BL作家の星崎レオさんが、自分の作品が都条例によって不健全図書になったことを受けてTwitterで声明を出されていました。
@ecoyuri @konotarogomame
— 星崎レオ (@hoshizakileo) 2022年4月22日
今月、私のコミックスが都の不健全図書に指定されました。
私はかつてから不健全図書についての知識はあり、器具の使用や人格否定などの表現にも十分注意し、編集さんとの調整の末発行したものになります。
現状、不健全図書指定が一般の方にどう見られているかというと、【月ごとに一番エロい、または修正の薄いBLコミックスを選ぶだけの簡単なお仕事】ということです。
— 星崎レオ (@hoshizakileo) 2022年4月22日
明確な基準があるわけではないので、絶対的基準ではなく相対的基準で月1冊を決めていると思われます。
(つまりこのままいくと、全部のコマが白抜きのコミックスしか出せない時代が来るかもしれません)
— 星崎レオ (@hoshizakileo) 2022年4月22日
現状、BL漫画狙い撃ちかつ、毎月選定、各書店に葉書で通達するなど税金無駄遣い感が否めない部分もあります。
これは元々とある政治家さんが進めたこともあり、小説はどんなにエロかろうが対象外です。五輪も終わったのに惰性でやっているようにしか見えません。
— 星崎レオ (@hoshizakileo) 2022年4月22日
せめて明確な基準を設定していただければそれを守ることもできますが、現状では決定は全て選定委員の方の体感のようです。
指定された場合、紙コミックスが実質絶版となります。
— 星崎レオ (@hoshizakileo) 2022年4月22日
当然都内での取り扱いがなくなる(R18指定で扱ってくださる場合も一部あり)、Amazonでの取り扱いがなくなる、フリマアプリでの売買が制限される、など流通が制限された結果絶版となります。
作家が一年なり頑張って描いた漫画作品も、よくわからない理由で絶版です。
— 星崎レオ (@hoshizakileo) 2022年4月22日
※このツイートに関しては私個人の考えであり、発行元、編集部などコミックスに関わるあらゆる関係者様の意見ではありません。
こういった事を発信することで、面倒くさい作家だと思われて今後コミックスのお話がなくなることも考えられます。
— 星崎レオ (@hoshizakileo) 2022年4月23日
でも当事者でなければ言えない現状を読者さんにも知っていただくことができたとも思っています🙇♂️
スペースの録音はこちらからお聴きいただけます。とても勉強になります。 https://t.co/rMpvvtwoRh
— 星崎レオ (@hoshizakileo) 2022年4月23日
性犯罪者、とのご意見も頂戴しましたので重ねて申し上げますが、私はゾーニング(R18として販売すること)に反対派ではありません。
— 星崎レオ (@hoshizakileo) 2022年4月23日
ただ、現状の枠組みの中ではそれが非常に難しく(果たしてあの隔離された暖簾の中に女性が一人で入っていけるでしょうか?)
その代償として年十数冊という本が禁書扱いとなり、次第に表現の自由が奪われていくということこそが問題だと考えています。
— 星崎レオ (@hoshizakileo) 2022年4月23日
しかしこれはあくまで私個人の考えです。
とのことだったので実際に該当の作品を買って読んでみました。
結論から先に言うと
「これがゾーニングされてないのは問題ある」
「ただ、現状の不健全図書指定のルールは何の意味もないルールなので撤廃すべき」
「代わりにきちんとしたゾーニングのルール化が必要」という感じです。
ただし、決まったルールがないだけで、当たり前ですが実際の店舗ではすでに区分陳列されています。本屋に入って「いきなりBL作品が目に入って不快な思いをした」という人はあまりいないと思います。少なくとも私はそういう経験をしたことがありません。
www.tyoshiki.com
※TSU〇AYAなどがたまに人気BL作品を目立つところに配置することがあったくらいです。
基本的に新聞広告もそうですし、本屋の陳列でも、ラノベ表紙でも書店員さんは気を付けて陳列を行ってるんだよなあ……。インターネットだけで実物も見ないで騒いでる人ってのは本当に害悪でしかないなと思いますね。
星崎レオ先生の作品を購入するまでの流れ
DLSiteで購入してみたんですが、DLSiteは男性向けが明確に一般向けとR18を分けているのに対して、女性向けはそうなってません。
R18カテゴライズされていないため未成年でも見れる「乙女向け」という方をクリックするとトップページがこういう画面になります。
一方「ボーイズラブ」のほうはきちんと18歳以上ですか?という確認があります。法律上は18歳未満でも別にみていいはずなんですが、DLSiteさん側の自主的なゾーニングですね。
でも、こちらはアダルト作品ではないので18歳未満の人が買っても問題はないようです。
また、作品によっては法的拘束力はないものの自主的に18歳未満の方は買わないでねって商品に説明を入れているものもありました。
不健全図書に指定された星崎先生の作品「主任のエロさ、コンプラ違反です!」を実際に読んでみた感想
「ゴムいらない。中出しされないとイけないから」そう言って俺の上に跨る黒瀬さん、ほんとにあの真面目な主任なのか…!?--オープンゲイの桜木隼の日課はエロ系出会いアプリで男を探すこと。いつもの様に気軽そうな相手を探す中、マッチしたのは即ヤリ希望のエロそうなリーマン!早速ホテルで待ち合わせしたものの、そこにいたのは主任の黒瀬さんで…!?戸惑うのも束の間、普段は真面目な主任が色気ムンムン、さらには「中出しされないとイけない」なんて煽ってきて…エロ過ぎ!!!無我夢中でヤリまくってしまったが最後、心まで翻弄されてしまいーーーエロ過ぎる主任と遊び希望の部下、マッチ度200%な恋の行方は…!
1冊あたり27pで330円。200ページで2000円くらいするのか……たけえ……。
読んでみた感想として、BLとしてはめちゃくちゃマイルドな作品でした。
BL作品の人気作は結構鬼畜強姦みたいなやつが多いのですがそんななかで最初から最後までずっと純愛ものですね……
この作品だけが特別不健全図書に指定される理由は、確かに言う通り「相対評価」でしかないんだろうなと思いました。
とりあえず毎月数冊冊なんか「不健全図書」を指定するのが仕事。しかも特に根拠はない。んで、一度それを指定したらろくに議論もせずにそれを焚書する。焼かれる側の作者の気持ちは考えてない。そんな感じの運用。もちろん大義名分は「子供を守るため」なんだけどほんとはそこはどうでもよくて「仕事だからやってるだけ」みたいな感じが怖い。
なんかあれですね、「荒ぶる神様」がいてそいつは人間の理(法の支配)の外側にいるから会話ができず、一定期間ごとに数人の人柱とか生贄を求めて白羽の矢を立てるのでやむなくそれを捧げて鎮めることで平和を保つっていう中世の統治方法に似てる。
この手の「なにかを焼くことが存在意義」になってる組織や集団は土着の神みたいなものであり、殺すとタタリ神になるのでめっちゃタチ悪いですね……。
もののけ姫を見返したくなった。