頭の上にミカンをのせる

「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「逆転裁判4」 当時はクソゲーだと思っちゃったけど今やり直すと(不満点も多いけれど)とても楽しめた

「ウマ娘裁判」という動画が面白かった。


「逆転裁判」の初代エピソードをなぞりつつ、
逆転裁判のキモである「認識がひっくり返ることの快感」をしっかり作りこんでくれていており、ただのパロディでない面白さがある。

続きも楽しみにしてます!



続きが待ちきれないのでかわりに「逆転裁判4」をプレイしてみた

こういうのを見ていると久々にちょっと遊びなおしてみたくなり、昔買ったものの途中で挫折していた「逆転裁判4」を起動してみることにした。(今はスマホ版もリリースされている)



どうやら当時は3章の途中で挫折していたらしい。

買った当時は、ギミック部分や主人公のキャラクターの弱さ、音楽の変更などから「逆転裁判らしさが失われた」とか「微妙じゃん!」って思って投げてしまったのだと思う。

いまプレイしなおしてみても「みぬく」システムは微妙だと思う。



一方で、ストーリー面は悪くないどころかかなり良いと思う。

「金田一少年の事件簿」くらいしかミステリ作品をよまない私ですら、シチュエーションからトリックまで既視感が強いものが多い。しかしそういう既存のネタをベースにしつつ、「推理」よりも「矛盾を突く」という形で「裁判の中での逆転」という要素を中心に据えているのがやはり楽しい。

「逆転裁判シリーズ」のエッセンスが詰まっていると感じた。

ミステリ作品において、「推理」が苦手だったり探偵が一方的に解説してくパートが好きになれない私のような人間に、ゲーム的な楽しさを教えてくれたこの作品はやはり偉大だなと改めて思う。

初代の頃は、エロゲの人気も強いころで、この作品のような形でエロゲのインターフェースも進化していくと思っていた時期が私にもありました……。でもその後のADV作品なんかを見ても、やっぱりこれはCAPCOMだからこそできた作品だったんだなあと。





総評 新主人公体制の序章なので新主人公は心もとないが、そのかわり3までに負けない濃い事件を描いてくれている

ストーリー面では大いに満足している。

仕方ないことではあるのだけれど、「成歩堂龍一」が強すぎるという問題はある

まだ未熟なオドロキ君に対して、成歩堂龍一が80%くらいのサポートをしてようやく勝負になるというレベルであり、どうしても「GUNDAM SEED DESTINY」みたいな構図に感じてしまう。

でも、個人的にはこれは決して悪いことではないと思う。

もちろん4では当たり障りなくオドロキ君が対応できるレベルの事件を描くことはできたと思うし、それによって「オドロキくんに」きっちりと主人公をやらせきるという手もあったのだろう。

しかしそのためには物語全体の難易度を下げなければいけない。あえてそうせずに、レベルを高いままにする代わりに、二人体制で事件に挑ませた。

今回の黒幕は「金田一少年」に登場する「地獄の傀儡師」高遠のようにかなり手ごわい相手であり、主人公と旧主人公が力を合わせてやっと倒せるという相手だったが、「成歩堂龍一のサポートを得て」難易度が高い事件をクリアするという体験を先にやりきった。

これによって「逆転裁判」のレベルを下げずに新主人公体制へ移行できた。

「なぜ主人公をチェンジする必要があるんですか?」という点は凄く疑問だけれど、その点を除いてはおおむね納得できる作品だったと思う。




ただ、やっぱり細かい部分では不満多い。
下で述べるように、ストーリー以外のシステム廻りや演出は凝りすぎてすとれすになるところが結構あった……。



ストーリー振り返り用メモ

以下は自分用にそれぞれの事件の逆転要素をメモ。需要はないと思うのでスルーしてください。

第一話の時点からかなりハイレベル

・ポーカーでの有利不利が実は逆で、ナルホド君の方が勝っていた
・いかさまをやっていた女が実は被害者だった
・被害者の見ている向きが実は逆だった
・尊敬していた先輩が実は真犯人だった

などなど逆転要素がコンパクトにギュッと詰め込まれていた。
どうやったらこうも見事に「どんでん返し」が連なっている見事なシナリオを作れるのだろう。すごい。



二話も要素こそ少ないものの、逆転の驚きはしっかりあった。

①第二話で、当初からふてぶてしい態度をとっていたミナミが、実は「被害者」だったというのは、捜査段階では全く分からなかった。
裁判でシナリオを進めて「つきつける」ところまで来ても全く分からなかった。

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②しかし、「被害者だからと言って加害者ではないとは限らない」というのがまた面白い。
被害者ポジションを主張すると「加害者」の立場にはならないと考えてる人が多いし実際このシナリオでもいったん追及がストップしそうになるが、そうじゃねえだろ、としっかり追及する。

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そして最後はパンツフィニッシュ。
操作パートのの面白さは微妙だったけれど裁判パートはもお凄くよくできていた。



「逆転」のレベルが高い一方で、「裁判」側の面白さはまだこれから……

ただ、この時点では評判が悪かった理由は明確で、完全に主人公が検事にサポートしてもらっている状況だから。
「逆転裁判」と言いながら、肝心の裁判の勝敗部分では全く「逆転」できず敵の掌の上で踊らされている状態。


3話 ロメインレタス氏殺害事件

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・発言に矛盾があるので「突き付ける」だけで行けるのかと思ったら「みぬく」を使わないと通じない。このせいで「ここじゃないのかな」とスルーしてしまうと攻略が詰んでしまう。このあたりとても不親切だと思った。演出はとても良いのだが、システムとしてはやはりかなり微妙。

・映像チェックやミキサーなどいろんなギミックが用いられているのは面白いといえば面白いのだが、やり直しが多く、時間がかかるためイライラ指数がかなり高い。ゲームとして考えるとマイナス要素が多い。

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・証人尋問の途中で、すっきりしてないのに無理やり質問を打ち切られてしまう。
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<逆転要素>
・マキくんは実は目が見える。目が見えていないのはラミロアさんの方。
・被害者のただのマネージャーではなくローメイン・レタス氏が秘密捜査官だった。
・殺人事件が起きたのは、第三部ではなく〇〇〇のタイミングだった。
・一連の見立て事件は、殺人が起きたタイミングを誤認させるためだった。

・「ボルジニアでは密輸は死刑」だからこそ、証言せざるを得ないという状況を作り出す。

4話前半:画家のドブロク氏毒殺事件

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・なぜか死んだドブロク氏は、オドロキの扱った3つの事件をスケッチしていた

・こういうキャラはエピソード1ならともかく4に出てこられるとすっごいうざい(有能なんだけどね)
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<逆転要素>
・被害者のドブロクは贋作師だった。
・死因であるストリキニーネはコーヒーにではなく切手の方にあった
・死んだドブロク氏は贋作師ではなく、本当の贋作師は絵瀬まことのほうだった

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・ドブロク氏はなぜかオドロキやみぬきのことを知っていた。

・絵瀬まことは7年前の成歩堂龍一が弁護士資格を失った事件にかかわっていた。


4話・断章 成歩堂龍一最後の事件(7年前)

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・或真敷天斎事件でナナフシカゲロウ(或真敷ザック)の弁護をしていたが
「逆転裁判界のK’」こと若き頃のガリュウキョウヤに敗北。

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・ナナフシカゲロウは皆の前でイリュージョンのように消え失せて行方不明になり、
 成歩堂龍一はナナフシの娘であるみぬきを引き取った。

・その後、成歩堂龍一は自分をはめた人間の正体や、或真敷一座の真実を知る。
或真敷バランは天斎を殺しておらず、天斎は自殺した。バランはその後偽装工作をしただけ

・7年後にナナフシは成歩堂龍一の元を訪れる。それが1話。

成歩堂龍一の変な帽子にはカメラがついていた
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4話後半

・実際には「動機」を見つけ出すのがとても難しく、オドロキだけではほぼ不可能なだが、もはや成歩堂龍一がほぼすべてお膳立てしてくれているので最後は消化試合になっている。

・それだけでは足りず、検事であるキョウヤもひたすら助けてくれており、もはや「裁判」と呼んでいいのかかなり微妙になっている。
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<逆転要素>
①ガリュウキリヒトが成歩堂龍一をはめたのは「ザックが自分の弁護を蹴って成歩堂龍一に依頼したから」
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元々キリヒトは自分が勝つために証拠を捏造していたのを、成歩堂龍一をはめるために使用した。

②ガリュウキリヒトがザックを殺したのは「口封じのため」。

③「ラミロア」の正体は死んだと思われていたザックの妻。
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裁判員制度について

www.saibanin.courts.go.jp
裁判員制度が始まったのは2009年。逆転裁判4が発売されたのは2007年です。

このため4話は裁判官裁判になっている。

証拠を提出しきれなかったが、「裁判員の心証」で完全にブラックになっていたキリヒトは敗れ去る。

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茜ちゃんなんかやさぐれたなぁ……

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逆転裁判4はとにかく科学捜査グッズのネタがたくさんあって楽しかった。

・指紋採取
・ルミノール反応
・封筒の中身を確認する
・毒物検知スプレー

などなど。

逆転裁判好きな人は「無能なナナ」のコミック版もぜひ読んでみて―

www.tyoshiki.com

アニメ化もされましたが、そこそこ高評価だったように思います。私的には大満足の出来でした。

ちょっと6巻~7巻は「どんでん返し」要素が弱くなりテンポも悪くなっている気がしますが、

まだまだここから大きくひっくり返す展開が来ることを期待してます。