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劇場版「ヴァイオレットエヴァーガーデン」のギルベルト少佐については語りたいことがたくさんある

ヴァイオレットエヴァーガーデンの劇場版良かったですね。


www.tyoshiki.com


ギルベルト少佐の好き嫌いが極端に分かれる問題




ちなみに、特典小説は4種類あるみたいですね。特にギルベルト少佐について語ってる短編小説めっちゃ読みたいけどもう入手困難なのだそうです( ;∀;)



ただ、まぁ案の定というか。観に行った日に「ある種の人にはこの作品は劇薬」って書いた通りだけど。やっぱりこのキャラクターが嫌いって人もいるなあという感じ。


特にこの人は絶対にそういう感想になるだろうなと思ったら案の定だった。*1





ギルベルト少佐は実際にクズ男として描かれるわけですが、なぜ彼がこのように描かれる必要があったのかというところを考えてみると面白い

彼がやったことは

第一の階層 育児の責任からバックレ
第二の階層 「愛している」という言葉を投げかけた相手からバックレ
第三の階層 家や軍人としての責務を捨ててバックレ
第四の階層 ギルベルタという人間そのものからバックレ

という感じです。

要するに「過去の自分を殺す」という形になっているのですがそれぞれのレイヤーで語るべきところがあると思います。



これについて第一階層や第二階層しか見てないと上のツイートのような感想になると思います。
別にそれはそれでいいのですが、それってこの作品を楽しんだと言えるのかというと全然そうじゃないだろうと思います。その理解で「ギルベルトがむかついたからこの作品楽しめなかった」とか「劇場版は蛇足だった」といってる人はさすがにちょっと「もったいない」ような気がします。それだと「ホッジンス」的な立ち位置にとどまっていて、物語の中心に入り込めていないんじゃないかなと。



確かにTVアニメ版って、いろんな負の要素をいったん棚に上げて「ヴァイオレットの成長」に全振りしており、TVアニメ版はひたすらに心地よい作品であったと思いますが、私はなんか物足りないなあと思ってました。劇場版はそうした「ヴァイオレット無双」的なTVアニメ版の歪みを歪みで終わらせないための完結編であり劇場版がなければ作品としての完成度はかなり低かったと思ってました。 なので、私は劇場版大満足です。





んで、これらについて考えていくと、いろんなことが頭をよぎりますよね。

・この作品の物語が「文章だからこそ伝えられること」を描くという主題を持っていたこと。
 (そのため、面と向かった時にはコミュニケーションがうまくいかないというのが基本所作であること)
→それでいて「直接のコミュニケーション」が手紙の力を乗り越えていくというのが劇場版の主題であること。



・「聲の形」の石田くん問題(加害者は許されないのか問題)

聲の形(1) (週刊少年マガジンコミックス)

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  • 作者:大今良時
  • 発売日: 2014/01/17
  • メディア: Kindle版


・「2.5次元の誘惑」の制作者問題(最新話絶対読んでほしい)

2.5次元の誘惑 6 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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  • 作者:橋本悠
  • 発売日: 2020/09/04
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・ギルベルト少佐の一家に関する親子関係、兄弟関係の問題

・ギルベルト自身が一度に一つのことしか選べないという不器用な人間であると描かれている問題

・「ヴァイオレット」にヘイトが集まらないようにするために罪を引き受ける存在が必要であるという作劇上の都合。

・TVアニメ版で「ヴァイオレット」が得てきたものを一切得られなかった側の存在を描くことで
 ヴァイオレットがTVアニメの物語でどれだけのものを得てきたかを浮かび上がらせるという作劇上の都合。

・「ヴァイオレットを幸せにする」ということがこの物語の至上命題であるというお話

・メタ的にいうと「京アニ」スタジオが多くの人に幸せをもたらしたのと同じように放火事件によって貴重な若者を死なせてしまったこととのリンクのお話

・私が一番見たかったもの(ヴァイオレットの満面の笑顔)は劇場版でも結局見せられず、ギルベルト少佐とヴァイオレットのプライベートなものとして秘されている形になったこと。(とことんまで二人の関係に真摯に作り込んでいるなと感じた)



このあたりについて、めちゃくちゃいっぱい語りたいことがあります。

ヴァイオレットエヴァーガーデン劇場版の感想が出てくるのはもう少し先になるのかな?

この作品、Twitterで見てもあまりまだ感想が出てきてないのですが、私がそうであるように、皆さんも思うところが多すぎてまだ言葉で整理できてないのかなって思ったり思わなかったり。



言葉がテーマの作品ですから、ぜひいろんな人の感想を読んでみたいです。私もちまちまと言語化していきたいところです。

とりあえずそのために、まず「2.5次元の誘惑」の感想の話していかないといかんなあ、なんですけれどこちらもこちらで語りたいことたくさんあって結構困ってる(´・ω・`)

*1:この人はとある人物から「天気の子をオウムと同じと言ってみたり娘の友達に癒されたり、この人徹頭徹尾優しい世界かつ登場人物の言動の裏を読まなくていい作品が好みなんだろうなって思うけど、それにしたって狙い外した時のレビューのダメっぷりがすごすぎて笑う。」と評価されていて私もそういう認識ですね。正直言って劇場版はこの人の理解能力だと難しすぎるのだと思います。ヴァイオレットが好きだって言ってるのにそれを拒絶するなんてなんてひどい奴だ!くらいの素朴な感情なんでしょうかね知らんけど。一度その時の衝動で手を差し伸べた結果失敗してしまったことや「ヴァイオレットが自分を好きだという気持ち自体、自分が植え付けたものかもしれない」という恐怖などを忘れているのかなと思います。あと単純にギルベルタが受け入れる人間だったらTVアニメ版そのものが存在しなかったというところが想像できてないとギルベルタはクソ!みたいな素朴な感情で怒れるのかな?素朴っていればだいたい肯定的に見えるから便利だね