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「リターン・トゥ・スペース」(前半) テスラCEOではなくスペースXのリーダーとしてのイーロン・マスクはやたら格好いいけど一方で恐ろしい存在でもある

映画とかNetflix関係の記事は、自分が見ながら取っているメモの垂れ流しなのであんまり気にしないでください。まぁそれ以外の記事も似たようなもんだし今更かもしれませんが。




先日見た「ドント・ルック・アップ」はなんというか子供だまし的というと語弊があるかもしれないけどおとぎ話要素が強すぎていまいちノリきれない作品でしたが、作品内では地球を滅ぼす悪の資本主義の親玉として「アップルとグーグルとFacebookの悪い面をごった煮にしたような存在」を戯画化してモデルにしていました。ただ、あの作品に「イーロン・マスク」的な存在がいたらどうだっただろう、みたいなことは考えてみると面白いかもと思いました。


イーロン・マスクの経歴について

ja.wikipedia.org

イーロン・マスクのWikipediaページは明らかにリベラル寄りの人が書いており、やたらとマスクの政治的姿勢について否定的なことを書いているのでいまいち信用できないのだが、少なくとも経歴は事実であろうという前提で引用する。

①1995年に高エネルギー物理学を学ぶためスタンフォード大学の大学院へ進むが、2日在籍しただけで退学し、弟のキンバル・マスクとともに、オンラインコンテンツ出版ソフトを提供するZip2社を起業する。この会社はのちにコンパック社のAltaVista部門に3億7百万ドルで買収され、マスクは2,200万ドル(約25億円)を手にした

②1999年にはオンライン金融サービスと電子メールによる支払いサービスを行うX.com社の共同設立者となる。X.com社は1年後にコンフィニティ社と合併し、これが2001年にPayPal社となる。同社は2002年にeBayに買収され、マスクは1億8000万ドル(約200億円)を手にした

③2002年に3つ目の会社として、宇宙輸送を可能にするロケットを製造開発するスペースX社を起業し、CEOならびにCTOに就任している。スペースX社は民間による宇宙旅行を実現するベンチャー企業として、世界中から大きな注目を集めた。(この時わずか31歳)

④2004年には前年に設立された電気自動車ベンチャーであるテスラ・モーターズ社に出資し、同社の資金調達ラウンドを主導して自身は会長に就任。2008年には同社の最初のモデル「テスラ・ロードスター」の市販車第一号「0001」を自ら所有する。同年10月には同社の第4代CEOに就任した

⑤2013年には時速約800マイル(時速約1,287キロメートル)の輸送機関ハイパーループ構想を明らかにした。

⑥2015年、人工知能(AI)研究の非営利団体OpenAIを設立。2021年8月に「AI Day」を開催し、スーパーコンピュータ「Dojo」のD1チップ、そして人型ロボット「Tesla Bot」の2つを発表した。2022年に完成予定としている。

⑦2016年、トンネル採掘会社であるボーリングカンパニー社およびブレイン・マシン・インタフェース企業のニューラリンク社を起業。

hypebeast.com



このうち、「リターン・トゥ・スペース」で描かれているのは③の部分。
これだけのことをやりながら、テスラを大成功させてるイーロン・マスクはマジで変態すぎるでしょ……。



民間資本での宇宙船打ち上げチャレンジ。失敗が許されるのは3度まで、しかし3度とも失敗してしまい絶体絶命に……

スペースX社の資金はすべてイーロン・マスクの個人資産。マスクには100億円以上の資金があったものの、それでもロケット開発には莫大なお金がかかる。

3回打ち上げに失敗したらそこで資金が尽きるとの計算で、それはスタッフとも共有されていた。

そのため、スタッフたちは慎重に慎重を重ねて設計を行い4年の年月をかけて打ち上げに挑むが失敗。
1年後に再び挑戦するが失敗。さらに1年後にも打ち上げに挑むがまた失敗してしまう。

スタッフも3度までしか余裕がないことはよくわかっておりそもそも3度も失敗して自信を喪失してしまっていた。これで終わりかと思っていた…

https://blog.turtlewalks.net/dekiruwakeganai_realmeaning/

その状況で、イーロンに呼び出されたスタッフは、これでもう終わりだと思った。

イーロンに呼び出され、もうやめろと言われると思いました。
しかし正反対でした。
実際は「問題点を改善し、次のロケットの開発を」と。
イーロンはここで全財産をかけて倍プッシュ(double)したのです。
全く予想外の反応でした……

いやもうこれ完全にツェペリでしょ。いや、アカギか?



ラストの挑戦で「できるわけがない」といわれていたチャレンジを見事成功させてみせる

管制室で落ち着きない様子で打ち上げの様子を凝視しているマスクの当時の映像が映し出される。

結果がわかっててもめっちゃ緊張するなこれ……。

そして成功。

すべての映像が格好良い。

Netflixが見れる人は29:30~32:00あたりの映像だけでいいから見てほしい。

イーロン・マスクはリベラルのアンチが多いけど、このシーンはアンチでも惚れるやろ。

……これフィクションだったら売れないやつだよね。こんな物語をリアルでやっちゃうの格好良すぎるわ。


Wikipediaの記述だとこれだけなんだけど、文章だけだと読み取れないすごいドラマチックな展開

ja.wikipedia.org

ファルコン1以前の民間主導で開発されるロケットは余剰となったICBM等からの転用型が多く、固体燃料ロケットエンジンに比べて比推力が高いが開発と運用の難易度が高い液体燃料ロケットエンジンを本体と共に民間主導で新規開発する例はファルコン1が世界初である。また、再利用型打ち上げシステムを採用したことにより打ち上げ費用は670万ドルと従来より格段に低コストである。これらのことから、ファルコン1は商用ロケット市場に革命を起こすものであると専門家から評価された。

ファルコン1の打ち上げは5回行われ、そのうち2回が成功した。

そして、NASAと1500億円の契約を結び、大逆転を成し遂げる

2006年にNASAと国際宇宙ステーション (ISS) 物資補給のための打上げ機の設計とデモ飛行を行う商業軌道輸送サービス (COTS) を契約した。

2008年に小型ロケットのファルコン1で初めて軌道に到達し(民間資金で開発された液体燃料ロケットでは初)、
2010年12月には中型ロケットのファルコン9とドラゴン宇宙船によるCOTSデモ飛行を行い民間企業としては世界で初めて軌道に乗った宇宙機の回収に成功した。
2012年にはISSに民間機として初のドッキングも成功させ、補給物資や実験装置を送り届けた

現在のSpaceXの企業価値は2017年時点ですでに212億ドルと見積もられており、今だともっとすごいことになってるでしょう。

同社の評価額は2017年7月時点で212億ドルと見積もられており、これはアメリカの株式未公開企業(ユニコーン企業)の中では4位に位置する。イーロン・マスクは2013年に「IPOは火星移民船が定期的に飛ぶようになってから」と、また2014年には「どこかのPEファンドに経営を支配され、短期的な利益を得ることに使われるのだけは勘弁してほしい」と語っており、スペースXが創業時からの目標である火星移住構想から離れないよう株式を公開しない考えを示している

こちらの事業についての思い入れの深さがやべーな……。



そういえば、Amazonとかヴァージンも参入してたんでしたね

ja.wikipedia.org
こちらも2015年には打ち上げに成功してますね。

ja.wikipedia.org

ja.wikipedia.org
こちらもなかなか悲惨だ……。



forbesjapan.com

www.itmedia.co.jp

jp.reuters.com
しかし、Google,AmazonとSpace-Xあたりに衛星通信網を独占されるのほんとに怖いんだが……。

テスラの時価総額が異常に高いのも、このスターリンクおよび、そこから提供されるサブスクサービスに無限大の可能性があるからといわれてるしね……。
いくらEVシフトとはいえ自動車だけの会社だったら今の時価総額は絶対に許容できないのだけれど、このスターリンクおよび、後述するロケット着陸などの「高精度の自動制御AI」などがあるから今の時価総額が将来的にありえないと言い切れないのがイーロン・マスクの本当に恐ろしいところだよね。



30分くらいでもう最大の壁を越えちゃったけど、ここから1時間30分は、イーロンのさらなる野望が語られる

・宇宙へのコストを100分の1に下げるため、「ロケットが着陸できる仕組み」を開発する。
 こちらの方が打ち上げよりはるかに難しく、7年の時間を費やしている。
 これによりロケットが再使用可能となり、実際に現時点でコストが10分の1まで抑えられている。


・2020年にはNASAとの協業で、アメリカから再び有人の宇宙飛行を実現する

2014年には、NASAと有人型のドラゴン宇宙船の開発とデモ飛行を行う宇宙飛行士の商業乗員輸送開発 (CCDev) プログラムを契約した。2020年5月に再び民間企業として史上初となる有人宇宙船の打ち上げ並びにISSドッキングを成功させた。

なんというか、アメリカの「すごい」部分を凝縮した集団だよね……

途中からはイーロン・マスクからカメラを外して、宇宙飛行士たちを映していく。

2020年の有人ロケット打ち上げにもすごいドラマがある

www.youtube.com