一定の条件を満たすのであれば地下猫先生の言ってることには異論はないです。ただし……
まず、すでにnoteにも書いた通り今回の件が二者間の契約・覚書によるものであり、アンステレオタイプアライアンス(以降USAと表記)の事務局が今回の広告について問い合わせをする法的根拠があるという主張には私も同意する。
日経新聞が共同設立者とかわした覚書に関して普通に信義則ルールの一つ「禁反言」に反していると主張することは十分に可能だ。
しかしそれが妥当かを判断するには覚書の内容を確認する必要がある。少なくとも表に出ている情報だけ見ると、USA側にも信義則違反、、、というか錯誤狙いではと言いたくなるような不可解な行動が多いので、今の時点でよくそんなに強気になれるなと思う。
USAの主張が正しい可能性は多分にあるが、覚書の内容の詳細もわからん時点で日経新聞が一方的に信義則違反を犯したと主張できるのが常識なのだろうか。私はそんな社会常識は知らないです。
特に地下猫さんがやべえって思った箇所
さすがに下記の記述はドン引きですわ……
「社会常識」について解説するという記事で見かけていい文章じゃねえぞこれ……
「ポジティブで深みのある広告を検討するための視点」の提示であってネガティブチェックではない、という石川氏の発言は広告に対する評価基準であって、加盟企業に対する評価基準ではないからだ。
そう断言できる理由はある。
前提にネガティブリストがある。そしてそのネガティブリストをパスした企業が会員になる。そうした企業の広告に対しては、ネガティブチェックを行わず、ポジティブな提案をする、ということだ。
言い方を変えよう。
ネガティブチェックはすでに終わっている(はず)なので、あとはポジティブな提案でいいですよね、という話なのである。「私たちのところは性差別なんてやらないと宣誓した立派な企業の集まりですから、ネガティブチェックなんていりません」という話なのだ。
いやいやいやいや。そんな「憶測」でしかない根拠で「断言」してええんか(よくない)
全然断言できる理由になってませんって!
なんじゃこの飛躍した理屈。 地下猫さん、契約実務やったことないんか?
会員規約または覚書に「3つのP」をネガティブチェックに使うって書いてないならネガティブチェックに使っちゃダメなのは当たり前でしょ。
言いたいことはわかるよ。覚書には対外的に掲げてる3つのPとは別の規約があって、それに基づいて日経新聞に問い合わせを行ってる可能性があるって。
でもさあ、少なくとも会員規約にはそのことは記載されてないし、覚書の内容は未確認の段階ですよね。
なのになんで地下猫さんが断言してるんですか。インサイダーか何かですか。
ワケガワカラナイヨ。
私はむしろこれ、なおさら「3Pはポジティブチェックにしか使わない」ってのが大前提だと思いました
今明確に示されているのは、ネガティブチェックは会員規約リストにある内容じゃないですか。ここが「足切りライン」「ネガティブチェックの明示」なわけじゃないですか。
地下猫さんが言ってる「覚書にあるはずの3つのPとは別のより厳重な規約」というのは、現時点では地下猫さんがそういうものがあってほしいという願望にすぎないわけじゃないですか。
3Pをネガティブチェックに使うっていうならそれは別途明示しておく必要があるに決まってんじゃん。まして3P以上に厳しいネガティブチェック項目があるのに、「3つのPはポジティブチェックのみです。ネガティブチェックには使ってません」って対外的に公表してるならそれこそ非常識でしょうが。
「常識的に」考えたら3つのPはネガティブチェックに活用できないし、まして地下猫さんが主張する「会員には3つのPより厳しいネガティブチェックの規約がある」なんてのは妄想としか思えませんけどね。どんだけ自分に都合よく文章を解釈してんだか。
このように地下猫さんは相当アレなこと言ってるんですけど、この地下猫さんの文章に乗っかって「これだから表現の自由戦士はwww」とか言ってるやつは、本当に文章をちゃんと読むってことができないんだな……。敵か味方かでしか思考ができてないでしょ。
地下猫さんの社会常識では契約ってのは後付けとか拡大解釈が認められることになってるみたいだけどそれじゃ契約の意味ないでしょうが。
さすがに無理があるって(苦笑)
私自身、ホームページ見た印象だと3Pによるポジティブチェックってのは
「特に素晴らしいものは国際広告祭への出展の仲介」などの方向ににかかってくるものだと思ったし。
普通に3つのPは当然、それより厳しいネガティブチェックがあるなどと想定する余地はないと思いますけどね。
というか、地下猫さんは、日経新聞がそんな厳しいネガティブチェックありの覚書を無条件で受け取るような集団だと思ってるんか。
それこそ「常識的に考えれば」リーガルチェックではじかれるに決まってんでしょう。
せいぜいあるとしても「USAは、USAが問題と感じたものについて日経新聞に対して任意に問い合わせすることができる」程度の権限だと思うよ。
後述しますが地下猫さんが「契約の話だ」で押し切ろうとするならたぶん余計に厳しいことになると思います。私は、今回の件は明確にUSA側が規約で認められてない行為をしてると思ってるので。
仮にUSA側が規約を守っている場合おそらく実際のアクションはかなり小さめで、それを大事に見せかけるためにハフィントンポストを使ったという感じになるし。むしろ「表現の自由の問題」にしておいたほうがいいくらいだと思うんですけどね。
地下猫さんの主張を全部否定したいわけではない。この部分の主張については一定の理解は示せる
アンステレオタイプアライアンスにおいて、日経は日本で唯一の創立メンバーである。ただの参加企業とはわけが違う。それを指摘しているのが「覚書」という語なのである。石川氏のインタビューで、規約と覚書の使い分けがされているのに、注意深い読者は気づいているだろう。
一般参加企業よりもはるかに厳しい「ネガティブリスト」が日経に課されていると考えるのが当然である。
冒頭で述べた通り、ちゃんと覚書でその記述があったならそれは契約にもどついてUSAがそういう問いあわせをすること自体は正しいと思いますよ。
でも、今の時点で覚書の文面を私たちは確認してないわけじゃないですか。 契約の話だというなら、なおさらちゃんと契約の内容確認したほうがよくないです? なんでそれ確認できないうちから「覚書のほうにはネガティブリストについての記述があるに決まってる」って断言してるんですか?
契約の文面に書いてるかどうかわからないことを「そうに違いない」と断言して
「覚書にはネガティブリストがありまぁす!」って主張するのが社会常識……?
ごめんなさい。私はそんな社会常識はちょっと聞いたことないです……。
私には、地下猫さんは「USAの行動は正しい」っていう結論が先にあってその結論に沿って足りないピースを憶測で補ってるようにしか見えないですねえ。
あとですね。二社間の契約という点を強調するするなら今度下記2点が問題になるわけですよ。
①
今回の件っていままでそういったものがスルーされていたのに今回もいきなりの告発なわけじゃないですか。
個別申し入れすらせずにハフポストを通して「性的虐待を容認・促進する」と事実に反する言いがかり書いてましたよね*1
②
さらにニ者間の覚書に基づいてUSAとして問い合わせをしたことをあえてぼかし
これまたハフポストに「国連」を強調してあたかも国連そのものから批判されたかのように報じさせてますよね。
こういう対応のどこが「常識」なんでしょうか。私はこれが常識とされる世界は怖い、、、
とにかく今回の問題は「二社間の契約による正当な申し入れだ」で終わらせるには、USA側の行動に不自然な点が多いと思いますけどね
二者間の契約と言うのであれば、最初からクローズドなやり取りが先行しているはずだが、初っ端からオープンな批判を行った点が疑問だ。話し合いが尽くされる前からハフポストに関係者がインタビューで登場して一方的に攻撃するのはこっちはこっちで信義則的にどうなんだとも言える。
しかもそのインタビューでは、二者間の契約問題だとわからないように書いてたよね。これは治部さんというよりはハフポストの記者が無能なだけの可能性もあるけど。はてブの反応を見ても初動でこの認識を持てた人がおらず、少なくともこの点を正確に伝えようという意思は認められない。
全体的に常識外のアクションが多いのだが、地下猫さんにおかれましてはこれが社会常識とおっしゃる。
地下猫さんは自分と意見が違う人に対して「社会常識」を解かれていますが、
まず自分の感覚におかしいところがないかネガティブチェックされたほうがよいではないでしょうか。
っていうか地下猫先生訂正してるのね……
「こうした考え方がまるで的はずれなものであると明白になった。」
「いずれもまるで論理の体をなしていない。」
とまでどや顔で言い切っておきながら、ちゃんと訂正できるとは思わなかった。この人ごめんなさいできる人なんだね。
地下猫先生の評価が自分の中で爆上がりしてる。
で。あとは蛇足
この先どうなるかだが、まず最初にこの団体と国連の立場の確認をすることになるだろう。
この団体の意思は国連の意思ということで良いのか。この団体を通じてしかジェンダー問題についてやり取りができないのか。などである。
個人的には国連とのラインが一つである必要は全く無いというかそれは危険なので、別のNPOも受け口として認められるべきだと思う。
しかし、もし国連との関係においてこの団体とのラインが必須だとすれば、現在の事務局の運営が適切かどうかも確認するだろう。そして「ステレオタイプのない世界」を目指すとしてもこの団体がポジティブチェックではなくネガティブチェック方式で運用されるという主張を強行されるのであればその際は従うか離脱するかを決めることになる。
今回の広告はもう掲載が終わっているので、ご意見は受け止めさせていただきますみたいな落とし所かで特に何もせず終わる可能性もあるが、この場合はマンガ関係の出稿は嫌がられることになるだろう。
USAが折れないのであれば、日経新聞さんが改めてファンヴンダーとして理念は同じだけれども運営方針だけが違う別のアライアンスを立ち上げる展開があっても良いと思う。
これは決しておかしなことではない。理念が正しくても方法がおかしな組織なんていくらでもある。運営がおかしくなったのであれば仕切り直しも必要だ。
彼が善良な市民を演じているだけの偽物かという件についてだが、これはどちらでもいい。
善良な市民を演じて我々をだましているならそれで結構。
死ぬまで演じきれるならそれは善良な市民と変わらない。
途中でぼろを出すならその時に改めて対応すればいい。
ただ、死ぬまで演じるくらいなら、本当に心から誠実になってしまったほうが楽で安全だとは言っておく。
*1:やっぱりやましかったのかしりませんが、本日ステルスで訂正されたようですね