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たいようのマキバオーW(1/6) | 20巻もかけて準備されていた沈黙の凱旋門賞。作者の恐ろしいまでの執念を感じる

「たいようのマキバオー」はここから雑誌が変わりタイトルにWがつくようになる。



「たいようのマキバオー」の最後でダート最高峰のレース1つ帝王賞に挑み、これを制したヒノデマキバオー。このまま高知競馬のリーダーとしてダートの頂点を目指していこうか……というところで衝撃的な展開が起きる。


ここからヒノデマキバオーの運命は大きく変わっていく……




全く予期していなかったわけではないけれど
この展開はショックが大きかったので、しばらく続きが読めそうにないです
来週以降に続き読んで記事書くつもりです。


65年ぶりに日本ダービーを制覇した牝馬「ファムファタール」(カスケード産駒)が登場

①有馬記念以降骨折で休養していたフィールオーライは宝塚記念で復帰
なんとなくブチャラティみを感じる。
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・前年王者リバーサルポイント、ファムファタール、フィールオーライ、ブラックレイン(カスケード産駒)が激突。
・ファムファタールが逃げ切りを狙うもフィールオーライが捕まえて勝利。

②消息不明となっていたアマゾンスピリットは本多ファームで世界を目指していた
・ドバイのダートは日本と違って硬く、オールウェザーに近かった。昨年はそのせいでWC参加前に帰国。
・本多ファームで硬い土に合わせつつ、ファムファタールと併せ馬をするなどスパルタで育成する。


③高知に凱旋したヒノデマキバオーは地元レースでまさかの2連敗…
いつのまにか相手に合わせた走りしかできなくなっている……。



④福留牧場にグランドコブラがやってくる。アマゾンに似た脚質ということでさんざん利用されて売り払われた。(盛岡ダービーグランプリの時に一度対戦経験あり)
・マキバオーは地元戦でグランドコブラと対戦し、コブラの呪いを解いてあげる。
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⑤マキバオーはいったん息をついたところでG1ダートレースに照準を合わせる。
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フィールオーライが凱旋門賞に向けて本多リッチファームでトレーニングを開始する

海外で勝つには適性が必要。
それを持つのは俺やお前ではないかもしれん。
だが、「勝つべき」馬は俺であり、お前なんだ。

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・去年の凱旋門賞馬アンバルクマンをファームに招いて併せ馬をする。

実力的にはフィールオーライは全く劣らないが、4歳馬での挑戦は斤量がアップしてしまう。
不安を抱えつつもフィールオーライとファムファタールは凱旋門賞目指してフランスに向かう。


地方ダート戦

①8月 佐賀・サマーチャンピオン(JpnⅢ)
・カスケード産駒のフラットビッキーが勝利。いよいよ佐賀のリーダーに。


②マキバオーは南部杯のステップとして船橋・日本テレビカップに挑戦する予定に
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凱旋門賞を目指したフィールオーライは……

①ニエル賞(G2)ではファムファタールが最強馬シージに競り合う好勝負をする。

②フォワ賞(G2)ではフィールオーライが序盤から圧倒的な逃げを見せるが……くぼみに足を取られレース中に骨折。予後不良により安楽死処分となる。彼の悲願は凱旋門賞に出馬することすらかなわず半ばにして断ち切られてしまうことになる

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https://www.nicovideo.jp/watch/sm33232665

レース中、残り1ハロンの時点で左前脚を骨折。入線後歩様がおかしい事を察知したアントレー騎手は即座に下馬し、カリズマティックの左前脚を自身の腕で支え続けた。この措置が功を奏したのかは不明だが、すぐに手術を受け一命を取り留めることに成功した。このアントレー騎手の咄嗟の行動は大きな反響を呼び、同年の傑出した競馬シーンを表彰する"Moment of the Year"にはこのベルモントステークスが選出された。現役続行は流石に無理と判断され、そのまま引退。3歳時の成績は10戦4勝でこの年の年度代表馬、最優秀3歳牡馬に選出された。

引退後、2000年より生産者が所有している牧場で種牡馬入り。2003年からは日本軽種馬協会に購買され日本で種牡馬生活を送った


③ショックを受けたファムファタールは凱旋門賞に参加するものの本来の力を全く発揮できず惨敗する。

④同じくショックを受けたマキバオーは意気消沈してレースを走るどころではなくなる。

日本テレビカップを回避し、直接南部杯に参加するも完全に闘志が消えており全く見せ場なく9着と惨敗。(グランドコブラが3着。ブロックバスターが優勝)

しかもマスコミによってフィールオーライの死の原因はマキバオーにあると報じられたことから、ブーイングが浴びせられる。



マキバオーは果たして立ち直れるのか……?



ここからが「たいようのマキバオー」第二部の始まり

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フィールオーライは無印の1巻の冒頭から、なんならヒノデマキバオーよりも先に登場している。このWの3巻で悲劇が起きるまでに作者は20巻もかけてその友情を丁寧に丁寧に描いてきた。

かならずしもここまで描き切れる保障なんてなかった。連載途中で掲載誌が変わっており、下手をしたら途中で打ち切りになっていたかもしれないのだ。みどりのマキバオーと違い、明らかに展開の遅い本作品は、おそろしく丁寧であるものの読み手を選ぶマンガだと思う。それでも一切妥協せず20巻もかけてここまで話を組み立ててきた。

それもすべてこのシーンのためだったのかと思うと、作者の恐ろしいまでの執念を感じる。


サンデーサイデンス産駒にして最強の三冠馬であったフィールオーライは当然、サンデーサイデンス産駒の中でも最強の三冠馬にして凱旋門賞にも挑戦した「ディープインパクト」が強く意識された馬である。(ちなみにディープインパクトもレース中ではないが事故により負傷し安楽死の措置が取られている)

しかもディープインパクトは有馬記念でハーツクライに敗れたが、フィールオーライは有馬記念もねじ伏せて完全無敗の存在であった。それでも凱旋門賞に挑戦することすらできずにフランスの地で消え去った。



このフィールオーライの死から、第二部がスタートすることになる。

第一部ののヒノデマキバオーの戦いは、地方からの挑戦ということもあり簡単ではないが背負うものがないものだった。
ミドリマキバオーの直接の子ではなかったこともあり、高知競馬のアイドルという立場もあってやはりどこかハルウララ的な雰囲気は残っていた。


そんなヒノデマキバオーにとって、友であったフィールオーライの無念の死はあまりに重たい。


ただのファンですら「沈黙の日曜日」において心が砕けて競馬に近寄れなかった人が多いと聞く。果たして友として側にいたフィールオーライの死を知ったヒノデマキバオーにとってその衝撃はいかほどのものだっただろうか。



そもそもライバルとして同等の力を持ち、最終レースで打ち負かすことでカスケードの夢を継承することができたミドリマキバオーと違い、ヒノデマキバオーとフィールオーライには圧倒的な力量差がある

友であったフィールオーライの悲願はあまりにも遠く、G1にようやく1勝したばかりのヒノデマキバオーには背負うどころか、直視することすらできないまぶしいものだった。

そんな状況で、競走馬としての業を背負うことになってしまったヒノデマキバオーはこの先どう進んでいくのか……。