前の記事でも述べた通り、この物語の二本柱は「身分の壁を越えること」と「父殺し」であり、後半は完全に「父殺し」の要素が強い。
コレに対して、最後に「父とはなにか」を答えるという構成になっている。
乃木坂先生は、大きな物語を個人の物語に落とし込む能力が半端なく高い。フランス革命という大きな流れも、乃木坂先生の手にかかれば「父殺し」というテーマによってジョルジュやギデオン、ルイ16世といった個人の物語に内包してしまう。すごい技術だと思う。 ……しかし、ギデオン、君ってやつは。
同じようなテーマなのに女の子が母親から独り立ちしていく「マザーグール」とは大違いだ。我々男は、女性と比べたらとても子供っぽいなと感じる。
親の愛がなくとも兄弟がいる! 人は兄弟として支え合えば、愛に満ちて生きていけるはずだ!
愛しているから父親を殺せない。満足できない!
だから父親が大事にしていた身分制度や王国そのものを滅ぼそうとしているんだ!
そういうわけで、貴族の特権が廃止された後、果たしてどうなるか・・・。
7巻はフランス革命の話ではなくギデオンの話が中心
1790年 聖職者民事基本法可決
これが多くの内乱の原因となった。なぜここまで拙速にやろうとしたのか。
どう考えても「聡明な議員たち」の判断とは思えない。
やはり国民議会をグルッと囲んでいる「無能な民衆」に配慮せざるを得なかったからだと思う。
当たり前だが過半数の聖職者は拒否した。これによって「特権階級VS平民」ではなく宗教という軸によって民衆同士が争うことになった。
ジャコバンVSジロンドよりも、こっちのほうが民衆の分断を煽ったと言えるかも知れない。
当然教皇もこれを批判したため、もはや内乱は避けられぬ状態となった。
この状況で王党派筆頭のミラボー伯爵が病死した。
サン・ジュストが覚醒し、ロベスピエールを操り始める
ロベスピエールは、死刑執行の書類にサインしたのは革命以前にはわずか一度だけ。
それも救いようもない凶悪犯に対して裁判官としてやむにやまれずであった。そのくらい死刑反対論者だった。
1791年 6月21日 国王のヴァレンヌ逃亡事件。これで運命は決まった
どんどん話がこじれていく。
8月10日 市民が王宮を攻め落とし、王権が完全に停止される
1792年の6月20日 テュイルリー宮侵入事件 ⇒ 7/25 プロイセンからの最終勧告 ⇒ 8/10 テュイルリー宮殿防衛戦
わずか4000名程度の護衛と20000人以上の市民軍との戦いの結果、市民側が勝利。
王宮護衛軍は、戦争終了後に虐殺された。
ここから残虐描写が続くので有料部分に伏せます。