頭の上にミカンをのせる

マンガアニメ大好き兼業投資家の日記です

ネットだけ見てると、元農水省事務次官の息子が数十年ずっと実家に引きこもってたように勘違いしてる人いるのでは?

私は元事務次官に対して「よくやった」とか「生産責任を負ったな」と判断したり発言してる人がどういう事実認識であるのかとても疑問だ。

そもそも、「被害者はずっと実家の外にいて、10日前に実家に戻ってきたばかりだった」ということを認識できてる人は何割なんだろう。お恥ずかしながら、私はTVを見ないし、最初の1日目は、興味がなくてちゃんと読んでなかったから、被害者はずっと実家に引きこもってる人間だと思っていた。

これ、TVを見てる人と、ネット(特にツイッターの人気ツイートとかまとめサイト)だけ見てる人で結構認識が異なってる部分あるのではないかと思う。ネットだけ見てる人、たぶん初日の私みたいに偏った事実しか認識してないと思う。かといって、TVを見ている人は見ている人で、「解釈」部分にバイアスがかかりまくっていると思う。「この人はからかってネタにしてもいい奴だ」と繰り返しTVに刷り込まれている人も多そうな気がする。

正直言って、この問題、認識を誤ったら私たちの無責任な言動で人が死ぬこともあると思っているので、うかつにものが言えない。

この際だから、面白愉快に騒ぎ立てるアルファツイッタラーたちの煽りをRTするのはいいとしても。自分の発言だけはもうちっと気を付けてみたらどうだろう。殺人事件の時くらい、もうちょっと慎重に発言してもいいのではないか。発言する前に、自分の事実認識大丈夫だろうか、ってちょっと疑ってみるくらいはしてもいいんじゃないだろうか。


私はこの件に関しては早々に白旗を上げてしまった状態です。 自分じゃこの事件についてまともなことを言える気がしない。

フジテレビ グッディの放送がひどかったらしいという話





自分たちを普通だと思っているなら、なおさらよそ様の家庭の闇にうかつに近寄るのは危険だと思う

「自分の子供を殺してくださいという親たち」という作品でも8050問題が描かれている。

「子供を殺してください」という親たち 2巻 (バンチコミックス)

「子供を殺してください」という親たち 2巻 (バンチコミックス)

この作品に登場する「支援が必要とされた高年齢引きこもり」はものすごく醜く描かれていた。不潔で性格も悪く傲慢で、存在自体が害悪のようにしか思えないような存在だった。

でも、これもとをたどれば親によって人生を破壊されているんだよね。しかし、親は自分たちは被害者だ。かわいそうだと思っている。子供がかわいそうだと言いつつも、自分たちの責任については目をそらそうとしている。自分たちが子供をそういう風に追い込んだという認識は持っていない。もっとはやく子供を外に出してやるべきだったとか、社会の問題だと思っていない。「とにかく自分の子が悪い」と全部こどものせいにしている。

dot.asahi.com

今回の事件だってそういう親子関係だった可能性だってある。少なくとも、事実をちゃんと認識できてない部分があった人たちが、わかったような口で論じられる話じゃなさそうに思う。

テレビの報道はかなり危険な煽りをやっているので気を付けたい

これも実物を自分で確認していない以上確実なソースとは言えないのだが、報道も、どちらかというと「親」側の認識を後押ししているように見える。
少なくともフジテレビの「グッディ」は「社会不適合者は、親が責任もって社会から隔離せよ、面倒見切れなくなったら殺せ」というメッセージを肯定しているように見える。

親と子を対立関係としてみるのであればこれはどことなく「ホテル・ルワンダ」のフツ・パワーを煽る放送に似ていると思う。
www.tyoshiki.com

「一人で死ねというな」ってそのことばかり言い続けてる人も信用してない。あの人たちはいい気持ちになりたいだけで、本当はどうでもいいと思ってるんじゃないかな。害ではない分マシかもしれないけど。ただ画面の向こうに対して怖いねとか気の毒だねと言ってるだけで自分だって何もしてないという自覚はあったほうがいいと思う。

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彼らはこの映像を見ても、怖いねというだけでディナーを続ける

本気で人を殺しうる呪詛って「悪意がなく大衆から発されているもの」なのかもしれない

私は「発達障害35歳限界説」というものに長いこと苦しめられていて、35歳過ぎてどうにもならなかったら誰にも迷惑をかけないように自殺するべきなのだろうかと悩んでた時期もあるからこういう言説には無性に腹が立つ。なにより腹が立つのは、無責任にはしゃいでいる奴は、ただしく事実を認識することすらできないバカが結構多くいるのである。こんなバカのしょうもない優越感ゲームに消費されて殺されてたりしてたまるもんか。 見苦しくても、絶対に生き延びようって今は思う。

家庭内における殺人なんて、自分が最悪だと思っていることの斜め上のことが平気で起こりうるので安易な判断はできない

「機能不全の家庭」や「親の虐待」などは人の心を破壊したり心を病ませる力がある。
見せかけは良くて一見まともだと思っていた側が実は邪悪な存在だったなんてことは普通にありうる。

健康で文化的な最低限度の生活 (4) (ビッグコミックス)

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生活保護をテーマにしたこの作品でもそうだ。
ある時生活保護を求めに来た男は、父親による保護を徹底的に拒否する。父親は社会的な肩書は立派な人であり、外側から見たら人当たりもよく何も問題がないように見えた。だからケースワーカーの人たちも最初は子供側がわがままだと思っていた。しかし実際は父親に性的な要素も含めて虐待を受け続けていたのである。
こういう可能性だってある。

そもそも、自分が引きこもりになってないのは運や環境が良かっただけ、くらいに考えておけばいいのでは

他にも「働きマン」においてニートになってしまった男を描く回があった。この作品でも世間のイメージだとニートはただの甘えだといわれていたが、実際に調査してみたらイメージと全然違うのである。ある男性は引きこもる前はものすごくまじめだった。のに、会社の不正に気付いてしまい、NOという意思表明をしただけで理不尽ないじめを受けて再起不能になるまですりつぶされてしまうのである。 問題はニートの側にではなく会社の側にあった。 なのに、個人がつぶされて会社は今でも存続して今日も個人をすりつぶし続ける。それでいいのだろうか。みたいな描写があった記憶がある。

働きマン コミック 1-4巻セット (モーニングKC)

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「12人の死にたい子供たち」において、自殺志願者の多くは親や社会に殺されかけて追い立てられるように自殺オフの場に立っていたりする。つい先日は超優良企業と言われた某化学企業でも理不尽な仕打ちで退職においやられたといわれる人の話がネットで話題になった。

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「ミステリと言うなかれ」でもそういうシーンが出てくる。

ミステリと言う勿れ (3) (フラワーコミックスアルファ)

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他にも探したらたくさん「世間のイメージなんて全く参考にならない」ってことを教えてくれる作品が読めると思う。そういうことは、ネットだけ見てたらわからないし、一つの会社とかで生きてるだけだと逆に見失ってしまうかもしれない。私は、自分が生きてるだけではわからないことをマンガでたくさん教えてもらった気がします。みんなももっとマンガ読もう!(もちろん小説でも可)

とりあえずまとめ

まぁとにかく、自分たちが今つぶされずに生きていられるのは、半分くらいはただの運で、残りの半分も環境の力であって、自分の努力がすべてだ、なんて思いすぎてはいけないと思う。その考えだと、引きこもりの人を甘えだとか考えてしまう。正直、引きこもっても生きている「余裕?」がある人をずるいと思う気持ちもあるけれど、そう考えたところで得られるものはたぶんあんまりない。

自分自身にたいしてはなるべくマッチョに、社会問題を論じるときはまた別の視点で、ってのが大事なように思う。