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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「マッピング思考」感想:少なからずインターネットに毒されていると感じている人は必ず一読するべき!

一時期TED動画をずっと見てて、その中でわざわざ一つ記事書いて紹介したくらいに印象に残ってた話があります。それが「兵士のマインドセット」「斥候のマインドセット」という話です。
www.tyoshiki.com


この興味深い話をしてくれていたのが「ジュリア・ガレフ」さんという人

digitalcast.jp

作家、ポッドキャスター。「応用合理性研究センター」共同設立者。10年にわたってポッドキャストの番組「Rationally Speaking(合理的な話し方)」のホストを務め、高名な科学者、ジャーナリスト、さまざまなジャンルの識者・思想家へのインタビューを行なってきた。初の著書である本書はその集大成として、人間の心が持つ合理性と非合理性、客観的思考を俯瞰した作品。全世界で翻訳出版され、たちまちベストセラーとなっている。

この人が、バイアスのワナから抜け出し、判断の精度・確度を上げるための「マッピング思考」というタイトルで本を出していました。

タイトルだけ見れば特に惹かれる要素はなかったんですが、やはり上の講演をやっていた人だけあって、非常に刺さる話が多かったです。



普段私がブログで言いたかったけどうまく言語化できなかったことが端的に表現されてるし、それ以上のこともたくさん書いてくれてる感じがする

どれも面白い話でしたが、個人的には特にPART2の内容が重要だと感じています。

PART1 なぜ「マッピング思考」が重要なのか
1章 人生を左右する「2種類の考え方」
2章 99%の人が「自分の壁」を壊せない
3章「真実を見抜く目」を身につける方法

PART2「思考の地図」を検証し、行動する

4章 知性の高い人がおちいる「認知バイアス」
5章 物事を「メタに見る」5つのトレーニング
6章 「最適解」を、さらに1歩引いて見る

ここの部分、かなり多くの人が陥ってる落とし穴を見事に言語化してくれているのではないかと思います。

「自分の考えが最適解である」と思ってしまった結果、傲慢にふるまったり、他人からの批判を受け入れなくなってしまってる人、たくさんいますよね。私もテーマによってはそうなることあります。これが危険なのは誰でもわかってると思いますが、それを解きほぐす方法が語られています。

なかなか自分でそういう状態に陥ってると診断するの難しいので、そういう状態であろうがなかろうが、整体で身体を解きほぐすように頭も定期的に解きほぐしましょうって感じのアプローチ。自己否定とか自己診断が要らないので非常にとっつきやすくて良いと思います。

PART3「ピンチ」で問われる資質

7章 いざというとき「ポジティブ思考」に頼らない
8章 それでも賭ける価値があるか
9章 「謙虚さ」が強烈な影響力をもたらす

これもかなり重要。特に7章のスティーヴン・キャラハンの話がめっちゃ面白い。正直この話を知れただけでこの本の価値は十分あったと思う。

ja.wikipedia.org

救命いかだは南赤道海流と貿易風に乗って西方へと漂流していった。沈みゆくナポレオン・ソロ号から拾い上げたわずかな食糧を使い果たした後、キャラハンは「水に生きる原始人のように生きることを学習すること」によって生き残ることが出来た。彼は主に槍で捕まえたモンガラカワハギやシイラを食しており、その他にもトビウオや蔓脚類、鳥を捕まえて食べていた。海での生活は1,800海里(3,300キロメートル)もの航海における彼の経験値を高め彼を支える生態系そのものであった。彼は2つの太陽熱蒸留装置や即席の雨水収集装置を使って飲み水を集めた。これら全てを使って、毎日平均約500ミリリットルもの水を生成することができた。

*1

あまりに壮絶なので、それを他者が教訓めいた話として抽出するのはどうなんだって気はして7章の内容は頭に入らなかったが、要するに「祈るな」ってことである。株式投資やってたら生存戦略として「自分を守れるのは損切り判断をする自分だけ」ってのが嫌でもわかってくるようになるが7章は割とそれに近い話である。心の持ち用次第で、なんでも破産が確実なギャンブルになるし持続可能なゲームにすることもできる。その際に「ポジティブ思考」というのをどうとらえるかという話だ。

PART4 「頭のなか」をアップデートする
10章 「正しく」間違える方法
11章 「漏れ」「欠け」「穴」の見極め方
12章 「エコーチェンバー」という怠惰な誘惑

10章もかなり好き。さっきの7章と同じなんだけど「負け方」「間違い方」ってすごく大事だと思ってる。間違うにしても、あらかじめ小さい間違いを想定しながら修正していく人はそれほどダメージを負いにくい。あまりコミットしすぎないことが大事だ。また「大まかな方向は正しく。小さい部分は多少間違っててもOK」という心構えが大事。小さな間違いを指摘された時に、それを取り繕おうとしてどんどん間違えていくと取り返しがつかなくなる。これちゃんと意識してないと「負けたら終わり病」「謝ったら死ぬ病」「間違いを恐れて損切りできない病」になる。

私はとにかく他の人が当たり前にできることがなかなかできなくて間違いまくる人生だったから、生存戦略として「正しい謝り方」は意識して勉強した。これがないとマジで人生詰んでたと思う。
www.tyoshiki.com
この本ではさらに広い観点で「間違い方」そのものについてエアバッグのようなものを作る方法を述べている。

PART5「私の意見」を軽くしておく
13章 「思考」はいかに「その人自身」になるのか
14章 「こだわり」を捨て、「視点」をしなやかに保つ
15章 「マッピング思考」は“行動のエンジン”

そして最終PART。この辺りは私がとても苦手な部分である。ここが得意だったらブログなんてやってない。

とはいえ、これについても取り入れられる部分はあり、とても面白い認知トレーニングが紹介されている。

ちょっと話がそれるが、私が好きで何度も取り上げている「Shrink!」の43話において「強迫症」から抜け出すためのトレーニングが紹介されており、私はこれもすごく好き。

この考え方に基づいて「自分がやろうとしていることについて、細かくいろんな活動を分割して並べ、自分にとっての苦しさに点数をつける」「どこまでが許容範囲でどこまでがつらいのか」という境界を意識し、その境界をすこしずつストレッチしていく。いわゆるコーピングとかABAと呼ばれるものをより専門的に行う。


他の2つのコマと合わせて、この3つのコマで語られている内容は、誰にとっても役に立つ内容だと思う。私もはてブを気にする強迫観念が強かったのだが、この回以降すこしずつ意識して断ち切るようになってきた。 

本書では、このようにShrink!で語られていたのと同じような話が普遍性がある形でまとめられてます。私はむしろ特化しているからこそShrink!の話の方が刺さったのだが、なにかしらこういうフックを持っていたらPART5の内容も自分のものにできると思います。


インターネット疲れがひどい人や、「子供がどうすればひろゆきみたいな考えに染まらないようにできるか」って悩んでる人はぜひ読んでおいたほうがいいと思う。

このように、特にインターネット疲れがひどい人には非常に役に立つ話が多い。
また、子供や若い知り合いがいて、そういう大事な人が「インターネットでドツボにはまりそうで怖い」と思ったらまず自分がこの本を読んで、しっかり理解した上でどうすべきかを語り合うと良いのだと思う。個人的に、自分にとってものすごく目新しい話というのはなかったがそれだけ基礎的なところを堅実に網羅しようとした作品になっていると感じた。

al.dmm.com

Shrink!は何度も紹介してるけど、本当に今インターネットやってる人すべてに読んでもらいたいと思ってるくらいいいマンガです。DMMブックスだと8/25までは安く買えるのでよかったらこちらも読んでみてください。



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*1:これ絶対本しゃぶりさんが好きそうな話だなと思って、ブログでこの本の感想書いてないかなと探しに行った