上のまとめを見てちょっと誤解した人いると思うけど、300億を調達したわけではないです。調達した金額は40億ちょっと。ただ最後の資金調達した時点で、株式価値は300億という計算がされていた、ということです。だから出資してもらえた。それがいざ上場しようとしたら、主幹事証券にはわずか45億円しか評価されたなかったということですね。
まぁこの業績では仕方ないですね…
5243 note
— |■■) (@pant_moon) 2022年11月24日
販管費の支払手数料はおそらく売上に連動。残りは人件費と通信費が殆んど。人件費増やさず売上増やすか、リストラした上で売上維持するかが黒字化の道筋。つまり先行投資で赤字というわけではないので「上場後も赤字のまま」の評価に落ち着く。上場する意味とは? pic.twitter.com/QpPriM3W7a
想定価格300円・新株210千株で調達するのは6,300万円
— |■■) (@pant_moon) 2022年11月24日
既存株主の売却の場を提供する以外に上場する意味が見当たらない。グロース市場は産業廃棄物投棄場

当たり前ですが投資した人は後半になればなるほどきつい含み損となります。
一番最後のシリーズFで出資した人はいきなり逆テンバガーです。
それでもこの45億円程度の時価総額で上場しなければいけないというのがマジできついですね。
note.com
調達の仕組みはこちらのnoteを確認してください。
2013年にシリーズAで約3億円(株式価値は調達後で約10億円)
2016/17年にシリーズBで1.5億円(株式価値は調達後で約20億円)
2018年にシリーズCで6.35億円(株式価値は調達後で約38億円)
2019年にシリーズDで約9億円(株式価値は調達後で150億円弱)
2020年にシリーズEで約2億円(株式価値は調達後で約280億円)
2022年にシリーズFで約20億円(株式価値は調達後で約300億円)
これだけディスカウントされてもなお初値がさらに↘になるかもしれないと予測されています。
無惨様「我が問いたいのはただ一つ。noteはなぜこんなにも赤字なのか」
というわけで上場目論見書です。
https://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/co3pgt0000001sxv-att/12note-1s.pdf
ちょくちょく気になる企業の上場目論見書は目を通してるのですが、「なぜこのタイミングで上場した?」とか言いようがないです。
91ページに今期の損益計算書が乗っていますがまぁ悲惨なことになってます。
①売上は伸びているのですが、販管費がそれ以上に伸びています。これがカバーできない限り利益が出せない状況です。
売上原価と販売管理費は以下の通りです。
なんと広告宣伝費は1%以下。とにかく圧倒的に通信費と人件費です。
売上を考えるといくら何でも人を雇いすぎです。というかその他の5億円は何?
なお、2019年度から2020年度にかけて外注費が大幅に減少していますがこのあたりからcakesにかける費用を削っていったのでしょう。費用を削った結果炎上も増えていたような気がしますが、それでも存続が厳しいということでついにサービスが終了しましたね。
www.itmedia.co.jp
こういうのを見ていると、大幅に人員が減ったTwitterがこの後まともに動くか不安になりますね。
②ちなみに「違約金収入」が毎年2000万円くらい発生してるのは何なんでしょうか……。
ただ、当然投資家にはこの状況はお伝えしていたはずで、それでも2022年に20億の出資に同意したのはいったい誰なんでしょう。
これは目論見書の66pから書かれていて出資者名は「Image Frame Investment (HK) Limited」という香港の会社ですね。
で、この会社はマーベラスと資本提携したテンセントの子会社のようです。中国資本がnoteの6%株主になったということですね。
www.nihon-ma.co.jp
この会社、20億円を出資して上場時には2.5億円程度の持ち分といういきなり逆テンバガーを食らってますが、まぁテンセントのようなでかい企業からしたらはした金なのかもしれないからまあいいか。
現金は毎年8億円くらいのペースで減少しているけれど大丈夫なんだろうか……
ぶっちゃけこの香港資本からの20億調達がなかったら2022年度資金ショートしてたくらいの勢いでお金減っていってますね。
預り金が8.8億円もあるというのも資金繰りにちょっと不安があるのですが本当に大丈夫なんでしょうか。
会員数は550万人と頭打ちになってきているので、あとははてなと同じく「企業案件」がどの程度増やせるかがカギ
現在の流通総額は110億程度、35万人が何らかの形で課金していて、月額2600円ほど使っている。その結果としてテイクレートも18%程度とサービス水準でそこまで悪くないんだけど、残念ながらこの流通総額の伸びが鈍化している。なによりこういうデータをちゃんと開示してくれる当たり、はてなと比べたらとても好感が持てます。はてなも公開しろよ
プロの会員は増えてきているが、まだ560企業で1企業平均の支払額が34万円なので2億円程度。ここをどうやって伸ばしていくかがカギになりそうですね。
おまけ
こういうざっくり企業の数字を眺める話が好きな人いたらYouTubeでもちょくちょくやってるのでぜひチャンネル登録してくれー。
www.youtube.com
ガチの企業分析はできませんけど、投資するくらいならこのくらいで十分だよー。