昨日まで絶賛保活してたんですが、かの「保育園落ちた日本◯ね」はどうやらうちの区だったらしく、6年間で認可保育所が90園近く増えたおかげで楽勝で預け先見つかりました。声を上げてくれた先人に感謝しかないし、どんな小さな事でも主張すれば社会が大きく動く可能性はあるんだなって感動してる
— 小野美由紀 (@MIYUKI__ONO) 2022年5月11日
今月で「保育園落ちた日本死ね!!!」を増田に書いてから6年経った。
— 保育園落ちた人 (@hoikuenochita) 2022年2月21日
保育園の当落で人生変わっちゃう人も沢山いると思うし、早く希望する全ての人が保育園を利用出来る世の中になってほしい。
くだらない事に税金使う位なら保育士の待遇をもっとあげてほしい。
声をあげることが重要という点は同意だが、なんかこの件で微妙に歴史が捻じ曲げられそうで気持ち悪いので端的に事実のみ。
保育園が急に増え始めたのは安倍政権によって2013年に発表された「待機児童解消加速化プラン」の影響が大きい。
これは数値でもはっきりと出ており、2015年から急激に増え始めている。
これに対して当時の日本共産党の姿勢はこちら。
www.jcp.or.jp
一応当時政策を担当してた官僚の人も「保育園落ちた日本死ね」の影響は決して小さくなかったといってるので
例の匿名記事に全く意味がなかったとは言わないけれど、かといって
「保育園落ちた日本死ね」の手柄みたいに過剰に評価しすぎるのはどうかと思います。
その影響でまた「ハッシュタグ社会運動」とかいうアホな活動にのめりこむ人が増えるのもどうかなと思うんですよ。
2019年10月に幼児教育無償化がスタート
待機児童数は大幅に減少。
ちなみにこれからの少子化を考えると数年後には保育園が余りはじめると思われる。
当然市場原理に任せると保育士の境遇はさらに厳しいことになると思われるが、その際に深く考えずに野党支持者が政府を批判するような場当たり的なことを言い出さないといいですね……。
2022年4月にこども家庭庁スタート
こども家庭庁は名前騒ぎ以外に実態を把握してない人が多そうだけれどカバーしてる範囲は家庭に直結するので、子供がいる家庭ほどちゃんと見ておいた方がいいと思いますよ。
「声をあげること」は大事だけど、「声をあげるだけ(後は他の人の責任だ)」みたいなのを礼賛するのは気持ちが悪い
さっそく「SNSで声をあげるまで状況は全く動かなかった」みたいに勘違いしてる人がたくさん見られるし中には「ネットで記事をあげることに意味がないとか言ってたやつおる?いないよなあ?」みたいなところまでイキってるツイートが万のRTを集めたりしてるわけですがなんかこういう盛り上がり方はものすごく気持ち悪いなと思う。
実際、こういう「間違った歴史認識」や「間違った成功体験」のもと「とりあえず社会正義につながることはでかい声で騒げばあとは誰かが何とかしてくれる」「そして手柄は声をあげた人のもの」「問題が起きたらウヌらのせい」みたいなほうこうに流れるのはよくないと思う。
それはあまりにも思考がパワーちゃんすぎるでしょ。パワーちゃんはかわいいけどリアルの人間がそんなこと言ってたらあほかでおわっちゃってもったいないです。
実際そういう勘違いが多数みられるようになった結果が、最近の社会運動が竜頭蛇尾になったりあまつさえただの迷惑行為として終わってしまう理由になってるんだと思う。伊是名さんの駅員への嫌がらせとか笛美さんによる謎ポストイットあたりの迷惑行動とかはもろにこういう活動を信じすぎてるせいだと思うんですよ。
繰り返すが、「声をあげる」こと自体は大事だ。それが動きのきっかけになったり、すでに動き始めた動きの後押しになったりする。でもこうやって盛り上がるなら、もう少しだけ興味を持って理解してみることはできないんだろうか。はてブ民とかツイフェミさんとかTwitterデモやってる人たちの「自己満足」ぶりとか他人の迷惑を考えぬ様子を見てると「数うちゃ当たる」にしたって筋が悪いのが多すぎる。
世の中を本当に良くしたいと思うのであれば、我々がやるべきなのは脳死して「日本死ね」すごい!って宗教みたいに崇め奉ることではなく、投資家がいう「岸田氏ね」とたいして変わらなかったはずの「日本死ね」がなぜあのタイミングでは力を持ち、有効に機能したのかという背景を理解し、今の問題についてどのように応用していくかを考えることでしょ。この事例から「とにかく声をあげよう」しか思いつかないのは子供すぎる。
「今のところは」ビジネスとして成り立っているので拡大できている
子育て支援したいのであれば、税金をたくさん払う以外に、こういう民間企業の株を買って応援するという手もありますよ。
大手企業
◆JPホールディングス(最大手)
保育・子育て支援事業のリーディング企業 株式会社JPホールディングス
◆パソナフォスター事業
www.pasonafoster.co.jp
直営学童クラブ Miracle Kids | みらいをつくるアフタースクール | パソナフォスター
パソナ以外にも大手派遣はいろいろとやってますが子育て支援に最も積極的で保育園まで運営しているのはこことベネッセあたりが有名です。
hoiku.benesse-style-care.co.jp
◆グローバルキッズ(首都圏)
www.gkids.jp
◆ポピンズHD(首都圏)
https://www.poppins.co.jp/hldgs/
ベビーシッターの派遣を中心とした在宅サービスや保育・学童施設などを運営。
中堅
◆テノホールディングス(運営代理や企業内保育所など)
www.teno.co.jp
◆キッズスマイル
www.kidssmile-hd.co.jp
◆AIAIホールディングス(元グローバルブリッジ)
aiai-group.co.jp
◆さくらさくプラス
www.sakurasakuplus.jp
◆SERIO(子育て女性を対象の就労支援や放課後事業。認可保育施設運営に積極)
www.serio-holdings.co.jp
◆幼児活動研究会
www.youji.co.jp
その他
◆ベビーカレンダー
corp.baby-calendar.jp
◆カラダノート
corp.karadanote.jp
◆学習塾系の上場企業も保育園経営が増えてきました
ここら辺はキリがないので割愛
国の支援で急拡大したことによる問題はこれから顕在化していくので一つ一つ対応していってほしい
今のところは猫も杓子も保育園事業をやってます。「補助金で運営できる」ので、ノウハウがある企業はどんどん数をふやしてますね。
www.hoikujyouhou.com
その結果として、まぁニャートさんが書かれたような保育士の給料問題があるわけですが。これ補助金増やせばいいというもんでもないです。上で述べたように、間もなく「保育園あまり」の状態になるので、こうなると税金垂れ流しの「補助金シャブ漬けビジネス」になる危険があるからです。
今までは「入れない」くらい保育所が少なかったからあまりこうした問題が顕在化してきませんでしたが、今後は「質」の話が議論されていくことになりそうですね。
子供の教育はとても大事ですが、だからこそ職員にはレベルや経験の求めるべきでしょう。今は急拡大の中施設確保・人員確保が優先されており、職員の職場環境や質の高さなどの部分があまり整備されていないように思います。(資格職なのが救い)
今後はこうした問題が課題になってきそうですね。
news.yahoo.co.jp
www.tokyo-np.co.jp
dot.asahi.com
怒る人いるかもしれないけど、急成長した業態っていろんな問題があります。そういうときに共産党みたいに慎重姿勢だけだといつまでたっても理想だけで物事が進まない。必要なものはまず数を増やしてから問題に対処していく必要があります。
それでも、国の課題に対して、「保育園落ちた日本死ね」よりも前から政策として真っ向から待機児童問題に取り組んだという点くらいは、普段自民党たたいてる人もちゃんと評価してあげたほうがいいんじゃないですかね。
とはいえ、「とりあえず増やせばいい」の時期はそろそろ終わりそうなので、ここからがいよいよ国のかじ取りが問われることになります。野党の方々の批判精神はここから試されると思っているので、ぜひ頑張ってください。