とりあえずこの記事はこの言葉を紹介したかっただけなので、この言葉だけ覚えていってください。
ハックルさんの話は一応紹介しておきますが一切読まなくていいです。
ついつい僕たちは、あるジャンルが衰退したときに、コンテンツの内容に理由を求めがちですが
この北米のアーケード衰退の経緯はコンテンツの消費行動が強く人々の生活文化に規定されていて
それこそが決定的な要因になり得ることを示す
以上。
- 現在私はハックルさんの「ゲームの歴史」を読んで感想を書くという作業を続けているのですが
- 例えばハックルさんは「鉄拳シリーズ」が3を頂点として売り上げが減少していった理由についてこのような説明をしていますが…
- 実際の開発現場の人間から「ハックルさんの言ってることは的外れもいいところでそんなのは要因の1%にも満たない」と切り捨てられる
- ここまで来るとハックルさんが悪いというより講談社が悪い
- 蛇足:もしドラを300万部売った人が「一番たくさん売れた小説が文学史に最も貢献した作品であるとは言いません」って言ってるのすごい好き
現在私はハックルさんの「ゲームの歴史」を読んで感想を書くという作業を続けているのですが
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でも、後半になればなるほど内容がひどくなっていくので読めば読むほど「なんなのだこれは…どうすればいいのだ…」という気持ちになっていってます。私はそれなりにハックルさん耐性あるはずですが、それでも途方に暮れそうになる…。
ゲームの歴史、文句言うために1~3を買って読んだんだけど、なんでぼくが黙ってるかというと、何も言う気がおきなくなるほどめちゃくちゃだからです。たぶんこれ、直すよりも書名を『うろ覚え版ぼくの好きなゲームとその時代』とかに変えたほうが早いと思う。
— しおにく🕹 (@sionic4029) 2023年3月2日
今の時点で結構つらそうにしている岩崎ヒロマサさんの胃腸がとても心配です。
とにかくハックルさんの本はもう「間違いを指摘する」とかいうレベルではなく
「なにこの・・・なに?」って感じでSAN値が減るやつなのです。
普通の人ならどうしていいかわからなくなると思います。
これに対して、冒頭の言葉は非常に強力です。
「ついつい僕たちは、あるジャンルが衰退したときに、コンテンツの内容に理由を求めがち」という言葉はこの本の最大の問題点をバッサリとひとことで指摘してるフレーズと言えるでしょう。
「そうか、確かにこの本は、なんでもコンテンツの内容で説明しようとするからおかしくなるんだ!」ってわかってすごく気持ちが軽くなりました。
ハックルさんの「ハッキング精神」とか「箱庭」とかいうのは読み終わった後何かの役に立つかというとマジで何の役にも立たないですが、この言葉は役に立ちます。こういう言葉こそが「本質をとらえた言葉」だと思うのです。
例えばハックルさんは「鉄拳シリーズ」が3を頂点として売り上げが減少していった理由についてこのような説明をしていますが…
意地悪ついでにもう一つ言うと、プレイステーション2は初代プレイステーションに比べてある意味において表現が退化しました。グラフィックが綺麗になっているのに退化とは?と不思議に思われるかもしれませんが、これは「擬似3 D」の面白みが「完全3 D」 になったことでむしろ失われてしまったということです。
いかにスペックが進化しようと当時の3 D はまだ表現力がつかなかったため描けるものに限界がありました。そのため世界観の表現はかえってつとないものとなってしまったのです。
鉄拳シリーズは徐々に人気を降下させていくことになりました。しかしながらナムコは人気ダウンの原因が背景の退化にある。すなわち世界観の表現の退化にあるということには気づかなかったのか、PlayStation 2で発売した4でもやはり3の背景を採用します。そうして結局2までで得た人気を回復させる事はありませんでした 。
FFX で表現の幅が狭くなったことや、鉄拳3や鉄拳4で世界観の表現が拙くなったことはあくまでも一例ではありますが、これらに端的に表れているように PlayStation 2で日本のゲームはつまらなくなりました。(あくまでここで言っているのは日本のゲームであることは留意しておいてください)
つまらなくなったというのは正確に言うとハッキングによる驚きがなくなったということです。1990年代まで日本のゲームは最高におもしろいカルチャーでした。なぜならハッキング精神に満ちていたからです。ゲーマーたちはそんなハッキングの精神を全身で堪能しながら「自分たちは最も尖っていて最高にクレイジーな体験をしているんだ」という誇らしい気持ちでいられました。 PlayStation 2の時代になるとそんな気分は急速にしぼんできました。
これみて一理あると思った人いるかもしれませんね。
ハックルさんの「ゲームの歴史」はこの一理くらいはあるかもという要素を主要要因として語りが延々と続きます。
「一理ある」と思っても、そこで思考停止しないように気を付けましょう。
その理屈は全体の内の何割くらいなのかを考えることがとても重要です。
ぶっちゃけハックルさんがやってるのはただの円盤の売り上げを根拠に適当にこじつけをしてるだけの売上板の豚のみなさんとたいしてレベルが変わりません。お話にならない屁理屈でしかありません。
にもかかわらず、こういう適当な与太話でさえ数字を出されたり、「共感できる要素」を突きつけられると結構騙されやすいものです。ハックルさんに限らず、こういう話をしたがる人多いので気を付けましょう。*1
実際の開発現場の人間から「ハックルさんの言ってることは的外れもいいところでそんなのは要因の1%にも満たない」と切り捨てられる
ついつい僕たちは、あるジャンルが衰退したときに、コンテンツの内容に理由を求めがちですが
この北米のアーケード衰退の経緯は
コンテンツの消費行動が強く人々の生活文化に規定されていて
それこそが決定的な要因になり得ることを示す
この辺りは興味ある人はぜひ読んでみてください。
というか、ハックルさん、「鉄拳3の衰退の理由」でググったらこんなすごい記事が一発目で出てくるのによくもまぁ「ゲームの歴史」でこんな与太話を平気でやるなあとびっくりしてます。
本当に、データを検証したりとか、現場の人にインタビューするとか全くこれっぽっちもやってないんだなあ。
「こたつでエディットしましたけどそれが何か?」「当事者の語ることほど信用が置けないものはない」「データは恣意的なものである」って言いきってるから意図的にそういうのを排除した結果、余計に自分の主観だけでどんどんと歴史を創作してしまったんでしょうね。
これだけははっきり述べておきたいのですが、歴史では「当事者が語ること」ほど信用が置けないものはありません。むしろ疑ってかかった方がいい。ですので「当事者に聞いたからOK」とはならないのです。一番信用が置けるのは利害関係のない非当事者である第三者の目撃証言です
多角的な検証をしてないとか、資料を用いてないとか一言も言ってない。このツイートとそれにリプライしてる人達全部風説の流布と名誉毀損だな。
— 岩崎夏海 (@huckleberry2008) 2023年2月4日
「Wikipediaにはウソがある」などと声高に言うと、まるでどこかに「ウソがない」ものがあるように思えてくるからかえって害悪。著名な辞典や書籍、論文にだってウソは数限りなくあるのだが、Wikipedia批判者にはそのことを知らない人が多い。だから、彼らはかえって間違いをおかしがち。 https://t.co/GQ9tX3IJMA
— 岩崎夏海 (@huckleberry2008) 2023年2月2日
いずれにしろ、人間は何かをクリエイトできるわけではなく、エディットできるだけと宮本さんも言っています。ですので、ぼくはこたつでエディットしましたけど、それが何か、という感じですね。https://t.co/oxzXYz2Htv pic.twitter.com/JinggPIC6K
— 岩崎夏海 (@huckleberry2008) 2023年1月7日
これだけははっきり述べておきたいのですが、歴史では「当事者が語ること」ほど信用が置けないものはありません。むしろ疑ってかかった方がいい。ですので「当事者に聞いたからOK」とはならないのです。一番信用が置けるのは利害関係のない非当事者である第三者の目撃証言です。 https://t.co/mOEi7TOL0i
— 岩崎夏海 (@huckleberry2008) 2023年1月3日
おそらくですが、ハックルさんが当事者の発言を信用しないのは、自分がいつも自分について主観でゆがめまくってるから他人もそうだと思ってしまうということだと思います。確かに「もしドラはなぜ売れたのか」って本、当事者の言ってることだけど全く信用できない内容だった。 さすがにハックルさん以外の人はハックルさんほどひねくれてないと思うんですけどね!
*2
ここまで来るとハックルさんが悪いというより講談社が悪い
これは何度でも強調したいんですが、もうここまできたらこれはハックルさんが悪いというよりは講談社がずさんすぎです。
若年女性被害者なんとかの話もColaboが悪いというよりは東京都がずさんすぎるというのと似てますね(似てない)。
もはやみんなは、「ゲームの歴史」の内容にはほとんど興味がないと思います。間違いだらけなので参考にできないし。
それよりもどうしてこんなものが書籍として出版できるところまで持って行けたのかの方がよほど興味深いでしょう。「ゲームの歴史はなぜ出版することができたのか」という本を書いてくれたらそれはお金を払ってでも読みたい。
蛇足:もしドラを300万部売った人が「一番たくさん売れた小説が文学史に最も貢献した作品であるとは言いません」って言ってるのすごい好き
実は鉄拳シリーズでも一番売れた作品は2ではなく背景を3 D にしてしまった3です。(ただし3の家庭用はプレステ2ではなく初代プレステでの発売だったため移植の時に背景を2 D に変更していました。)
つまり鉄拳3はバーチャファイター2と全く同じ過ちを犯していたのです。これが鉄拳シリーズの人気の衰退につながりました。つまり多くの人が楽しみにして3を買ったのに2程は楽しめずがっかりしたというわけです。
このように、売れたということとそれがゲーム史にあるいはゲーム文化に良い意味で貢献したかどうかは別の話であるということをここで改めて強調させて下さい。一番たくさん売れた小説が文学史に最も貢献した作品であるとは言いませんし、最もたくさんの人が劇場に見に来た映画が最も優れた名作であるとは言い切れません。それと同じです
実際には、もしドラは間違いなく「ダイヤモンド社」を救ったし、文学史には全く貢献しなかったけど、「ラノベの作法をビジネス書に持ち込む」というすでに行われていた手法でも最大の成果を上げたのは間違いないので、十分意味はあったと思ってるのでそこまで卑下しなくてもいいのに……
ここで言われてる「たくさん売れた小説」はもしドラの事じゃないって?いやいやまさかまさか。
*1:特に100字の枠内でしかコメントできないはてブ民は「共感できる要素」に釣られすぎであり、(悪気はないのかもしれませんが)全体として間違った主張に対して共感できるポイントがちょっとでもあれば支持するコメントを出してしまうことが本当に多いですからね。
*2:でもなぁ、「もしドラはなぜ売れたのか」を読んだ人間としては、「もしドラ」は読む本としてではなく贈答用というコンセプトにしたとか、表紙には背景までこだわり世界観を作りこんだとかいろいろ面白い話あったのになあ。①自ら過去の著作を否定し、その本を買った読者をコケにしているのか ②自分がそういう本を出したことすら覚えていないのか。③ついカッとなって屁理屈で反論してみただけで深く考えてないだけなのか。ハックルさんだから③だとお思うんですけど、この人本当に感情の制御へたくそだよなあ。私もそうだからとても親近感がわく。