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「月曜日のたわわ」 少なくとも作品内で「性的な虐待」はなかった。治部れんげ先生はちゃんと読まずに批判したのではないか?

月曜日のたわわについて、今回のハフィントンポストの記事で治部れんげ先生は明確に「作品内で女子高生への性的な虐待」と批判されていました。

広告は女子高生のイラストをあえて用いることで、作品が発信しているメッセージを確信犯的に、大々的に伝えています。作品で起きているのは、女子高生への性的な虐待。男性による未成年の少女への性暴力や性加害そのものを日経新聞が肯定する構図です

この表現やばない?

どういう意図で発言したかしりませんが、ここまで断言してしまうと表現内容規制に踏み込んでいます。もうTpOだとかゾーニングのはなしですらなくストレートに作品内容を理由にした規制の話になります。

なので、今までは読む気がしなかったんですが確認のために読んでみました。


先に結論から書くとこの作品について「作品のメッセージは性的虐待」って書くのはちょっとひどいと思った

①キモくないかキモいかでいうと、「思ってた以上にキモかった」

4巻で作者が語っていますが作者の「巨乳大好き」と「おっさん好きな若い女性という関係性萌え」という二つの要素が合わさった結果「巨乳の女子高生は大人びているから同世代には惹かれず、安全な草食系のおっさんに魅力を感じるのだ」という設定になっており、これはマジできつい。


②ただし「性的かどうか」という点でいうと、思ってた以上に性的な感じは弱かった。確かにみんな巨乳ではあるけど、ただ巨乳というだけでありエロさはあまり感じなかった。何よりも性的虐待と受け取れる要素は全くなく、むしろそれをしっかり否定する内容だった(特に4巻)


③3巻からはストーリー的にも結構面白かった


という感じですね。

「性的な視線を向けること自体が虐待だ!」みたいな主張をする人は、あまりに言葉を恣意的に使いすぎているのですが、強い言葉を安易に使いすぎる人は、自分がその言葉で人を脅かしていることにもうちょっと自覚を持ったほうがいいと思います。この作品レベルで性的虐待といっていいなら、そういう批判をしてる人は名誉棄損や脅迫をしているという解釈だってできますよね。


1巻だけ読むとまじでキッツー☆ってなる

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序盤はとにかくクッソキモいです。特に1話は吐き気を催すレベル。これのせいでこの漫画今まで一切読む気がしなかったし、今回もここで投げ出しそうになりました

これについては1巻のあとがきにもあるように「ヤングマガジン」という雑誌の読者を相当に意識しておりTwitterとは明確に趣旨を変えてきているようだ。最初はこういうノリで行こうとしてたんだろうなあと。

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2巻まで我慢して読み進めると明らかに女性主体の漫画になっていく

アイちゃんは学校では優等生。
自分がほかの同級生から性的な目線で見られることについては自覚的でありちょっとでも勘違いされるようなことはしない。ガードがしっかり固い。というより、学校内ではガードを緩めることができないし自分の魅力に自覚的でありながら、その魅力を常に抑えるようふるまっている。

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それゆえに、まったく恋愛感情はないが「スケベだけど安全っぽいおっさん」相手に子どもっぽくいたずらをすることでストレスを発散してる感じ。 
同学年の男子は全く眼中になく、年上の社会人男性でようやく対等という関係性で描かれている。


ほかのキャラも大体同様。

本作品には4人の巨乳キャラが登場するが、どの関係性も女性側が主導権を持っているように描いている。

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男性は女性のための添え物として描かれている。


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特にキモイシーンとしてTwitterでも挙げられてるこのシーンもそう。

このシーンだけ見たときはまじで「キモ!死ね!」って思ったけど通しで見るとそこまで違和感はなかった。

このエピソードは3巻に載ってたのだけど、マラソン大会に関してアイちゃん側からさんざんマラソン大会で「乳が痛い」と自分でネタフリをしていたのが原因。まぁそれでも普通の人は絶対こんなセクハラ発言はしないだろうけども、さんざんアイちゃん側が煽ってるので通しで見ているとそこまで違和感はない。少なくとも現実で同じことするおっさんとは脅威度がまったく違う。


むしろセクハラ関係はほぼすべて同級生の女の子がやっており、男性から許可なく触ることは一切許していない。この描写をどうとらえるかは人によって分かれると思う。


本作品は4名の巨乳キャラがメインで描かれるが、アイちゃんはいうに及ばずほかの女性に関しても男側から迫るということは一切ない

「前髪ちゃん」は女生徒のほうから教師に迫るシナリオになっているが、このシナリオでは教師が「恋は雨上がりのように」と同様に女生徒ときっぱり線を引いている。

そういう意味で作中の男性はめちゃくちゃわきまえており、現実よりもむしろ厳しく己を律することを強いられている

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本作品は、男の妄想もありつつも、その手の話には厳しいラインを引いて男性側からJKに手をだすなど絶対に許されないということを明確に描いている。こういう作品をもって「性加害を助長する」という批判をするのはさすがに失礼だろう。


キモいことと性加害を助長するは全く別問題だ。本作品はエロゲ大好きな私でも相当キモいと思う。そしてそれは意図的に描いている。一方で性加害を助長する要素はこれまたかなり意識的に否定している。 この二つを混同しないように気を付けたい。キモイなら言っておみいが性加害を助長するという難癖はマジで訴えられても知らんぞ。


まぁいうても、卒業後に女性側から押し切られてチュンチュンしてるから微妙か……


それでも私がこの作品はやたらとキモく感じる理由

今まで述べてきたように、作中の男性と女性の関係性の描かれ方に、性差別を助長する要素はないといえる。

なんなら関係性は完全に女性優位である。

ただ、それでもやはりキモく感じる。

それは視点の問題だ。二人の関係だったら問題ないのだけれど、明らかにいくつかのシーンでは、意図的に第三者視点カメラで描かれていて、その描写がちょっと気になる。


たとえば、おっぱいを強調してようが、この視点であれば別に気にならない。
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これは作中の男性側から女性を見てる視点として普通なので。

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ただ、こうなるとかなりキモい。なんか「覗き」の視点に感じるからだ。

ほかの作品でも第三者視点カメラの描写とかは普通にあるんだけど、なんかこの作品は、「二人の関係性だからアリ」な描写が多いので、それを第三者視点しかも接写で描かれると、覗き見の上しかもかぶりつきで見てるみたいでうーん、ってなる。


とにかくこの接写ぶりはさすがにちょっと食傷気味になる。設定とか関係性じゃなくてやっぱり絵の力って強いなって思った。


なんだかんだ言って3巻まで読むとストーリー的にも面白かったし4巻も読もうかなって気持ちになった

面白くなかったら感想記事も書こうと思わなかったけど、3巻まで読んだら「ちゃんとマンガとして面白い」作品だと思った。もう感想は書かないと思うけど続きも一応読むと思います。



追記:4巻読んでみた。
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あ~~~なるほど。ちょっと3巻までの私の解釈間違ってたなぁ。

3巻までの内容だったらヤンマガは日経新聞に広告は出さなかっただろう。4巻の内容だから、あえて広告を出したんだ。予想される批判をすべて内容でひっくり返せる自信があるから。むしろ、たわわが今までどういう作品だとみられているかも十分理解したうえで、あえて挑発してるわけだ。なるほどなあ。

この表紙でこういう内容だとは思わんやろ……。