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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「タコピーの原罪」は「ピングドラムというジャンル」の作品だったね、というお話

お気に入り度★(お薦め度★★★)



「タコピーの原罪」終わりましたね。

作者さん、ものすごいプレッシャーだったかと思いますが最後まで完走ということでお疲れ様でございました。

途中の壮大な世界への期待を考えると、終わり方は「等身大の小学生っぽい日常」というゴールというこじんまりした着地点に落とし込まれてましたね。

個人的にはむしろこれでよかったと思います。

私のように「日常系でもバッドエンドの光景を幻視してしまう」くらいバッドエンドを見るのが好きな人間にとってはちょっと物足りななかったですが

今までの作者さんの読み切り作品を見てると、やはり作者の人が描きたいのはこういうことなのかなってちょっと思ったりしました。



賛否両論とは言うものの、おそらくですが、麻枝准脚本のアニメ作品ほど批が多いということはないと思います。


「タコピーの原罪」を読んで、ピングドラムを見返したくなった人は結構多いんじゃないかな。

作者さんはピングドラムとかじゃなくて重松清さんに強い影響を受けてるってインタビューで答えてましたね。

「目立たないところで物事を支えたり解決したりする」存在が好きなんだろうな……。












なお、イクニファンからするとピングドラムだけでは片手落ちであり、「さらざんまい」を経たうえで今度劇場版が放映されるらしいので見とけよ見とけよってことらしい

やはりイクニファンは考察スキーというか、倫理について論じるの好きよな。





まぁ私は漠然とピングドラムのことを連想した程度で、ピングドラムのことなんて全然理解できてないし、百合熊嵐とかさらざんまいも正直もう内容をあんまり覚えてない。あらためてちゃんと見返したいなあ。

ちなみに、私はピングドラムもそうだけど「赫炎のインガノック」を思い出したかな。

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このゲームの「死の舞踏」って曲がめちゃくちゃ好きでございましてみんなもぜひ聞いてくれー。















以下はおまけ。

私はタコピーの原罪はあまり好きな作品ではなかった。でも、最後まで緩むことなく面白いと思える作品だった。

「無力だった子供時代」へのノスタルジーみたいなものを刺激的な形で描こうとした作品というアングル

私はこのジャンルはめちゃくちゃ好きで、何度も「やさしいセカイのつくりかた」という作品をお勧めしてきたのだけれど

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基本的に「毒親」に対して主人公が小学生の場合はだいたいタコピーみたいなはなしになりがち

それをフィクションの力を使って何とかしようとすると「天気の子」とか「タコピーの原罪」みたいなお話になる。

一方で、「特別なことが起きなかった」物語を描こうとすると「聲の形」とか「神様がうそをつく」みたいな作品になる。*1

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どっちがいいという話じゃなくて、「神様がうそをつく」をベースとして自分はどっちが好きか、を考えればいいと思う。

私は「神様がうそをつく」とか「ココロコネクト」みたいな救いきれないものを描いた作品の方が好みではある。

主人公が高校生くらいになると、超常現象がなくても希望を描くことが可能になってくる

「神様がうそをつく」の作者が、高校生の主人公で「金のひつじ」を書いてくれた時には、すごくうれしい気持ちになった。

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結局のところ、子供たちの物語において、子供たちだけで困難を乗り越えるのはかなり難しく小中学生であればまともな大人がどうしても必要になる。

そして、それが困難である場合、なんらかの「フィクション」の力が必要になってくる。






当人たちだけでは「苛酷」を乗り越えられない場合、フィクションの力で救済されることになるが、その場合「何かを代償」とする物語類型がある

①一番気持ちがいいのは「鋼の錬金術師」のようなビルドゥングスロマンだ。

特に最初のアニメ版が顕著だが「成長のための努力」を対価として払うことができれば、

それまで取り立ての猶予を与えられる物語であれば、とても読んでて気持ちがいいストーリーになる。



②しかし、そういう物語ばかりではない。

直近に破滅が差し迫っており、今すぐ対価を支払う必要があるが、その対価を自分たちだけでは支払えない。

そういう時によく出てくるのが「若い命を自己犠牲とする」というタイプである。

現実では意味がないが、フィクションの場合は若い命にはとても高い価値が設定されているので、

後は、苛酷を乗り越えるための手段を適切に選択できればギリギリ大切なものを生かす道が生まれる。




③3つめの選択として、世界はどうか知らんけど日本で一時期とても人気が出たのが「ループもの」である。

破滅の時間を先送りにし、限られた舞台のなかで繰り返しの物語を何度も体験することで

主人公が「H×H」のゴンさんのように成長して何とか問題を乗り越える力を身に着けるというものだ。

エヴァやエロゲではかなり早い段階からヒット作が出ていたが、「ひぐらしのなく頃に」あたりで一般の人でもわかりやすく受け入れられるようになった感じがある。

ちょうど自分がこの頃エロゲオタだったのでループものはどうしてもひいき目に見てしまうが、よくよく考えるとズルいよね。


タコピーは、ピングドラム型だと思ってたけど、③のループものというほどでもなくピングドラムほど②を突き詰めた作品でもなかったなあという印象

私も含めて「原罪」というタイトルの時点でピングドラムを想定している人が多かったと思うけれど、

あくまでも「タコピーの」原罪ということで、タコピーに多くを引き取らせてしまった感じがあるよね。

正直、タコピーという存在の持つ生存権とかがないがしろにされている気がして私はそこがあまり好きじゃない。

タコピーは見た目の通り最初から人間としては扱われてなかったし、明らかにタコピーが悪いよ、タコピーが……という方向に話を積み重ねていってたのでまぁそうなるかなと思ったけど

「タコピー」の物語を描くつもりは最初からあまりなかったのかなと思ってしまう。

そのあたりを丁寧にやろうとするとやっぱり「僕の地球を守って」シリーズとか、「ピングドラム」のような尺が必要になるのかな。よくわからんけど。

*1:余談ですが「ズイショ」さんが喝破したように、「聲の形」は単なる子供の間のいじめの話ではない。まともな大人が存在しない世界で子供がどう生きるかという問いかけがベースにある。いじめっ子が安易に許されることが許せねえとか言ってる人は、「好き嫌い」以上のことをしゃべるべきじゃないと思う。そういう能力が足りてない人がしたり顔で作品語りをするのは迷惑以外の何物でもない。というか別にそういう能力があってもよく作品を頭ごなしに否定とかよくできるなあと感じてしまう。私は自分の解釈ごときで作品を否定できるほど自分に自信がないのですごいなーって思う。