「どるから」の3巻ではパパ活をやろうとする女子2人に対して、
女子高生に転生した石井館長が知識を授ける話が出てきます。
パパ活自体は「愛人契約」の一種だと思えば個人の問題だが、男と女の知識差が大きすぎるのが問題
杏が考えた末で出した結論なら、ワシに反対する権利はない。
ただ、お前には生きる知恵がない。
おまえにはカネの価値も自分の価値もわかってない。
男がていよく騙しているだけなら黙ってられへん!
以前こういう記事を書きましたが、
私はパパ活やってる他の人から話を聞いただけで、自分では実態が良くわかってません。
まして、女子高生や女子大生の皆さんは
自分が安く買いたたかれても自覚できないだろうと思います。
というわけで、石井館長がクイズ形式でパパ活の上中下を教えてくれます。
そして、相手がどういう関係を提示してくるかによって
相手の意図を把握できると説明してくれます。
石井館長によると、パパ活すべてを否定するつもりはないが、「上」以外の関係を提示してくる男はクソだということは理解しておく必要があるということです。
このエピソードに出てくる永田雅一っていう人物の話だけでおつりとれるレベルだと思います。
ネットで検索して得られるのは問題を「回避」する術であり、ネットの情報だけでいろんな人生の問題を「解決」することは難しいというお話が好きです
この作品は「大人とか男に食い物にされて自殺したり、自殺未遂したり、仲たがいする子供」に対して
「普通じゃない人生を生きてきたおっさんが道徳じゃなくて生き延びる知恵を授ける話」という側面もありますね。
ちょっと説教臭いところはありますが、少なくともネットできれいごとしか言わん人たちよりは「役に立つ」と思います。
私が一番好きなのは「どるから」2巻のこの部分です。
今の子にはあふれる情報がある。
いじめ問題についてネットで検索すれば、
転校したらええとか、大検受けたらどう、とかいじめ対策はのっとるやろう。
けど、情報で問題は「回避」できても「解決」はできんのや。お前はこの先の人生でも同じような問題にいくつもぶち当たるやろう。
そのたびに検索で回避してその場しのぎするんか?
問題を解決するには、まず正面から向き合い、知恵を絞ること。
それから少しばかり勇気がいる。厄介なことに、そのコツは体験知といって経験からしか身につかん。
大丈夫、今回負けてもお前の人生、トータルでいい勉強になる
まぁこういう教訓めいた話を抜きにしても絵もすごくきれいだし、キャラクターがしっかり立っており、軽い気持ちで楽しめる「エンタメとして良い作品」です。
いろいろ「こうあるべき」って正解を意識しすぎて頭が固くなってきてるかなって思った時にぜひ読んでみてください。