頭の上にミカンをのせる

実を言うとこのブログはもうだめです。こんなこと言ってごめんね。でも本当です。少しだけ間をおいて終わりがきます。

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岸田首相あたりがなんかゴニョゴニョ言ってる「配当減らして給料増やせ」は1年単位でみれば正しいかもしれないけど長期で見たら論外だと思う

給与を上げたければ「配当と関係なく」労働に見合う報酬を出すべきという話をするべきですよね。
「今年こんだけ配当出してるんだから給与上げられるだろ」というのは論点がずれてますよというお話。


この件に関する議論では「配当性向」という言葉を知ってない人はそもそも配当の仕組みを理解してないので議論の土俵に立つ以前の問題だと思います。





配当と給与は同じパイの中に入れてはいけない。それはかえって労働者保護が弱くなる

もし給与と配当の原資を全く同じ籠のなかに入れるとどうなるか。
「業績がよかった時に配当を出すのをやめて社員の給与を増やせ」がありならば「業績が悪かった時に社員の給与を減らせ」が成り立ってしまます。

なので
①「これだけの給料で社員を雇って、こういう事業をやって、これだけの利益を出す計画です」
②「利益の中から税金を支払い終わって残った額の内、●●パーセントは配当にします」
というのは別々に管理されている必要があります。

そして①においては支払いの給与は「業績が悪かったから今年はカットするね」みたいな理由で不当に下げることを許さないよう法律で守ります。(ボーナスは抜け道です)
これによって従業員は、突然の賃下げの不利益を受けないように守られているわけですね。

roudou.nishifuna-law.com


実際、会計の猊下計算において従業員に対する給料の支払いは最優先の項目となっています。わざわざ分けて保護してるわけです。

売上から、売上原価となる給料、そのほか売上原価となるものを引けば、売上総利益です。
売上総利益からさらに販売費及び一般管理費となる給料、そのほか販売費及び一般管理費となるものを引けば、営業利益です。

このように①と②は分かれてるので、配当額減らせという話になっても企業の内部留保が増えるだけです。内部留保課税も一緒にやるのでなければ、配当を減らせせといっても給与上昇につながりにくいです。原資は増えるので良心的な経営者ならやるかもしれませんが、まあ勝手に岸田さんが勘違いして②をイジッただけなので、企業側に給与を増やすインセンティブはありません。むしろその内部留保は企業としての投資に回されることになると思います。

同様に「法人税を下げれば企業の負担が減って社員はもっと給料を増やすだろう」というのはあまり成り立たないことがわかります。それは②の話になるので単に最終利益増える → 配当が増えるだけです。


政策の関与で給与増やしたいなら「①にあたる部分で企業の負担を減らす」か「資金調達コストなどを下げることで企業業績を向上させる」ことが大事になります

その手段として求めらえるのが「持続的なインフレ」と「社会保障」の負担を下げることです。このどちらかです。そして、それを拒否し続けてきたのは、今一生懸命投資家を批判してる私たち国民なわけですよ。常に他人のせいにして、自分で自分の首を絞め続けてきたんですよこの国の人間は。




①従業員の給料上げたければ消費者がいまよりお金を多めに払うのが一番早いです。あるいは商品をグローバルに展開するなどして規模を拡大するかですね

そうすれば、その企業は売上を伸ばすことができるので、社員を増やすために給料を高く払うようになります。アメリカの企業はそうなってますし、「BtoB」でちゃんと生み出した付加価値に対してそれだけの対価を請求できる企業は今でも高成長を維持しており社員の給料も高いです。狭い世界の話ですが、私がよく取り上げている同人作家絵師さんなどは昔では考えられないくらい収入が増えています。「配当云々」よりも「客がその商品に高い値段を払うようになること」が一番手っ取り早いんですよ。業種にもよりますが、商品価格1%上げて消費量が下がらないのであれば、それだけで社員の給与を何パーセント分UPにつながります。
この国の給与がずっと上がらないのはずっと低金利でデフレが続いててそのせいで売り上げが伸びないから投資環境も良くならなくてという悪循環がずっと続いてるからです。私含めて、消費者がインフレをずっと嫌い続けた結果、ついに企業側がコストカットで頑張るしかなくなってしまったからです。



②あるいは業が負担する社会保障の費用をカットすることです。
これができたら苦労しないでしょ。でもアメリカとかはやってるんですよ。みんな大好き北欧諸国だって、社会保障の費用は「消費税」で賄ってるのは有名な話ですよね。日本は、社会保障の負担を企業に押し付けすぎてるんですよ。



③ここまで把握できてる人であれば「内部留保」に関する議論もミスリードが多いのはわかると思います。

大事なのはストックである内部留保じゃないんですよ。年間に生み出せる利益額が増えるかどうか。日本の大企業は一部を除いて成長がない状態で、それでも利益はコツコツ出し続けてるから類型としての内部留保はそりゃ溜まっていきますよ。でも、大事なのは「従業員一人当たりの売上高」が上がっていくことです。そこが上がっていかなければ給与を上げられるわけないでしょ。別に数年だけボーナスって形で払うこと自体はできるかもしれません。
でも「従業員一人当たりの売上高」が上がってないのに給与上げたらどうなると思います。会社の持続可能性的にダメでしょ。実際のところ、企業の内部留保の多くは「リストラ」時に費やされてます。早期退職制度で退職者にたくさんのお金払うとか事業自体をたたむとかのやつです。そこのリストラがすっきり終わって高齢者が片付いたうえで「従業員一人当たりの売上高」が維持できてる企業は言わずとも給与上げ始めてますよ。「悪い奴が従業員から搾取して不当に金を溜めこんでる」「その金は投資家が吸い上げている」みたいな陰謀論を信じるのは青二才さんだけでいいです。


そもそも、株式市場の仕組みが分かっているんでしょうかというところからすでに不安がある

企業が支払わなければいけないものが「給与」と「配当」だけと思っているのかというと違いますよね。

まっとうな企業であれば給料は「当然約束したものを約束通り支払うべき」ものであり、実質的には機械設備と同様に「固定費」に近い扱いとなっています。これに対して、利益の中から新しい設備や事業機会に対して投資をしていく必要があります。広告やビルの賃料などなどです。上場企業になると借入金がある会社も多いでしょうから、利子の支払いも重要になってきます。こういう時に「直接金融」という形で投資家・出資者から直接資金を提供してもらい、事業の成長速度にブーストをかけるのが株式会社の仕組みとなっています。投資家は、その事業が成功しなかったら投資した資金がマイナスになるリスクを背負っています。これに対して、企業は利益が出たら配当という形でお返ししますねという話をしてるわけです。当たり前ですが、「長期投資家ほど長期的には投資したお金以上のリターンが得られる」ことを求めます。慈善事業でやってるんじゃないんだから。


前原さんと岸田さんの議論で一番やばいと思ったところ

前原さんは「資金流入額よりも資金流出額の方が大きい」ことをさも問題であるかのように語っていますが、株式市場の仕組みを考えたら「むしろそうでないとおかしい」に決まってるわけで、何を言っとるんだお前はって話なんですよね。

前原さんは企業の成長を全く考慮に入れてない。投資について論じる際にこんなばかげた前提がありますか。前原さんは、最初100の規模の企業に10投資して、その会社がずっと成長せず100の中から2ずつ配当を出すみたいな議論をしています。実際は、孫さんがアリババに投資したように、最初100の時点であった企業に10投資していた結果その企業が1000とか10000になって、その中から配当を出すことがあるわけです。それが株式市場というものの目指すところであり実際アメリカ株に投資してる人はそれを期待してるわけですよね?


というか配当減らして投資家が去っていき、株価が下がるだけなら、もう株式市場に上場してる意味がないしとっととMBOやTOBで上場廃止するでしょ

当たり前ですが、全くこれっぽっちも成長してない企業が延々と利益の2割とか3割に当たる配当を出し続けるのはちょっとどうかと思うし実際日本ではそういう企業がたくさんあるわけですがそういう企業は、配当を出したくないなら上場するのをやめたらいいだけの話です。というか、前々からその問題は指摘されており、コロナ前からすでにスチュワードシップ・コードという形で特に成長もしないで配当だけ出し続けてるような親子上場企業はさっさと整理しなさいと政府が言ってました。コロナを契機としてジワジワとその動きも進んでます。



議論の前提に立つまでの前提知識が多いので、よくわからん人でしゃべってる人はとりあえずちゃんと勉強してほしい

他にも「日本だけそうやったところで海外の人は知らんがな、なんだけど大丈夫ですか?」とか「そもそもその議論はいまするべき話じゃないだろ」とか他にもツッコミたいところが山ほどあるわけですが、話がすっかり散らかってしまったので、もうこのくらいにします。

この話ちゃんとやるなら、一つ一つの項目に切り分けて丁寧にやっていかないといけないだろうけどそこまでやる気はしない。第一誰も「理解したい」わけじゃないんでしょ。 誰か自分以外のものを悪者にして安心したいだけの人にどれだけ丁寧に説明したところで耳を傾けてくれるとも思えない。この問題に関しては興味がある人とそうでない人の知識ギャップが大きすぎて最初から「議論」が成立しない。そもそも岸田さんはご本人の中にきちんとしたビジョンが存在しないとしか思えないので、どうせ現実にすぐに打倒されると思います。

全部わかってはいたんだけど、ついかっとなって6000字くらい書いたことによってある程度自分の中で目次的なものはできたかなと思うので気が向いたらnoteの方で一つずつ丁寧にまとめてみようかなと思います。