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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「たいようのマキバオー」(1/4)| 高知競馬での日常~高知の黒潮ダービー挑戦まで。この当時の地方と中央のレース格差は30倍以上!?

1巻の作者コメントで

「続編ではあるが続編ではないので前作のことは記憶にはとどめつつ頭から消し去ってください」と書かれている作品なのですが

……ぶっ通しで読んでるから無理っすw


地方競馬が舞台

この作品は、主人公「ヒノデマキバオー」を通じて「ウマ娘シンデレラグレイ」とも一味違った地方競馬をじっくりと描く作品となっている。

ちなみにヒノデマキバオーはミドリマキバオーの子ではなく、甥っこです。父・タマブクロス、母マキバコ、母父サンデーサイデンス

凱旋門賞優勝馬タマーキン(トニービン)と桜花賞馬であるミドリコの子であったミドリマキバオーとは異なるものの

ヒノデマキバオーも決して血統的に劣る馬ではない。



しかし、ヒノデマキバオーはミドリマキバオーと違って

地方競馬の、しかもマスコットとしての役割を求められ続けていた。

そのため、本格的な勝負は4巻に入ってから。

しかも4巻になってもミドリマキバオーの2戦目よりもはるか後方。

G3での勝利ですらなかなか手に入れることができない。


この馬が果たしてミドリマキバオーを超える馬になるのか、それとも……




というわけで、先が楽しみですね。

この作品も1巻と2巻が期間限定で無料です。

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[asin:B08Y5S6HNS:detail]



みどりのマキバオーの時点から10年後

①「フィールオーライ」という馬(もちろんサンデーサイデンス産駒)が皐月賞につづいてダービー制覇するシーンから。(ディープインパクトがイメージされてるかな) 前作で登場した「ブリッツ」以来の三冠馬への期待が持たれることに。


②カスケード産駒はいるが、マキバオーは種牡馬登録されておらず、マキバコ産駒は活躍していなかった。

もはやマキバオー世代は過去のものとして語られることになっていた。
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なにも残らなくたって、あいつらの走りの記憶は永遠に語り継がれるものだと思ってたんだがな……

高知競馬……勝てないけど人気馬……ハルウラr……うっ頭が

①ヒノデマキバオーはハルウラr?
・中央競馬ではなく高知競馬で、勝ち負けではなく愛嬌で人気者になっていた
・最初から勝つことを求められておらず、ファンが写真を撮れるように外側を走ることを義務付けられていた。

・騎手であるハヤトはマキバオーを勝たせたいのに周りがそれを許さなかった。賞金だけではやっていけず、出走手当をもらうために走りづめさせていた。

競馬ファンでない人たちが無知ゆえに無責任なやじを飛ばすことにもイライラしていた
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②「黒船賞」PRのために、ミドリマキバオーの騎手である山本が呼ばれる。
・ハヤトをおろして山本を乗せるように中央から要請されるも山本は断る。



③黒船賞1(中央や川崎などから馬を招いて行う交流戦)
・ハヤトはまずゴールデンバットという馬に騎乗して外から来たG1馬らと対決。地方競馬の地の利を生かして勝利を目指すも、山本が騎乗するG1ダート馬の圧倒的な馬力の前にあえなく敗れる。
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・ただ、山本はハヤトが単にいいなりでマキバオーに外を走らせているわけではなく、ハヤトなりに気遣ってその判断をしていることを知る。

④黒船賞2
・ハヤトはマキバオーに騎乗。いつもと違ってハイペースな大逃げで12戦目にして初勝利。しかし山本に対する意地になってマキバオーへの気遣いを忘れていたため、レース後に軽い屈腱炎を発症してしまい、全治3か月。

・勝つために全力で走らせたいが、ハヤトが乗っている限り全力で走ると足を痛めてしまう。


⑤地方競馬では中央競馬における羽田杯開催が近づいていた
・アマゾンスピリット


一度目の挫折

①屈腱炎の治療のため桂浜で休息
・闘犬・雷電号と出会う


②まずは地方ダービーを目指すことに!

・北海道(北斗盃、王冠賞、北海優駿)
・北陸金沢(北日本新聞杯、MRO金賞、サラブレット大賞典)
・南関東(羽田杯、東京ダービー、ジャパンダートダービー★)
・兵庫三冠(園田優駿、兵庫チャンピオンシップ、菊水賞)
・福山(福山ダービー、鞘の浦賞、アラブ王冠)
・高知(黒潮皐月、黒潮優駿、黒潮菊花賞)
・九州(荒尾優駿=皐月相当、★英城賞=こっちがダービー相当、ロータスクラウン)

現在高知3歳馬のトップはロングテイルドリー、マイティガブラ、シャルロットなど


③しかし結局集客のためにマキバオーは毎週走ることになり、ダービーをあきらめるよう調教師から依頼される

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③高知皐月賞(1400m)
・話題作りのために参加だけは認められるが一人だけ別のレースをさせられる

本当だ、すごいレースしているよ。盛り上がってるにゃ。
あっちは。こっちもこっちで頑張らないと……

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しかし、本当は悔しかった。日中は皆に笑顔を振りまきながら、誰も見ていないところでひとり悔し涙を流していた。しかも、だんだん悔しくなくなっていくのが怖かった
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悔しいという感情を取り戻す

①マキバオーはついにこらえきれなくなってハヤトに気持ちを打ち明け、いよいよ勝負する覚悟を決める。

・広報の吉田だけでなく、今まで全員がマキバオーだけに集客を頼っていたことを自覚する。

・ハヤトもなれないながら、一人でも客を増やそうとファンサービスを心掛けるようにする。

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このエピソードはナイスネイチャの鞍上松永騎手を思い出しますね。



・広報の吉田に治療に専念し、その後は本格的に勝負していくことを告げる。


ゴールデンバットが遠征で重賞(JpnⅢ)・さきたま杯に出場することになる。

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・序盤で先頭位置を取る。
・中央馬5頭いるレースで4着入賞!!

ここに集まるすべての目だ。俺はそいつを振り向かせるために来たんだぜ。関東に名を刻め!爪痕を残せ!やつらの記憶にとどまってやれ!

地方場のトップは、GⅢで入賞するのですら大金星。地方から中央に殴り込んで活躍したイナリワンやオグリキャップらがいかに規格外であるかよくわかる。



3歳ダート路線へ

・7月のジャパンダートダービー(大井)と9月のダービーグランプリ(盛岡)が頂点。



①地方予選的な位置づけで6月にダービーウィークが行われる。

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・九州ダービー(栄城賞)でハグマシャグマが優勝。高知競馬のロングテイルドリーが2位
・北海ダービーではスターコシャマイン
・東京ダービーではアマゾンスピリット
・兵庫ダービーではブロークンボーン
・東海ダービーではミノオイルセラー
・岩手ダービーではシバノーブレスト



②高知ダービーでようやくヒノデマキバオー本格始動・・・?
・本命はマイティガブラとロングテイルドリー。
・マキバオーは試合の4日前まで調教一切なし。本当にこれで勝負できるのか?



3年間我慢に我慢して、ようやく本気の勝負!

本格始動初戦は黒潮ダービー(2000m)
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・マイティガブラとヒノデマキバオーが大逃げ。
・ロングテイルドリーは残り600mから追走。
・マイティガブラとヒノデマキバオーは残り200mで失速するも他の馬もバテバテ。ロングテイルドリーが悠々トップの位置に。
・最後にシャルロットが後方から末脚で追い込む。
しかし残り200mでなぜか失速しなかったヒノデマキバオーがそのまま1着!!




おまけ1:高知ダービーで優勝しても27万円。G3の4位でも賞金は300万円。

www.keibainfo.jp

近年では交流重賞により、特にホクトベガが活躍した川崎や南部杯ではかなり強い馬が出てきている。

www.nikkei.com

中央競馬会(JRA)のネットシステムで地方競馬の馬券も購入できるようになると、地方の業績はV字回復。20年度(今年3月末まで)は9千億円の大台に乗る勢いだ。これを受け各施行者は賞金・手当の水準を上げている。兵庫ダービー(園田)は、1着賞金が15年の600万円から昨年は2千万円に。高知優駿(高知)も13年の1着27万円が昨年は700万円

高知競馬、高知ダービーで優勝しても27万円しかもらえなかったのか……。そりゃ勝利よりも延々と走る馬の方が重宝されるわ……。






おまけ  レースの格付けについて

ja.wikipedia.org

「G」と「Jpn」の表記のおける違いは国際グレードが与えられているものとそうではないものの違いのみであり、競走格付や競走体系などの変更はない

日本ははじめは「パート2」国に分類されており、日本国内独自のグレード制は、国際的には用いることができなかった。パート2国であっても、競走ごとに国際セリ名簿基準委員会の審査を経て国際グレードを取得することは可能であり、JRAの競走の中にもこうして国際的な格付けを得られる競走があったが、JRAはこの時点ではほとんどこうした申請を行わなかった。これは主にJRAの興行上の都合によるもので、JRAが日本国内向けに「G1」と称しているものが、国際基準に照らすと「G2」や「G3」(あるいはそれ未満)であるとか、JRAが「G3」と称しているものが格付け未満であるとかいうことになると塩梅が悪いというものである

日本の競馬は2007年に「パート1」国に分類されることになったが、当初は一定の制約があり、日本国内の競走の格付けを行うには、個別に国際セリ名簿基準委員会の審査が必要だった。このため、日本国内で用いたグレードと、国際的なグレードが合致しない例もあり、コイウタ事件のような国際的なトラブルも起きている

このため、国際セリ名簿基準委員会の勧告に従い、JRAはそれまで独自に使用していた「G1、グレード1」という表記を改め、国際セリ名簿基準委員会の認証を得られたものだけに「G1、グレード1」という表記を用い、それ以外のものは従来の「G1、グレード1」から「Jpn1」という表記を使うことになった。