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各国の痴漢対策を踏まえつつ、ようやく監視カメラ設置がはじまった日本の痴漢対策の今後について考える

www.tyoshiki.com
のブックマークコメントでこのようなコメントがありました。

何故日本の電車はカメラついてないんだ。英国では監視カメラがついていて、痴漢は即警察が来て捜査(レイシズムとセックスハラスメントに超厳しい)。日本人駐在員男性ロンドン地下鉄で盗撮して捕まった

もう一つ。

娘のいる親として、通勤電車やバスでなら親がついていって捕まえることとか出来ないのかなと思ってしまうんだが、特定の相手に繰り返しは少ないのかな……。そもそも親にも話したくないんだろうけど

「安全ピン」に否定的なこと言うだけなのもなんなので、他国の取り組みや、日本でも最近ちらほら満員電車に監視カメラを付け始めたことなんかを踏まえて、今後どのように痴漢というものを減らしていくべきか自分なりの考えを書いてみます。


現在の日本の環境だと、今まで全くやったことのない外国人まで痴漢になるらしい。

相談にくる外国人の多くは、大手企業から転勤してきた方やIT技術者などのいわゆるエリート層。母国では性犯罪歴がないのに、日本に長期滞在する期間で日本特有の満員電車で偶然女性の身体に触れてしまったことをきっかけに、痴漢行為を学習し常習化するケースが多いのです

https://diamond.jp/articles/-/147382?page=2

ストレス発散する方法は痴漢以外にいくらでもあると思うだろうが、痴漢する人の多くはストレス解消のための選択肢が少ない上に、対人緊張が強くコミュニケーション能力が低いので劣等感を抱きやすいという。その不全感を女性に痴漢することで発散しているの

痴漢行為をしている人間が性欲を原因としていない、というのは以前話題になりましたね。

痴漢者の利用する駅の世界25位をほとんど日本が独占している残念ぶり

日本で痴漢が減らない大きな理由の1つが「満員電車」。首都圏で出かける際に電車を利用する人の割合は約60%と高く、通勤ラッシュ時の混雑率も73路線中44路線で150%を超えている。さらに、世界での利用者数の多い駅ランキングでは、1位の新宿から23位までを日本の駅が独占している。

https://abematimes.com/posts/3835733

「痴漢」という言葉や概念自体が日本独自のもので「過労死」と同じく海外に輸出されてしまった

 ただ、フランスでは「痴漢」のような言葉はなく、「公共交通機関での性暴力」というような言葉で表現される。くみさんの本のタイトルが「TCHIKAN」だったのも、それが理由の一つだ。これは私の意見だが、日本に「痴漢」という表現があることが、問題を少しややこしくしている。被害の実態を知らない人は、「チカン」という言葉の軽い響きから、その問題の深刻さや悲惨さを想像しない。「痴漢」を性暴力だと認識していない人もいる

https://news.yahoo.co.jp/byline/ogawatamaka/20171116-00078187/

そもそも痴漢は依存症の一種。

痴漢はギャンブルや覚せい剤依存症に似た性質を持っており、再犯率は36.7%と性犯罪の中でトップの数字だ(平成27年犯罪白書)。さらに、この病気の発症原因にはある環境が大きく関わっているという。

圧倒的に多い層が日本の一般的な男性。彼らに何で痴漢したのと聞くと最初に返ってくる言葉がストレス。つまり、ストレスの対処行動として痴漢を繰り返す。そういうメカニズムが出来上がっている

痴漢を生み出す原因は「ストレスの強い環境×男尊女卑の文化×痴漢への認識や対策の甘さ」の悪魔合体

以上を合わせて考えると、日本で今まで設置が進まなかったのは、たとえばイギリスなどと比べて「痴漢」以外の犯罪は少ない(と認識されている)からというのと「痴漢」そのもののイメージが軽く受け止められていたからかもしれないですね。そもそも監視されることへの強い抵抗感もあるようです。

課題が多いですすが、面倒でも一つ一つ点検していく必要があるかなと思ったり。


イギリスの場合 →日本より厳しいが、冤罪対策のため専門チームをきちんと設置して調査している

監視カメラ先進国

newswitch.jp

英国初の監視カメラは1961年に地下鉄Holborn駅に設置された。70年代―80年代にかけての設置は店舗での防犯、車道での交通監視、地下鉄での安全運行と目的が限定的であったが、90年代以降は公道や学校といった公共空間での一般市民を対象とした撮影が拡大していった。

社内に監視カメラを設置すること自体の防犯効果は疑問符が付くらしい

www.bbc.com

TfLの広報担当者は、「車内の監視カメラ設置は有意義だと思うが、性的暴行事件の多くは、特に混雑する時間帯に特に混雑した車内で起きていることが分かっている」と説明した。

「混雑中に人物や行動を特定することは難しい。つまり、監視カメラは駅構内に設置する方が有意義だ」

監視カメラもさることながら「専門対策チーム」の設置などの本格的な対応姿勢があるのは重要

toyokeizai.net

トラブルの通報を受けた際、加害者として被害者から訴えられた人をいきなり拘束したりすることはせず、もちろん警察へ引き渡したり、家族や会社へ連絡したりすることもない。

特別に訓練された専門チームが、まず被害者から証言をきちんと聞き出し、駅構内や電車内に設置された膨大な数のCCTVカメラからの情報を解析、もしいれば証人の意見なども参考にして、原因の究明や犯人の特定を進めている。

もともとこれはテロ対策のために設置されたもので、これを四六時中監視されているようだと苦言を呈する人もいるが、このカメラのおかげで、テロ抑止のみならず、こうした犯罪の原因特定にもつながっていると言えよう。
さて、こうした調査の下、加害者による痴漢行為が明らかとなった場合は、あらためて警察へ通報し、逮捕されることになる。またこの手の犯罪は、再犯率が高いということで、一回逮捕されるとデータベースへ登録され、別の同様の事件を捜査する際、前科がある人を抽出し、調べることもあるとしている。

被害者のケアについても専門チームがいる

同社サイトでは携帯のテキストメッセージ、もしくは専用ホットラインへ連絡してほしいと呼びかけている。特別に訓練された専門チームでは、ささいなことでもきちんと調べ、被害者の心のケアにも対応している。

「奈落の羊」というマンガで被害にあった女性に対して、女性警察官が偏見で「あなたに問題があった」といってしまうシーンがあるが、こういうことがあったら通報なんかできないよね……

フランスの場合

www.excite.co.jp

アプリケーションとの連携

同キャンペーンでは迷惑行為防止の啓蒙だけでなく、被害が起きた場所や状況を共有できるスマホアプリ「HandsAway」などとも提携する。
同アプリは、迷惑行為が生じた場合に、現場の位置をアプリの地図上でピン留めし「被害を受けたのか目撃したのか」「身体的な被害か言葉によるものか」「路上か公共交通機関か」を順に選び、登録できる。そして、どのようなことが起きたのか文章または直接録音して状況を記す。するとその情報がユーザーに共有され、危険な場所であるという注意喚起や、ユーザーから助けのメッセージが来る

厳罰化

フランスで迷惑行為を働いたらどうなるのか。侮辱または脅しの場合は6カ月未満の懲役と2万2500ユーロ(約280万円)の罰金、強制的に体を触るなどすると最低5年の懲役と7万5000ユーロ(約900万円)の罰金が科される

カナダの場合

痴漢を病気として扱い、治療を義務化することで再犯率を下げている

痴漢は性犯罪の中でも特に再犯率が高いので、いかに再犯を防止するかが被害者を減らすためには重要です。対応策としては、米国で行われているドラッグコートという、薬物依存から回復させるための制度のように、執行猶予判決とセットにした治療プログラムを組むべきでしょう。カナダでは、出所後に仮釈放の条件として一定期間治療を義務化にしており、もし遵守事項違反をしたら、刑務所に再収監するというシステムを取り、再犯率を見事に下げています

https://diamond.jp/articles/-/147382?page=3

ようやく動き出した日本の鉄道会社

きっかけは2015年6月の東海道新幹線の放火事件?痴漢のためには動かなかったのに……

www.houdoukyoku.jp

2015年6月の東海道新幹線の放火事件を契機に防犯カメラ設置の機運は一気に広がった。新幹線ではJR東日本、東海、西日本の路線に導入が始まり、在来線でも東急電鉄や東京メトロなどが全車両に設置する方針をすでに発表している。

だいぶ前から実証実験は進んでいたらしい

実際に導入されている防犯カメラの詳細な性能や実際の録画画像は公表されていないが、2010年に警察庁が実際の鉄道車両にカメラを設置して、最大200%の混雑率を再現するエキストラを配置して実験を行った。報告書は、両側の扉付近に超広角カメラを設置することで「扉付近で近接撮影でき、人物の顔、動きが判断できる。対向で設置することで、混雑時に両側からカバーできる」と評価している。

https://diamond.jp/articles/-/174254?page=3

まとめ これからの痴漢対策として安全ピンよりも大事なこと

もしあなたが列車内で犯罪被害を受けたり、見かけたりした場合は、どの列車の何号車に乗っていたかが重要な手がかりとなる。列車の運行番号など専門的なことは分からなくても、何日の何時何分にどこの駅にいた列車か、行き先はどこかなどを把握しておくだけでも列車は特定でき、防犯カメラの有無も調べることが可能だ。仮に防犯カメラが設置されていない車両であっても、駅に設置されたカメラが周囲の状況を撮影していることもある。いずれにしても前述したように、録画データの保存期間も限られるため、できるだけ早く警察に相談してほしい

https://diamond.jp/articles/-/174254?page=3

というわけで、これが今後のベースになっていってほしいです。

①まず鉄道会社が、事件の調査および被害者のケアについて専門対策チームを取り入れてほしい。男性専用車両を導入するよりは現実的だと思う。(適切な人員規模はちょっとわからないです) 鉄道会社がしっかり問題視し「冤罪防止を含めて」対策するという姿勢を示すだけでも空気は変わり始めるはず。

②さきほどフランスの事例にあったアプリのように、「その場で声を上げられなくても痴漢した人間を捕捉したり、周りにサイレントで助けを求められる仕組み」が進展してほしい。これによって抑止力が高まることを期待したい。こちらも冤罪が怖いので、①が機能していることが大前提になる。

③それでもやってしまう人はもう完全に病気なので「ちゃんと捕まえて治療につなぐ」という方向になってほしい。痴漢に関しては社会的にまともに取り扱わないために「やめられない人は再犯を繰り返し」「無実であっても捕まると人生終了」というイメージが非常に強い。

④「酔ってのセクハラ」が許容される雰囲気など、セクハラへの緩さが男性の女性に対する優越感や気安さ、ひいては痴漢への入り口・土壌になっている可能性を考えると何とかしたい。要するにストレス解消の手段として女性に手を出す、ということのハードルが普段から緩いってのが問題。 「セクハラ」の概念も人によって基準がブレまくっているので難しいが、少なくとも「酒に酔ってのセクハラ・アルハラ」についてはもうすこし厳しくなってほしい。