なろう原作小説のコミック版です。
タイトルの時点で「??」ってなるし、絵もうまくないし、ストーリーも割とありきたり。「盾の勇者の成り上がり」や「転生したら剣でした」と比べてコミカライズが特別うまいとも感じなかった。
でもこの作品、今なろう原作でトップクラスに売れてるマンガなんですよね。評価の厳しいマンガ専門店でもちゃんと推されていました。
なんでだろうと気になって読んでみたら、なるほどなーって感じ。
ほかの要素を差し置いてもヒロインだけはものすごく良い
主人公は元社会人のブサメン(ステータスがマイナス方向にカンストしてるレベル)なのだけれどその引き換えに人類の範疇を越えた最強の力を持つ。また、女性に触れられただけで体力の1割が奪われ、恋仲になろうものなら死ぬ呪い持ち。
まぁそれはどうでもいいです。よーするにおっさんのチート持ちです。
ヒロインは初対面の時はツンツン→デレではないがすごく優しい
そんなブサイクな主人公に対して、初対面の時はこのヒロインは警戒心をむき出しにする。まぁそりゃそうだ、と納得していたが、しかし実は彼女の態度は主人公がブサイクだったからではないことが後でわかる。そのあとは
①ブサイクな主人公にも分け隔てなく親切に接しようとする。優しい。
②外見は美人だけど、その姿と対照的に世間知らずで精神的にも幼い。かわいい。
③つらい人生を送ってた分、些細なことでも楽しもうとする姿勢があり、一緒にいると楽しい。尊い。
④人見知りなのに、対人関係の距離感が非常に近く、すぐに人と距離を詰めようとしてしまう。危うい。
などなど、もうすごくかわいい。いわゆる古き良き原初の「萌え」キャラのイメージである。
最近いろいろと複雑化した中で、余計な要素抜きの「萌え」キャラである。

- 作者: 弘松涼,上月ヲサム
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2019/04/25
- メディア: コミック
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ヒロインというより「娘」と考えたほうが良いかも
ヒロインというか「娘」を見守るようなほんわかした気持ちを楽しむ作品といえます。
これは、なろうのメイン読者層である30代後半の需要にばっちりマッチしている。
そうだね。ヒロインと考えると「賢者の孫」のヒロインのほうが理想なんだろうけれど娘と考えるとしっくりくる。
あほの子だ。勉強はできるのに。いや、これまでを考えたら仕方ないのか。セイカさんは社会経験がなさすぎる。真っ白なんだ。その上で美人、いい人、お金持ち、と来た。彼女のすべてが絶好のカモだ。今のままじゃコロっと騙される。
(中略)
こんな他愛ないやり取りが楽しいのか…そうだな。やっと人並みになれたんだからな。仕方ない、仮にも神になっちまった以上、セイカさん、あんたを一人前の人間に導いてやるよ。
ヒロインと考えると主人公が上から目線過ぎるけど、そういう点でもこのセイカさんは「娘」だと思う。この手の作品になると、主人公がヒロインに男として好かれる展開は逆に望ましくない。なろうには「田中」っていう作品があって、おなじようにKKOだけど戦闘力がたかい男主人公がヒロインにベタぼれされる作品がありましたがあっちは個人的にいまいちでした。ただただ父親のイメージで安心してかわいい娘(のイメージ)を見守るような作品のほうが好まれるような気がします。
セイカさんとセイジさん。あの二人は真っ白な人たちだ。セイカさんは何も知らない無垢な白さ。対してセイジさんは、重油のように黒い大人社会を知りながらなお白くあり続ける光の白さ。そんなセイジさんが王様になって治める国なら、セイカさんみたいな「いい人」が安心して暮らせるんじゃないか。そんな風に思ってさ。
というわけで。「可愛い娘を見守る作品」が読みたい人にはかなりお勧め。作品としてものすごいカタルシスがあるとかは一切ないけど、この作品は続きも読みたいなと思いました。
なろうには「娘がかわいい」というテーマでお勧め作品がたくさん
まず、アニメ化が決定したこの作品。これは原作じゃなくてマンガ版が超絶おススメです。とにかく「娘がかわいい」しかないけどかわいさが振り切れてますね。

うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。 1 (MFC)
- 作者: ほた。
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / メディアファクトリー
- 発売日: 2017/01/23
- メディア: Kindle版
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次に、この作品も間違いなくアニメ化するであろう「転生したら剣でした」。原作は微妙といわれがちですが、マンガ版はコミカライズ担当の人がめちゃくちゃうまくてなろうという枠を外して読んでもすごく面白いです。こっちの「娘」は奴隷として売られているところを主人公が助けますが、それから主人公のことを師としてめちゃくちゃ慕ってくれるのがかわいい。そのうえで、自分で努力して成長しようっていう少年漫画的なノリもこなす展開なのでむしろ女性に読んでもらいたいです。

- 作者: 棚架ユウ,丸山朝ヲ,るろお
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2017/04/24
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それから、やはりコミカライズ決定したこの作品。女性向け作品だけどこれ男が読んでも面白いからぜひ読んで。

元貴族令嬢で未婚の母ですが、娘たちが可愛すぎて冒険者業も苦になりません【電子書籍限定書き下ろしSS付き】 (TOブックスラノベ)
- 作者: 大小判
- 出版社/メーカー: TOブックス
- 発売日: 2018/12/10
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あと私的に一押しなのが「Sランク娘」です。お父さん大好き娘がなかなか帰省できずにやきもきする姿がすごいキュンキュン来ます。

冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた 1 -黒髪の戦乙女- 冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた 【コミック版】 (アース・スターコミックス)
- 作者: 漆原玖,門司柿家,toi8
- 出版社/メーカー: アース・スター エンターテイメント
- 発売日: 2018/10/16
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このあたりは無理して読まなくてもいいけど、動物視点で貴族のお嬢様のペットになって見守るっていうちょっとひねった作品はこれ以外にもありそう。

ワンワン物語 ?金持ちの犬にしてとは言ったが、フェンリルにしろとは言ってねえ!? 1 (MFC)
- 作者: 濃口kiki
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / メディアファクトリー
- 発売日: 2018/10/22
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なろうじゃないけどこれもなろう的な雰囲気を持った作品として、おっさんが魔王の娘を子育てする話もお勧めです。

29歳独身中堅冒険者の日常(1) (週刊少年マガジンコミックス)
- 作者: 奈良一平
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/06/09
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ついでに紹介しておくと、ヴァンパイア十字界のブリジットはマジで最高のツンデレ娘だと思うのでもっと評価されてほしい。

- 作者: 城平京,木村有里
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2007/04/21
- メディア: コミック
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隣接ゾーンに「貴族のお嬢様」のお世話係ってところがあり、これも含めると膨大な数の作品があります。他にもこのテーマでお勧めの作品があれば私にも教えてくださいませ。ポイントとしては「ヒロイン」じゃなくて「娘」として見做してる作品が読みたいです。「地味な剣聖」とかはボーダーラインかな。
なろう作品のマンガを読む人にはBookWalkerの登録がおすすめです。
bookwalkerやコミックシーモアなら初回購入時半額になるのでお勧めです。
個人的にはなろう系作品が好きな人はbookwalker一択だと思っています。過去に8割引きセールやってたことがありますが、最近でも半額セールなどが定期的に開催されていてアマゾンで電子書籍買うよりもかなりお得になることがあります。ブサメンガチファイターに関してだけ言うと今は「Renta!」が一番安いですね。
今bookwalkerで検索してみたら、「冒険者ライセンスをはく奪されたおっさんだけど愛娘ができたのでゆっくり人生を謳歌する」って作品が無料になってました。前髪ぱっつんむすめかわいい。
まとめ 主人公のピーキーな設定と、作品全体のピーキーさがシンクロしてて良い感じ
この作品の主人公は、容姿とか不要なものを全部マイナス設定にして、その反動で神のような戦闘力を手に入れた男、という設定です。また、この作品自体も、ストーリー的に粗が多かったりコミカライズがそんなにうまいわけでもないのに、娘キャラがかわいいという一点が突き抜けているためかなりヒットしています。きれいにまとまった作品がたくさんある中、平均点は高くないこのピーキーな作品が注目を集めて売れているというのはとても面白いですね。