最初はドルオタの主人公と、主人公の推しアイドルであるマイナの「関係性」が気になってたんだけど、、、読み進めていくうちにマイナが属するアイドルグループメンバー「Cham Jam」の先行きが気になってきてる私がいる・・・。
「アイドルを推す」ってこういうことなのかな…?
この作品は主人公以外のドルオタがそれぞれの推しを応戦する姿も描かれてて興味深い。
一人目のパターンは「プロデューサー」ほどではないけれど「夢や感情をわかちあう」存在のように描かれている。
二人目のパターンは「ガチ恋勢」。「こんなかわいい女性、アイドルじゃなかったら好きと言えなかった。好きといわせてくれてありがとう」という感じ。
そして主人公だけど、この人にとって推しの存在は自分の存在意義そのものだし、ほとんど神に近い。ランスシリーズにおけるヌヌハラちゃんとランス様の関係というか。
いずれせよ、「アイドルは自分ひとりのものではない」という現実が厳然として存在している。ほかにも、自分以外のファンとアイドルが仲良くしているのを見るときとか、いろいろつらいことが多い。でもやめられない。
じゃあ、アイドルはファンのことをどのように見ているのか?
ファンの人はわたしがいなくても生活していけるけど。私たちはファンの人がいないと生きていけないんだなって思いました。東京で
こっちの部分は「AKB49」というマンガでは、上昇志向が非常に強くてライバルとの対決の方がメインになっていたせいか、かなり軽視されていたと思う。
己の100%を人にぶつけることができる存在をアイドルと呼ぶ・・・のかな - 頭の上にミカンをのせる
AKB49 15巻 「7人のアンチ」との向き合い方 - 頭の上にミカンをのせる
これに対して、本作品は主人公がドルオタの方であるせいか、あるいは規模が小さく、ファンとの距離が近いアイドルであるせいか、「アイドルがドルオタについてどう思ってるか」についてかなり丁寧に描いてくれていると思う。
アイドルから見たドルオタは思っている以上に厄介なようです
好きでいる間は通常では考えられないくらいちやほやしてくれるが、離れていくときは石を投げてくるような人もいる。熱しやすい分理想ガンガン押し付けてくる人もいるし、ちょっとしたことで醒めちゃう人もいる。メンバーの一人は、不確かな情報で男とのうわさが立っただけで(実際には全くそのような話はなかった)あれほど好きだ好きだといってたのに離れていくファンが大勢いた。みんなそれぞれの理由で自分を好きになってくれているようだが、それは自分が望んだ形ではなかったりする。移り気だし、そもそも何人ものアイドルが好きだったりする。自分だけではないこともあるのだ。そんなドルオタたちに対して「自分たちのことを一番好きでいてくれる」とか「これからも好きでい続けてくれる」かどうかの確信が持てない。
一番好きだよって言われたらうれしいしそうなんだって思うけど。その人のブログに富んでみたら私のことなんて全然描いてくれてなかったりとかあるもんね。
私たちは言われた言葉を信じるしかないのにね。
・・・やっぱり、一番に好きでいてほしいな
自分たちなりにドルオタたちの「一番でいたい」と思っていろいろ努力してみるけれど、その努力が正しいのかどうかわからない。それに対して不安を抱えているアイドルもいるし、全く気にせず自分が愛されて当然だと自信を持っているアイドルもいる。
ずーーーーっとエゴサしてるアイドルとか正直よくメンタルやられないな……と思うというか実際にメンタルを病むアイドルは多いらしいけどこの漫画見てたらまぁそうなるだろうなって思っちゃうな。
「アイドル」と「ファン」を交互に描いてるから、時々交差する瞬間にドキッとさせられる作品
というわけで、どちら側からの視点もしっかり描かれてます。だから、時々両者がライブやイベントで出会った時にいろいろと思惑が生じて緊張感が生まれるなと。
そういう意味で、最初ちょっと抵抗あるけど1巻まで読み進められたら後はノンストップで楽しめる作品だなと思いました。とりあえず6巻まで読み終わったので続きを楽しみにしつつ、今期はアニメを見ていくことにします。
- 作者:平尾アウリ
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2019/10/12
- メディア: コミック
おまけ1 岡山県民と香川県民の間では桃太郎の話はNGらしい
アイドルグループが桃太郎のせいで仲良くできないのめっちゃ笑うわ pic.twitter.com/Htv7vyRVFH
— あさひんご (@asahineru) January 26, 2020