なんだかんだ言って竜騎士07さん仕事途切れないなあ……。
先日に「幻想牢獄のカレイドスコープ」をプレイしてこちらが面白かったので、Keyから発売されてる「LOOPERS」もプレイしてみました。
シナリオはすっげえベタベタな青春ラノベだけど、絵と音楽と声優さんの演技はめちゃくちゃよかった!
Keyから発売されている作品。プレイ時間は7時間くらいで値段は1980円。
タイラはジオハンティング(GPS宝探し)に熱中する高校生。
夏休みのある日友人らとゲームに興じていると、不可解な体験に巻き込まれる。
交錯する現実と幻。狂気に陥る思考。明日が今日になる。彼らは『時の渦』に呑み込まれ、今日という一日を無限にループする運命に囚われてしまう。
そこで出会うのは、同じく“ルーパー”である少年少女たち。
リーダーのサイモン、そして謎めいた雰囲気の少女ミア。
共に力を合わせ、永遠に続く牢獄から抜け出そうとするが――。
絵はめちゃくちゃきれいだったし音楽もきれいでした。
シナリオは「東京クロノス」や「コーヒームーン」に類似した設定。「宝さがし」というテーマでチームが結束する。
作品設定は凄くシンプル。
主人公をはじめとした7人が「8月1日」に閉じ込められてエンドレスエイトをやるというだけのお話。
「東京クロノス」や「コーヒームーン」「ミサイルトプランクトン」などと同じような設定ですね。
ぶっちゃけ、テーマとしてはかなり使い古された内容となっています。
この作品では1日という短い時間を繰り返すため、変化がない日常の繰り返しとなる。
この日常生活で、どんどんメンバーの精神が摩耗し、心が折れたものから昏睡状態になってしまっていた。
「宝探し」がこの作品のメインテーマ
その魂の疲弊状態を乗り切るために、後からループに参加した主人公であるタイラは「宝さがし」という遊びを提案する。この「宝さがし」を通じて、みんな日常を楽しむ術を身に着け、みんなで協力して、長時間のループを乗り切ることに成功する。
なお、本作品はこのループからの脱出がゴールではない。ループ自体は中盤くらいで脱出できる。しかし、7人の中に一人ループを引き起こした人間がいて、その人間だけがループの中に取り残される。その一人を救うためにみんなで力を合わせるというところが本作のテーマになっている。
ボリュームを考慮したせいか、ほとんどひねりのないめちゃくちゃシンプルな物語になっている。
「ひぐらしのなく頃に」の皆殺し編や祭囃子編のようにみんなで力を合わせて一つの局面を乗り切るっていう展開が好きな人なら本作品も同じように楽しめるだろう。逆にいうと、「いつもの竜騎士07作品」という感じで、デジャブ感が強い作品でもある。
正直ボリュームを考えると仕方ないが、竜騎士07作品を過去にプレイしている人からすると少し物足りない。逆に、竜騎士07作品未プレイの人にとっては、エッセンシャル版という感じで入門編としてとてもお勧めできる。
カイジの鉄骨渡り編かな?
「宝さがしは、見つけても見つけられなくても、その過程を楽しめばいい。
それだけが心理だと思い込んでたから、一番大切な宝物を見つけられなかった。
〇〇は、俺の宝物になりたいと、あんなにもはっきりと言ってくれていたのに。宝さがしバカを自称しておきながら、手を伸ばせば届いたはずの宝物を」
「一度、膝を地につけなければ見つからない宝物だってあっただろう?
酷に聞こえるかもしれないが、このような状況に身を置けたからこそ
君は、自分の宝物をようやく見つけられたのだよ。」
やはり7時間程度だとキャラクターの掘り下げはそれほどできなかったかな……という印象がある
シナリオについては悪くはなかったけれどやはり少し物足りなかったかなという気持ちもあります。
キャラクターはたくさんいて、
みんなで力を合わせて問題を解決するというストーリーなのだけれど、
ぶっちゃけキャラクター描写の掘り下げはそんなにされなかった印象がある。
主人公であるタイラくんはめちゃくちゃいい男。
単なる能天気馬鹿じゃなくて、めちゃくちゃ心遣いができる人間だ。
ヒルダちゃんはすっごいバカだけどめちゃくちゃいい子ですごく好き。なんといっても声の演技がよかった。(河野ひよりさんって声優さんです)
メインヒロインのミアもとても可愛いし、タイラとミアの恋愛ストーリーはベタベタだけとグッとくるものがありました。
ただ、他のキャラクターはかなり薄味だなと思った。
あくまで主人公であるタイラとミアの物語を助けるためのサポーターという感じ。
カイとクロに至っては、立ち絵すらないしねw
とはいえ、ラノベならこのくらいで十分なような気もする。
エロゲとか、ペルソナ基準で考えると物足りなく感じるけれど、これは私がエロゲ脳ってことなんだろうな。
この作品をフルプライスでやると「リトルバスターズ!」や「ハピメア」になるんだろうなと思います。
やっぱりこうして考えると、ノベルゲームってどんだけ長いとか言われようとも、ボリュームを圧縮することは難しいのかなと思ったり思わなかったり。最適解としては、「9」シリーズのように分割していくのがいいと思うわ。
フルプライスのエロゲばかりやってきた人間としては、廉価版のノベルゲームではやはり満足しきれないという問題がどうしてもある
うーん。でもやっぱり廉価盤のノベルゲームは「お手軽ではあるけれどそれなり」という評価を越えるのが難しいなと感じますね。1980円という値段を考えたら十分満足なんですが、やはりフルプライスのノベルゲーの感動と比べると全然足りない。
「お手軽さとコスパ」を取るか、たとえお金と時間がかかるとしても「感動」を取るか、難しいところだなと思いました。ユーザーとしては20時間くらいで逆転裁判並みに感動させてくれる作品が4800円~5800円くらいで出るのが一番理想なんですが、製作体制やマーケティングを考えた時にそれが一番難しいというジレンマ……。
今のところ廉価版のノベルゲームで、フルプライスにも負けないクオリティだと思ったのはATRIだけですね。ATRIだけは2200円の作品とは思えないくらいのボリューム(13時間程度)と深い掘り下げが両立しており本当に満足できる作品でした。
おまけ
久々に「東京クロノス」の記事を見返してたら、新作出てたわ。
これは絶対やらねば。
「東京クロノス」は今から見返すとまだまだだったかもしれないけれど、当時プレイした時は本当に感動したんだよね。あれからどのように進化したのか確認したい。