まさかこの作品がアニメ化するとは……。
作品の序盤を読んで、結構面倒くさいことやってる作品だなぁって感想書いてたんですがなんにせよおめでとうございます。
本作はきちんと広い世界を描こうとした意欲作であり面白いと思います。
ただ丁寧にやりすぎというか話が非常にスローペースで脱線もします。
そのため話が本格化して面白くなるのはのは10巻から。今からようやくという感じなのですよね。
そういう意味で、正直この作品アニメ化にはあまり向いてない、、アニメは多分コケると思ってます。
しかし、もしアニメを見て興味を持った人がいたら頑張って9巻まで読み進めてほしいです。今かららちょうど面白くなるところなので、読み始めるのはちょうど良いところなんですよまじで。
というわけでちょっと原作の紹介です。
「ランス」シリーズが好きな人には同じみのファンタジー世界観
「将国のアルタイル」という作品で描かれたことをファンタジー世界に寄せてよりわかりやすくした作品です。結果としてランスシリーズに近いような設定になっています。
①まず人の社会があって
②人は亜人たち(カラーやポピンズ)を弾圧している。
③一方で魔物が人を襲っていて、魔物の上には強力な魔人という存在がいる。
④さらに、魔物たちとは別に「神や天使たち、魔族」といった種族も存在する
こういう世界観をベースとして桃太郎=勇者概念が存在します。
ランスシリーズでは、世界にとってのバグであるランスと、世界にとっての正常な勇者であるアリオスの二人主人公制で物語を進めていきます。本作でも同様に二人の桃太郎が世界の秩序をかき乱していきます。
ちなみにランス役のキャラクターである「サリー」は女の子で、アリオス役の「キビツミコト」は、まんまアリオスみたいなキャラです。
二人の勇者(桃太郎)サイドの説明
鬼殺しに特化した「桃」因子を持つサリーとミコトが主人公。「桃」因子はランス世界における「勇者システム」に類似
①鬼が力を持ちすぎるとバランスを取るために生み出される。鬼殺しに特化したチート能力。
鬼の攻撃を無効化した上に、自分の攻撃は鬼に特攻。
当然鬼からは天敵として忌み嫌われており、こちらも存在自体が鬼との共存が不可能。
②サリーは人間と鬼との共生を理想としているが、ミコトは鬼は皆殺しにするという理念を持っている。
このため、サリーは「タクティクスオウガ」のように二択を迫られることになる。
③9巻でようやくミコトの過去が描かれる
・先代の吉備津彦尊は、鬼となったミコトの父を殺し、ミコトを引き取った。ちなみにミコトも鬼である。
・人のために鬼を殺し過ぎた吉備津彦尊を「鬼神ノブレガ」が粛清する。
・吉備津彦尊の「桃」因子を受け継いだミコトは、「鬼神ノブレガ」を殺し、
さらに師の敵を討つため鬼を皆殺しにすることを決意する。
鬼サイドの説明
鬼は存在自体が人間を殺すべく作られている。寄生獣みたいな存在
存在自体が人間との共存が不可能(だと少なくとも鬼は思っている)。
①爺鬼
1話で登場。サリーの故郷アルダイク王国を襲っていた。
キビツミコトにほろぼされた鬼たちを尻目に一人だけ生き延びる。
なお、9巻の過去編でも登場しており、そこそこえらい鬼なのかもしれない。
②セイウチの鬼・セト
眼鬼とともにリムダール王国を襲った。サリーに戦いを挑み死亡
③仙道使いの鬼・眼鬼(キャロット)
セトとともにリムダール王国を襲うがキビツミコトと遭遇してしまい惨敗。
角と瞳を失い人間並みの弱さにされる。全てを失って殺されるのを待つだけだったがサリーに救われる。
サリーの語る「鬼と人との間を取り持つ」という理想に期待を抱くもかなり厳しい目でその理想をチェックしている。
サリーに対してはやたら厳しいが、フラウのことは大好き。
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④リムダール王国を滅ぼした鬼・蒼面鬼
いかにも強そうな見た目だが、それほどではないらしい。
キビツミコトに不用意に近づいて首をはねられるも救出され、その後は首だけ状態でおもちゃにされている。
⑤「1位」の命令でサリーを監視している鬼・皇鬼
延々とサリーにいろんな鬼をけしかけて「試し」行為を行ってくる超悪質なストーカー。
ランス6におけるアベルトみたいな性格。こいつのせいでサリーは一か所に安住することができない。
共存派の名乗りながら、共存派の鬼を殺そうと暗躍する。
⑥封印されていた鬼・樹鬼
チュートリアル的なキャラで、この世界における「鬼」と「人」と「桃」の関係について説明した後
お前の役目は終わりだと言わんばかりにサリーに瞬殺される。
⑦樹鬼の封印を解きに来た鬼・髪鬼(シスターミリアともよばれていた)
この鬼だけが中位レベルの鬼。
サリーに敗北してた後命からがら逃げのびるが、何かのショックで記憶喪失に。
その後生き延びるために自ら角を折り、キビツミコトに保護される。
⑧吸血鬼
正体を隠して人間に恋したが、ある日本能が暴走して恋人を殺害してしまった哀しき鬼。
襲い掛かってきたフラウを返り討ちにして殺害するが、本性をあらわにしたフラウに瞬殺される。
なお、もともとは皇鬼と仲が良かったらしい。
⑨轟鬼・伸鬼・惰眠鬼・バスゥ
元々眼鬼(キャロット)と仲が良かった鬼たち。
・轟鬼はキャロットのことが好きだったが、皇鬼に騙されて眼鬼の仇として桃太郎を殺すために街を襲撃
→誤解が解けて和解状態になるが、皇鬼に殺される。
・伸鬼はそれほど人間のことが嫌いではなかったが、容姿からか人間の仲間にはなれないとあきらめていた。キャロットが人間の仲間になったことで他の仲間も人間の仲間にとられるのではと恐れてひそかにキャロットを殺そうとしたが返り討ちにあう。
⑩遊鬼・小小鬼
サリーに何度でもタイマンを挑んでくるヒシアマゾンみたいな鬼。特に人間に恨みもないが、目立ちたがり。
目立つために「鬼と人の共存を説く鬼」としてふるまうことになる。
⑪未鬼(未来が見える鬼?)
高鬼序列1位の鬼。
おそらくDIes Iraeと同じく「一人だけ繰り返し」させられてる感じ。
皇鬼同様に、ループしている世界を破壊するのが目的と思われる。
鬼の上に「鬼神」が存在する=これがようやく「魔人」ランク
①ジュセリノ =蒼面鬼の親
鬼の種類を考えると、こういう「鬼神」は複数存在することになりますね。
フラウの正体とは?
このキャラ、何気に一人だけ別の軸で戦っており、このキャラクターが存在するせいで物語が無駄にややこしくなっている。
(7巻~8巻でフラウの過去が一気に描かれる)
作者さんとしては、人・魔物だけの二項対立で終わらせたくなかったんだろうな……。
①フラウさんは300年以上生きてる。もともとは兎人ではなく天使。
ハガレンに出てくるホムンクルスのような存在?
②魔王「クォーヴ」と親友だったが、彼が「キャルロット」を殺したことで関係決裂。
フラウはクォーヴを殺し、その魂を自分の身体に取り込んだ
③アトラというツンデレ同僚がいる
9巻までは「キャラ紹介と導入編」にすぎない。10巻からはこの物語の本番
10巻から始まる「レジュディア」編からが面白いのでがんばってここまで読み進めてほしいけど……厳しいよねー。
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