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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」 2巻後半の主人公の演説がすべての作品

全体的に評価低いのでこちらのブログで紹介すべきかどうか迷ったけど、とある部分がとても面白かったので一応こちらで紹介しておきます。


とにかく2巻後半から3巻前半はすごくよかった

タイトルの「乙女ゲー」から連想される「学園生活」が始まるのは4話から。

導入部分の3話まではめちゃくちゃつまらなくて読むのが苦痛です。しかし、ここまでをイントロと割り切って耐えれば4話以降は普通に楽しめます。

とはいえ4話以降もそれほど見どころがないんですが、この2巻後半~3巻前半における主人公語りの部分はめちゃくちゃ面白いです。主人公のテンションが非常に高く、作者さんもノリノリで書いててすごく楽しそうです。実際にこのシーンのためだけにいままでずっとコツコツと積み重ね来たのだなと思うと、それまでの退屈な描写もすべてプラスに受け止められる。そんな感じ。


とにかく、性格の悪い主人公が、さらに異世界でさらに性格がねじ曲がり、そのねじ曲がった人間が分不相応な力を手に入れたことによって「気に入らないやつをぶん殴るときが一番イキイキする」という最悪の主人公になっています。

自分がなろうを読み初めたころはこういう作品多かった気がしますが、最近はなんだかんだいってそれなりに取り繕えてる作品ばかりになっていたかなと思っていたら、今頃になってこんな先祖返りしたみたいな作品が見れて私はちょっとうれしい。



なろうって導入部分で結構判断できてしまうところあるかもしれない

この作品に限らずですが、「乙女ゲー」とか「悪役令嬢」ものを題材にしている作品は、学園生活さえ始まってしまいさえすればネタ元となる作品がたくさんあるためか描写が安定してきます。一方でそれまでのイントロを面白くするのは作者の力量でオリジナル要素を作らないといけないのでだいぶ差が出ます。

この作品の導入が苦痛すぎたことにより、逆に学園編に入るまでの展開もきっちり楽しめる「はめふら」がめちゃくちゃ面白いということがよくわかりました。

なお、前にも書いた通り私のお勧めは「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん」です。




1~3話:主人公は苦労して自力で力と資産を手に入れましたということさえわかってればOK

乙女ゲーというより主人公が復讐するために用意された「女尊男卑ゲー」が舞台です。作者を苦しめるためだけに魔改造されたものであり、正直乙女ゲーあんまり関係ないです。

こんなん風評被害もいいところだと思いますw

設定がふわふわして矛盾だらけの乙女ゲー。それが現実になると、こんなにも醜い世界になるのかと怒りを感じる。

戦うのは男。稼ぐのも男。それなのに女性の方が権力を持っている。まさに女尊男卑の世界なのだ。本当にひどい世界だ。なんで俺、こんな世界に転生しちゃったんだろう……

要するに主人公にとって「クソゲー」っていうのが作りたいダメだけにこういう設定にしてるんですが、そのために年配の女性たちをやたらと容姿も性格も醜く描くもんだから、いつぞやのこれを思い出してしまって食傷気味……。

togetter.com

「貞操逆転世界」みたいに描いてくれれば面白いのに、こういう感じで「露骨にネガティブ」なものを描かれるとしんどいですね。


とにかく1~3話では、

①主人公が女尊男卑の世界で性格がねじまくりまくり、
②いろいろあって殺されそうになったので家を出て冒険者として活動し、
③頑張ってチート装備を手に入れ、強くなりました

ということだけ覚えておけばOKです。


4話目からが学園生活

箇条書きにすると結構面白く感じます。

もともとの乙女ゲーの主人公は「オリヴィア」という女の子なのだが、なぜかそのポジションに「マリエ」という原作にいなかったキャラクターがおさまっている


②「マリエ」は主人公同様に前世の記憶を持っているようだ(というか主人公の妹だよねこれ)


③主人公はこの学園で将来の伴侶を見つけなければいけないが、地方の男爵家程度ではよい相手を見つけられない。そのため、「マリエ」によって主人公の位置からはじき出されてしまい孤立している「オリヴィア」と交流を深めていく。


④元の乙女ゲーでは悪役令嬢として「オリヴィア」をいじめる存在のはずだった「アンジェリカ」は、本来の役割を行うことなく「マリエ」の存在によって一方的に貶められるだけの存在になってしまう。

だいたいこんな感じ。


「異世界転生者」がいることで、元のゲームが大きく変化してしまうというのはどのゲームでもよくあることです。そして、だいたいの作品のばあい、そのゲームをゆがめる存在というのは異世界転生した主人公そのものです。

ところがこの作品の場合は、物語をゆがめて、物語の中心に居座るのは別の「マリエ」という存在。そして主人公はあくまでモブとしてその変化を眺めている立場です。この視点に徹しきっていたら面白かったと思います。というかその視点を徹底しているのが「悪役令嬢リーゼロッテ」ですね。これほんと面白いのでお勧め。


一方、本作品の主人公はそこまで徹しきれません。あまりにこの作品の陰湿な空気に耐えがたくなって、それにケンカを売るように物語に介入していくことになります。


本性むき出しにした主人公はとても楽しそうでいいよね

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※本作の主人公です


今まであんまり目立たないようにしてた主人公ですが、いざ行動を起こすとチート装備を持っているのでめちゃくちゃ強いです。

ここから先はなろうあるあるの敵対するキャラはなぶりごろしだヒャッハー俺TUEEEEタイムになります。ここの展開は本当に主人公イキイキしててよかった。

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※本作の主人公です

しかも殴りながら別の何かと戦っています。

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こんな環境のせいで主人公の性格がねじ曲がりまくってます
この辺りはゲラゲラ笑いながら読みました。


性格が良かろうが悪かろうが、クズだろうが聖人だろうが、漫画だと主人公がイキイキしてるのはとっても大事。これほど主人公がイキイキしてるシーンはなかなかないので、このシーンのためだけでもこの作品読む価値ちょっとあると思います(笑)