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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「鬼滅の刃」20巻  もうやめて!ワニ先生が鬼畜過ぎて黒死牟のライフは完全に0よ!

きょうこんな記事を読みました。
www.jprime.jp

「あのビストロと健太さんはひどいですよ。もともと商店街では評判が悪くてね。客層もよくないし、前からワイワイガヤガヤとうるさかったし、いまでも闇営業をやっているみたいですからね。コロナで大変なときに、感染者でも出たら、隣の店だって営業できなくなるし、この高円寺全体が大変なことになりますよ。近所の人で、よく思っている人はほとんどいないんじゃないですか。だから、誰があの2店にビラを貼ってもおかしくないと思いますよ」

そして、疲れた顔で深刻な経営状況をこう語った。

「コロナ以前はね、バイトを雇っていたんですが、事態が悪化して雇えなくなって。こうやってひとりで、てんてこ舞いの毎日で、きちんと時間を守ってやっているんですよ。ホントに疲れますよ。それなのに、ノー天気にやっている店があるのかと思うと……」

嫉妬という感情は、人を狂わせるもんなんですよね……。


「嫉妬」という感情の描き方がエグすぎて涙が出る

20巻に出てくる上限の月一位・黒死牟という男も、嫉妬に狂って鬼になった存在なのだけれど。

ちょっとこの嫉妬の描写が尋常ではない。

才能に優れた剣士であった男が、才能に優れた弟への嫉妬ゆえに鬼に身を堕とす。それだけだったら「嫉妬はよくない」みたいな陳腐なこともいえるのだけれど、

そんな陳腐な言葉をかけることができないくらい嫉妬心の描写が壮絶すぎてなんかもうみてるこっちまで息が苦しくなる。






さすがにこれは黒死牟がかわいそうだろ・・・って思えるくらいむごい。あまりにもむごすぎる。

ワニ先生、いくらなんでもちょっと鬼畜過ぎると思います。




狂うか自殺する以外に、自分の嫉妬の苦しみから逃げる道がないのに、鬼になってしまったから狂うことも自殺することもできないとか地獄過ぎる

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まず、

①最初に哀れだと思っていた弟が自分より優れていたということを思い知らされる。

この時点でかなりきつい。



②自分の能力を向上させるために全く手抜きなく全力を尽くしているのにそれでも全く弟に及ばない。

これも「才能」をえがいた作品ではよくあることではある。「はねばど!」とかでもこういう描写はあった。



③望んでもやまない才能を持っている弟は、その才能に価値を見出していない
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④ならばと弟は天才ゆえに精神的に問題があるとして納得したかったのに、人格面でも優れていることを突き付けられてしまう

頼むから死んでくれ。お前のようなものは生まれてさえ来ないでくれ。お前が存在しているとこの世の理が狂うのだ


⑤10年もの間、弟から離れて平穏な時を過ごしていたのに、いきなり成長した弟の姿を見せつけられる。しかも非の打ち所がない人格者になっている。

弟を見た瞬間、私の平穏が破壊された。私は再び妬みと憎しみで胃の腑を灼いた

何が悲しいかというと、黒死牟は、上の心の弱い人と違って、自分の感情が嫉妬であり憎しみであることを直視して認められるくらいに心が強いんだよね……。

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⑥25歳を過ぎたら死ぬという呪いも弟にだけは効かず、さらに天にひいきされていることを見せつける





⑦自分がどれだけ憎んで敵視しても、人の道を外れて鬼になっても、それでも自分にとって嫌な奴になってくれなかった。

憎い。憎い。憎い。
お前の顔を見ただけで吐き気がする。
お前の声を聞くだけで腹が立ち、コメカミが軋む。

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自分より才能が優れているという点さえなければだれよりもかわいく兄想いの弟だったというのがえぐすぎる……。

唯一無二の太陽のように。
お前の周囲にいる人間は皆、お前に焦がれて手を伸ばし、もがき苦しむ以外道はない。
消し炭になるまで。


弟に勝ちたいという気持ちを諦めればよかったのだけれど、弟を超えるという目的で人間まで捨てて鬼になったがゆえに絶対にあきらめることができなかった。自殺することも発狂することもできなくなってしまった。

弟のことを嫌いになればよかったのだけれど、弟は非の打ちどころのない人間で嫌いになることもできなかった。

苦しみから解放されるには弟を超えるしかなかったが、どれだけ頑張っても弟を超えることはができなかった。

シーシュポスの神話 (新潮文庫)

シーシュポスの神話 (新潮文庫)

  • 作者:カミュ
  • 発売日: 1969/07/17
  • メディア: 文庫


なんかもう……オーバーキルとかそういうレベルじゃねえからこれ!





「鬼滅の刃」は一度読んだ後、絶対に戻って読み返したくなるよね

それまでの戦闘では圧倒的な強さで柱たちを苦しめ、ただただその強さが憎らしかったこいつが、一度読んでしまうと戦闘シーンすら哀れに思えてくるのがすごい。

黒死牟のやったことは確かに許されることではないんだけれど、ここまで救いのない無間地獄に苦しんでる姿を見ると、「もうだれかこいつを死なせてやってくれ……」と思う。


いつもそうだけど、一度読んだ後絶対すぐに読み返したくなる力があるよね。やっぱりこの作品すごいなと思う。

鬼滅の刃 20 : ジャンプコミックス

鬼滅の刃 20 : ジャンプコミックス



ところで、どうでもいいんだけど、鬼滅の刃、もう21巻から23巻まで発売日とか特典とか予約とか決まってるのね……。

しかももう売り切れそうになってるし……やべえなこれ。