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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「望まぬ不死の冒険者」(評価9) 見た目はいかついけど読んでてほんわかする作品

5巻まで読みました。この作品はおすすめです。

この10年、俺はひたすら修練を重ねたが成長の兆しは見えなかった。
けれど今はどうだ。
龍に出会い、未踏破区域を発見し、そして不死者になった。

人は俺を不幸だというかもしれない。
けれどおれはそうは思わない。
強大な魔物と戦い、多くのなぞに出会い、そして強くなる。
それは俺のあこがれる冒険者の在り方そのものだ
最近見舞われた様々な不運は、むしろ光り輝く経験そのものだった。
この望まぬ体で、俺は改めて決意を固くしたのだった。
必ず神銀級の冒険者になると。


主人公は努力家ではあるが戦闘面での才能が皆無で探索や雑務・新人の指導などで食いつないでいた冴えない冒険者。

あるときダンジョンの未踏破区域で龍と遭遇して喰われ、気が付いたら不死者となって復活していたという設定。

魔物であるためいろいろ不便はあるものの、その姿になってからは戦った分だけ成長できるようになりひそかな充足を覚えながらダンジョン探索に精を出すようになる。


性格の良かった主人公が、生前の知り合いの支援を受けながら堅実に一歩ずつ前進していく描写は好き

生前の主人公は、冒険者としてのランクは低かったが、誠実な人柄でギルト管理の人間や、一部の冒険者に好かれていた。

魔物として復活した後本来であれば人の世界で生きることはかなわなかったはずだが、生前の知り合いからは受け入れられ、彼らの助力を得ながら人の世で冒険者としてやり直していく。

「ゴブリンスレイヤー」のさらに手前のレベルからスタートして「ゴブリンスレイヤー」の先を目指す

この作品の主人公は「ゴブリンスレイヤー」の主人公と重なる部分と違う部分がある。

「ゴブリンスレイヤー」の場合は、人との触れ合いを拒み一人で戦い続け、周りから不気味にされたりさげすまれたりしつつも街をゴブリンから守り続ける。その結果自身も銀等級とそこそこ強くなる。さらに周りから強引に誘われる形で少しずつ人の輪に交じっていく。とはいえ、彼の行動原理はゴブリンへの復讐と幼馴染を守ることだけに向けられている。


本作の主人公はその逆で、強くはないのだが、魔物の身でありながら生前冒険者であった時の経験を活かして自分から積極的に周りを支援して人の輪に入ろうとする。
そのうえでちょっとずつ強くなり、最強の冒険者を目指そうとする意欲がある。


個人的にはこのあたりの対比しながら読むと面白いです。


いい人たちばかりで読んでて安心感があるお話

無茶苦茶面白いというわけではないのですが、安定感が高いです。

主人公がもともとそういう人物だったということもありますが、4巻では食事など日常をとても大事にするシーンなどがあるし絵も丁寧できれい。

文句なしで良作だと思います。