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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「ワールドトリガー」16巻 ダブルマインド&ミスティフィケーションの回避方法

短いけれど面白い描写があった。


本作品は宇宙からやってくるネイバーと戦う「ボーダー」という組織を中心に描かれる。


そして、基本的に味方も敵もみんな無能な人がおらず(エネドラやレジーのように感情的なキャラは何人かいるが)みんなが十全に力を発揮して戦うという物語になっている。
そんな中、唯一「足を引っ張る存在」のような描かれ方をしているのが「マスコミ」である。


しかし、これはぶっちゃけフェアじゃない描き方なんですね。

この「ボーダー」の中と外で情報格差が著しく大きいし、ボーダーだけが強大な軍事力・テクノロジーを持っているというかなりいびつな世界設定になっています。

現実の世界においては、アメリカが核開発を行おうとしていたイランなどに対して明らかに内政干渉レベルの圧力を行っていたように
こんな組織が外部からの監視を受けずに運営できるはずがないのに、なぜかそれがまかり通っている。


しかし、だからこそ、外部の報道機関は「ボーダー」を厳しく監視するんですね。
あたりまえですよね。圧倒的な暴力を持ち、かつ情報公開に消極的な組織があったら怖いですから。
なので、少しでも不穏な動きがあったら糾弾してやる、くらいの姿勢です。






とはいえ、本作品は徹底的に「ボーダー」の中に閉じた視点で描かれるので、マスコミはすごく嫌な感じに描かれます。



例えば記者会見に臨んだボーダーの隊員に対してこういう質問を投げかけてきます。

「次に大規模なネイバーの襲撃があったら、街の人と自分の家族どっちを守りますか?


これに対して隊員は

それはもちろん家族です。家族を守るためにボーダーに入ったので。

と答えます。


これに対して新聞記者はさらに試すように意地悪な質問を重ねてきます。



これに対する回答がとてもいいなって思った。

家族が大丈夫だと確認出来たら、戦場に引き返して戦います。

家族をなくされたかたも、そうでない方も、ここにいる皆さんの家族も、この身がある限り全力で戦います。

その時に、仲間がいると心強いので、たくさんの人にボーダーを応援してもらえると嬉しいです。ご支援よろしくお願いします!

新聞記者としてはボーダーは「まず第一に市民を優先しろ」と圧力をかけた。「家族よりも大事」といわせようとした。
これに対して、言いなりになるのではなくて「あなたの質問はそもそも間違ってますよ」と面と向かって指摘せず、その二者択一を無効にした。
「家族を大切にすることと市民を守ることは対立するものではなくてむしろ同じ方向の話なんですよ」という話をした。



世の中にはこういうクソ二択を仕掛けてくる人がたくさんいます。

「家族と私とどっちが大事なの?」とつまるメンヘラ配偶者とか
「家庭と仕事とどっちが大事だと思ってるんだ」と迫るブラック上司とか
そもそも自分自身が「これが終わるまでこっちを楽しんではいけない」みたいな縛りを仕掛けてきます。

そういう時に、「その二者択一って本当に必要か?」ってのを問い直すのはすごく大事。

物事を処理していく際に「優先順位」をつけることは大事だけれど優劣をつけることは、片方を切り捨てることじゃないよってのを忘れないように気を付けたい。


蛇足

ところで、この新聞記者はわかっててやってると思いますが、今のインターネットだとこの手の意地悪質問を「あえて本音を引き出すため」ではなくて本気でいってる人いますよね。

「〇〇〇の広告をみて傷ついた人もいる。そういう言い方はないんじゃないかなあ」みたいな感じの発言。

これ、よほど恥知らずでなければよほどのアホかと思いますね。

これ「どっちも大事だから守りたい」「どっちも傷つけたくない」という人に対してそういう質問をしてるわけですよ。

そうでなければそもそもこういう質問をする意味がないですからね。最初から意地悪なんですね。

それがわかっていてあえて二者択一をせまってるんだからどっちを選んでも完璧な答えにはならない。それは質問する側が理解してないといけない。
にも拘わらず自分でいやがらせの質問をしておきながら、そのうえで片方の答えを選んだら「選ばれなかった方の気持ちを考えろ」とかキレる人というのがふつうにいます。

こういうのはジャーマンスープレックスをかけられても文句言えない。


これに対して、ワールドトリガーの回答は、この意地悪な質問を理解した上できっちりと打ち返していてとても素晴らしいなと思いました。