だいたいこういう悩みがある人向けの本
・孤独で傷つきやすく、どこか空虚感を抱えて生きている。
・必死になにかに没頭していれば気が紛れても没頭の火が消えてしまうとたちまち真っ黒い虚無感がやってきて飲み込まれてしまうことを密かにいつも恐れている。
・本当は人を求めているのに、人とうまく繋がれない。
・本当は愛したいのにうまく愛せない。
そういうことが日々の不安や不愉快さを増幅させる。
・思い通りにならない他者を、別の医師を持った存在として認められずにイライラしてしまう。
・本当の意味での「他者との関係」が自分の心に育っていないため、自分の思い通りになる存在だけを愛し、思い通りにならない存在が攻撃対象になってしまう。
こうした独りよがりな他者との関係しか結べない。
・過剰な自分への期待ゆえに生じる傷つきやすさが強い。
・バランスの悪いパーソナリティが、無理な生き方をしてきて、あるいは無理な生き方を強いられてきてその結果困った状態に陥ってしまうことも多々ある。
こうした悩みを一つでも持っている人は、パーソナリティ障害について簡単にでいいから知っておくと良い。
心配しなくても、人は多かれ少なかれパーソナリティに問題があり、問題が全くない人はいない。
治す必要があるのではなくて、自分と相手を知り、その上で「自分のパーソナリティ」を理解することで、相手とうまく合わせることができるようにあればそれ以上は要らない。
自分だけの問題じゃなくて「周りの人もしんどい思いをしている」点が重要
自分が辛いだけだから我慢しようじゃなく、ちゃんと理解した方が良い。
これらはちゃんと改善するものなので、問題があると感じているのに改善しないまま人と付き合おうとするとたいてい自分も相手もつらいことになります。
というわけで、一人目だけ詳細に紹介する。
二人目以降は興味があったら読んでくださいということで。
- だいたいこういう悩みがある人向けの本
- 自分だけの問題じゃなくて「周りの人もしんどい思いをしている」点が重要
- 一人目 境界性パーソナリティ障害
- 「パーソナリティ障害」は魅力の源泉でもあるので、きちんと理解して武器に変えていった方が良い
- 2章以降で紹介されている障害
- 基本的に、自己に対する評価が低い代わりに他者に対する期待値が高すぎて、それに自覚がないケースが多い。
- パーソナリティ障害の人を見ると「こいつどんだけ自分のことが好きなんだよ」と感じるが、実際は「これ以上傷つきたくないから殻にこもっているだけ」なのだとは思う
- 自分の考え方がどのくらい偏っているのかを自覚することができたら、問題はかなり解決に近づく
一人目 境界性パーソナリティ障害
躁鬱に近い状態。
些細なことで傷ついて、どん底→自己嫌悪→自己破壊衝動に走る。
調子がいい時は崇拝というレベルで過剰に他人を持ち上げるくせに、ちょっとでも嫌いになったら「大嫌いで絶対に許さない」と反転アンチ化する。
私は素人なので診断はしないけれどMさんは完全にこのタイプだったと感じる。
不安定になる原因はどういうところにあるか
ベースとなるのは「依存体質」。
その人の根底には愛着障害が在り、それゆえに見捨てられ不安ですぐ疑心暗鬼になる。
失望されたり見捨てられるという経験が多いため
安心しようとしてまだそれほど親しくないのにめちゃくちゃベタベタと依存してくる。しかも、過剰に距離を詰めようとしてちょっとでも払いのけられるとすぐに絶望する。
対人距離感が他の人と比べて異常なまでに極端であり、やられる側はたまったものではない。
また、不安すぎるゆえに自傷行為や自己卑下を行って「他人から無理やり愛情や優しい言葉を引き出そうとする」傾向が強い。
「もっと優しくしてほしい」が口癖である。
常に自分の弱いところをさらけ出してかまってもらおうとする。
その結果、「人騒がせ」で「愛情乞食」で「時間泥棒」みたいになってしまう。
自傷行為や自己卑下というのはチート行為=ズルである。
それをやれば一時はかまってもらえるが、かわりに相手の信頼や心理的安全性を損なう。
普通の人はそれを分かっているからあまりやらないのだが、このパーソナリティ障害を抱えている人はそのことを全然理解していない。
というか「ズル」をしてかまってもらうのに慣れてしまっていてそれをズルいと思っていない。
なんなら、そうやって自分が他人をコントロールすることに楽しさを感じていることすらあるという。
だから寂しくなるとなんどでもそういう自傷行為や自己卑下を行ってかまってもらおうとする。
このズル行為にはぜったいにつきあってはいけない。
下手にかまってあげるとますますエスカレートしていく。
エスカレートすると、周りを疲弊させまくった結果、限界を超えて見捨てられてしまうことになる。
このパーソナリティ障害を抱えている人に特徴的なことは
見捨てられたり相手から拒絶されたときに自分の行動を反省しないで自分自身をざっくりとあいまいに否定することだ。
大雑把に「自分がだめだから周りに見捨てられる」という風に考えて、自分で自分を罰して心の安寧を得る。
しかし、当たり前だが具体的な行動について反省することはないから、なにも変わらない。
ただ自分の精神状態を落ち着かせているだけで、落ち着いたらまた同じことを繰り返す。
どこまでも独りよがりになっていて、迷惑をかけた相手にたいする気遣いがない。
このあまりにも不毛なループを延々と繰り返す姿が「境界性パーソナリティ障害」のステレオタイプとして描かれている。
3章ではしっかりとこの障害に対する改善のための考え方を紹介してくれているので、
すこしでも当てはまることがあると感じた人は、このマンガを読んでもらいたい。
「パーソナリティ障害」は魅力の源泉でもあるので、きちんと理解して武器に変えていった方が良い
性格の程よい偏りはむしろ個性として大切ですがそれが苦しみになってしまうのは、考え方が極端すぎたり頑なになってしまう。
偏りがあっても相手や状況に合わせて柔軟に形を変えたりバランスを取ることができれば、それは一転して魅力になる。
なので、性格を矯正するみたいな話ではなく「極端になりすぎない」「頑固になりすぎない」ということが大事です。
自分を曲げないことや自分のキャラにこだわりすぎて、そういう発言をするべきでない場でもいつもの自分を貫こうとする人はだいたい事故死します。
まぁSNSのせいで、そういう「自分のキャラ」を維持することに必死になってる人が増えてきたような気はしますけどね・・・
私は発達障害であり、幼かった頃はこの「相手に合わせて変える」ができなくて本当につらい思いをしたので生存のためにも「必要に応じて変える」はめちゃくちゃ重視してます。
自分自身のポリシーはもちろんありますが、その場その場の必要にまさるものではないと考えている。
2章以降で紹介されている障害
※この記事に限り、事情によりnoteでの読み放題対象外とします。補足的な内容なので、特に読む必要はありません。