この記事面白いですね。この点数の付け方が全然わかりませんけど
ジェンダーギャップ指数とかいうヨーロッパ文化をageるために作られてる恣意性が強すぎて無意味な指標に関してギャーギャーいいあうよりは
この記事の指摘の方がまだ興味をひかれます。
ジェンダーギャップ指数をめぐる議論は、結論ありきどうしのつぶしあいになってて見てらんないですしおすし。
記事の要点の抜粋(ちゃんと記事全部読んだ方がいいと思いますよ)
パワー・ディスタンス
日本の意思決定プロセスの遅さは、日本社会には階層社会のように意思決定できるトップがいないことを示しています。パワーディスタンスがそれほど高くないもう一つの例は、日本が常に実力主義の社会であることです。日本の教育システムでは、誰もが生まれながらにして平等であり、誰もが一生懸命努力すれば出世して何にでもなれるという強い概念があります。
個人主義
日本は個人主義の次元で46点です。確かに日本の社会には、個人の意見よりも集団の調和を優先したり、面目を失うことを恥じる気持ちが強かったりと、集団主義的な社会の特徴が多く見られます。しかし、他のアジア諸国に比べて集団主義的ではありません。日本人は会社に忠誠を誓うことで有名ですが、中国人は簡単にジョブホッピングをするようです。しかし、会社への忠誠心は個人主義的なものであり、自分で選択したものです。
男性らしさ MASCULINITY
この次元での高得点(男性型)は、社会が競争、達成、成功によって動かされることを示し、成功は勝者やその分野での最高の者によって定義されます。
95点の日本は、世界で最も男性的な社会のひとつです。しかし、穏やかな集団主義と相まって、私たちが男性的な文化から連想するような、自己主張や競争心の強い個人の行動は見られません。見られるのは、グループ間の厳しい競争です。ハードで長い労働時間という男性的な規範を持つ日本では、女性が企業の階段を上るのはまだ難しいのです。
不確実性の回避
92点の日本は、地球上で最も不確実性を回避している国のひとつです。これは、日本が地震や津波、台風、火山の噴火などの自然災害に常に脅かされていることに起因しています。このように不確実性回避の必要性が高いことが、日本では変化を実現することが難しい理由の一つです。
長期的志向
88点の日本は、最も長期的志向を持つ社会の一つである。日本人は自分の人生を、人類の長い歴史の中のごく短い瞬間と考えています。この観点からすると、ある種の運命論は日本人にとって不思議なことではありません。自分の人生の中でベストを尽くす、それだけのことなのです。
インダルジェンス
42点と低い日本は、「抑制」の文化を持っていることがわかります。この次元のスコアが低い社会は、シニシズムと悲観主義の傾向があります。また、「放任主義」の社会とは対照的に、「抑制主義」の社会では、余暇をあまり重視せず、欲望の充足をコントロールします。この指向性を持つ人々は、自分の行動が社会的規範によって制限されているという認識を持ち、自分を甘やかすことはどこか間違っていると感じています。
複数の項目が関連しあっていることがわかりやすいので、いろいろ議論のネタだしをするときに便利そう。
1つ1つの項目が妥当かどうかというより、それぞれの項目が関連しあってるというところがわかりやすいところが良い。
・「平等信仰」が強いわりに「競争」で負けたものに対して厳しい社会であること→弱者男性・弱者女性に対して厳しい。「平等」の輪の外に出ているものに対して厳しい。
・「出産」という不確実性が高いイベントを妙に嫌うこと →キャリア形成や資産査定においていまだに公務員タイプの働き方が評価されがち。
・子供に対して抑制的であること →
・社会の抑制が強い・競争主義や個人主義が強いこと→自己責任論がはびこりやすい。
とか、複数の要素を絡めて考えるきっかけにはなりそう。
もっと言えば、この6項目でいいのか?もう一つこの要素が必要なんじゃないか?みたいに議論がしやすい気がします。
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