私が理解だと思っていたのは理解ではなく解釈だった。理解への壁は限りなく高い。今後はその自覚を持って臨む。
コメント欄でおススメいただいた作品がすごく面白かったです。 ご紹介くださった方、ありがとうございます。
ヘテロゲニア・リンギスティコという漫画を紹介させて下さい。
簡潔に紹介すると、言語学版ダンジョン飯と言った感じで、 魔物(人狼やスライムなど)の世界で人間の主人公がコミュニケーションを模索する漫画です。 種族ごとのコミュニケーション方法を事細かに考えており、現実にいたらこういう感じなのかなと思わせてくれる作品です。
特に私が好きな部分はコミュニケーションにおける相手のルールを尊重する大切さ、他者を理解することの難しさなどをしっかりと描写しているところです。 昨今のネット文化で忘れがちな所を思い出させてくれるそんな漫画だと思います。 後は主人公に同行する女の子が可愛いことと今ならヤングエースUPで全話無料で読めるのもオススメポイントです
面白そうだし期間限定で全話無料ということだったので早速最新話まで読んでみました。
web-ace.jp
全話無料ということで、ちょっと贅沢に画像引用しながら紹介します。皆さんもぜひご自身で読んでみてください。
「ヘテロゲニア・リンギスティコ」てタイトル、わかりにくいけどどんな物語?
話す、考える、解る、といいな (6話)
この作品の雰囲気がとても伝わりやすいコマがあるので見てください。
ちなみに、ヘテロゲニア・リンギスティコはそのまま「異種族言語」という意味ですが、この「言語」は人間の「言葉」に限らないです。
そもそも1話スタート地点で出会いガイド役を務めてくれるワーウルフという種族が言語以上に「嗅覚」によるコミュニケーションが発展していて面食らう。
二話以降で登場する種族で「振動」が中心になる生物もいる。
「臭いと色覚」が共感覚のように隣接している種族もいる(リザードマン)
他にも
・体色で意思表示をしようとする種族(クラーケン)
・首振りの動作でメッセージを作る種族(ハーピー)
言語が通じる場合でも発声のメカニズムが全く違うので摺合せが大変。
意思疎通だけでなく、食生活から何まで、何もかもが違う。
それを一つ一つ発見して、驚き、戸惑い、逆に相手をびっくりさせたり。
そんな感じで一歩一歩地道に異種族とのコミュニケーションを楽しんでいく物語です。
コミュニケーションプロトコルの「違い」を楽しむ感覚を思い出せる
とにかく物語の雰囲気がとても穏やかです。
異種族っていうともっとピリピリしているのかとおもいきや、前任者が一度コミュニケーションをとっていたり、ワーウルフの娘がガイド役を務めてくれているということもありますが基本的にはウェルカムなムード。コミュニケーションがなかなか通じなくても「敵対はしてない」ということが分かってもらえてるので気長に付き合ってくれます。
「お互い知り合って間もないんだし最初はわからないのがお互い様」というところからスタートしているので、どちらもイライラしたりしないんですね。なんかこう、ネットでのコミュニケーションに慣れてると、いろんなものを前提として短い言葉で殴り合いをすることが多いんだけど、対極というか。
見ていてとても気持ちがいい空間が描かれていて、癒されます・・・。
たまに人間にはどうやっても無理なパターンもありますがご愛敬。
私、相手に合わせたコミュニケーションを取るクラーケンにコミュ力負けてそう( ;∀;)
「私たちは私たちである」と言い切れる異種族の人たちが少しうらやましい
私がすごくいいなーと思ったのは6話のやりとり。
「自分たちのことはどう呼ぶのですか?」「私たち」
――彼らにとって種族名とは他種族から呼ばれるもので、自称することはないのだという。
これってすごく自由だなと思う。
私たちは人間という中でも自分たちの「種族(カテゴリ)」に縛られて、それを強く意識することを求められ、それに沿わないことをやると仲間や外から怒られる。私は特に発達障害というマイノリティカテゴリに属するため、それを常に意識させられている。
もちろんそのくらい強い縛りがないと集団を維持できないのはわかってるんだけど。でも、自分は自分であって、それ以上何も考えたり証明したりする必要はないって心持になれたらどれだけ楽だろうなって思う。
というわけで、すごく楽しいのでこの先も読みながらずっと紹介していきたいのですが、とりあえず1巻相当分までで。これほんとに面白いので皆さんぜひ読んでみてください。(最新話まで無料で読みましたが、続きがでたら普通に買って読んでみたいですね)
関連作品
・BEASTARS
・天地創造デザイン部
・ダンジョン飯
・竜と勇者と配達人
・ハクメイとミコチ
ここら辺の作品ってどれも本当に面白いので、前々から紹介したいと思ってはいるのだけど、紹介したい部分が多すぎて自分の手に余ってる感じです。