける

ララァに出会うこともなく、ガルマにも逃げられるシャアとか救いがなさすぎる。
しかしそんな状況でも手を差し伸べた少女たち(エレメンツ)が自分にとっての居場所となる、という話。

状況的にはシャアよりはるかに厳しいけれど、
一方で、フェイへの憎悪やらエリート意識を操られて狂っていた点をごっそり取り去ると
実直で弱きものに手を差し伸べる青年が残っていた、とう感じ。素晴らしい。


とにかく全然語りたいないし、まだやり足りないのでまた時間に余裕出来たら最初からやり直したい。

絶対にこれ二周目のほうが面白いってこれ。