この作品はじっくり読み進めたいのでだいたい2~3巻ごとに感想を書いていきます。
前回の感想はこちら。
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ハーレムゲーなんだけれど、どれを選んでもDEADENDかBADENDという詰みゲー
いい感じでドロドロの関係になってまいりました。
レイジくんは長年の抑圧のせいで心がマヒしており
「この町を出たい。出られないならこの人生を終わりにしたい。
この袋小路を助けてくれるならだれでもいい。
ただ、チャコのことだけはたいせつだから守りたい。」
という感じの主体性が弱い人間なのですが、それを取り巻くハーレムが凄いことになっています。
・ナギ →似非森意外と心中したい。レイジとは一緒に心中してほしい。
・チャコ→この町を出たい。レイジが好き
・峰岸玄→レイジは俺のもの。町から逃がさない。(実はレイジに償いたい)
・柴沢由里→レイジくんを推してるだけで幸せ。レイジくんにすべて捧げたいお姉さん。
・黒瀬夕子→もう限界。レイジに助けてほしい……。レイジが死ぬなら自分も連れて行ってほしい。
(似非森とか言う名の野添アキラくん(旧姓は滝藤)→レイジくんの母親のことが忘れられないのでレイジにちょっかい出す)
と、いうわけで。
似非森を除いて5人中3人が心中コースでDEADEND。
玄を選ぶと一生町の中で飼い殺しでBADEND。
チャコを選ぶと町を出られる可能性があるが家族全員を見捨てる罪悪感でBADEND。
言い感じで詰んでますね。
レイジくんの決断は……
チャコルートを進みつつ、母と心中するルートを選んだようです。
しかし、残念ながら、チャコももうレイジなしでは自分を保てなくなっていたので
「チャコだけはキレイなまま東京に送り出す」という目的で自分を保つことも難しくなってくる。
レイジくんは自分で自分を律することができてないけれど、チャコが本当に頼もしい。チャコがギリギリのところで線を引いてくれたおかげで何とか全ルート詰みが回避される。……まぁでも、レイジくんはチャコにだけは救いを求められないんだけれどね(他の人には平気ですがるけど)。
いよいよ共通ルートが終わって、個別ルートに入ったか!?
あまりにも空気がよどんでるのでこの先どうやって展開するんだろうと思ってたら
青江ナギが芸能界することになり、それをきっかけにしてレイジくんは、初心に戻る。
同時に、由里ルートは閉鎖。チャコルートもレイジの知らないところで絶望的になってくる…。
……何この展開素晴らしい。まじで「エロゲやってて共通ルートから個別ルート入った瞬間」がはっきりとわかるような感覚を味わったんだけど
今回読んだ範囲までだと、物語中でレイジくんに提示された選択肢はどれもダンゴムシ状態でした。どれ選んでも強制された選択肢の中から仕方なく選ばされるだけの妥協の産物であり、消化不良のつまらん結末になってしまうのではと危惧していました。
でも、あえて微妙な選択肢を全て並べてみせて、「どれ選んでも微妙じゃん」と読者にもそう思わせおいて、そこから「青江ナギ」という強烈な誘惑がレイジ君に突き刺さる展開に。26話~43話あたりまでの展開はあくまでも「溜め」だったわけですね。
本当に演出が素晴らしい。この先の展開が俄然楽しみになってまいりました!
蛇足
ふざけんな。なんでいつも私は部外者なんだ。
そのくせあたしのこと勝手に決めて。
もう蚊帳の外はいやだ
どんなに傷ついてもめちゃくちゃになっても
私は当事者になりたい
チャコさんは本当にいいキャラだと思う。すごい良いメッセージだと思います。フェミニズムがネットで敷衍する際に失った大切なものってこれだと思う。はてブフェミどもとかネトフェミがなぜカスかというと当事者意識のないで正義のふりをしてわがまま語ってるだけだからだと思う。
私は特別じゃなくていいの
ただ、私にとってあなたは特別なの
一緒に堕ちて、そして一緒に這い上がってあげる。
そしていつか手放してあげるから
柴ちゃん先生は本当に人生をかけて推し活してるなあ……。アイドルってこういう重たい愛に囲まれてるんだろうから本当にしんどい職業だよね。
それにしても柴ちゃん先生不憫すぎる。作品内での役割がチャコに対するお邪魔虫だけになってしまったのいくらなんでも可哀想。明らかに人数増やし過ぎたから早々にお役御免って感じで切り捨てられてるよね……。
エロゲなら柴ちゃん先生ルートもありえたはずなんだ。彼女なりの論理でもっとレイジくんに迫れる展開だってあり得たはずなのに……。