ちょっと前のニュースだけれど予算委員長が立憲民主党になったことの意義について整理しておく。
自民党の坂本国会対策委員長と立憲民主党の笠国会対策委員長が会談し、坂本氏は、17ある常任委員長のうち、政府の予算案を審議する重要ポストである予算委員長を含め、野党側に8つを配分することを提案し、笠氏は受け入れました。また、議長は比較第1党の自民党、副議長は比較第2党の立憲民主党から選出するとともに国会運営の要である議院運営委員長は、自民党に割りふることを確認しました。
- 長期安定政権が続く最大の弊害は、野党がスキャンダル追求をするしかできない無能の集まりになってしまうこと
- 大事なのは政権交代ではない。票数がある程度拮抗することで、まず委員会から変えていくこと。なんでも与党側が強行採決ができないようにすること
- これだけだとほんまかいな、と思う人がいると思うのでちゃんとまず法案のプロセスから確認していきましょう。
- こういう状況を憂いている野党支持者は、スキャンダル追求などを通じて「国民をアジテーション」しようとします
- 今までの野党がヒステリックに見えたりスキャンダルばかり追求しているように見えたのは、勢力の不均衡が大きすぎたことが原因であり、大いに同情の余地がある。これからに期待
- おまけ
長期安定政権が続く最大の弊害は、野党がスキャンダル追求をするしかできない無能の集まりになってしまうこと
今までは自公が強行採決を連発していた。
本会議でやらなくても委員会で強行採決をやっちゃったら、結局本会議で逆転できませんから。
野党が抵抗する意味がないんです。
抵抗しても意味がないから、スキャンダルとかソッチ方向に行っちゃったんですよね
大事なのは政権交代ではない。票数がある程度拮抗することで、まず委員会から変えていくこと。なんでも与党側が強行採決ができないようにすること
委員会がまず変わる。
コレまでは政策に疑問点があっても、今までは委員長が自民党側ですから
野党から追求されても自民党側は答えなくても良かった。
今後は答えないといけないのはもちろん修正を求められることが当たり前になっていく。
今後は日本の政治が本当に良い方向に向かう可能性がある。与党が過半数が割れたから政治が不安定になるのか。
それとも割れたことによって政治がよくなるのか。これは両面あるので
今後はしっかりと見ていく必要があります
これだけだとほんまかいな、と思う人がいると思うのでちゃんとまず法案のプロセスから確認していきましょう。
https://www.osakaben.or.jp/web/03_speak/iken_backnum/iken890127.php
1:法案の提出のプロセス
www.clb.go.jp
言うまでもないですが、法案は主に政府(与党)から提出されます。
与党が多数を占める状況だと、政策が通る期待値が高い与党から提出される法案が圧倒的に多くなるのは当然です。
そもそも人数が多いということはそれだけたくさん提出できる人がいるということでもあります。
一方で、議員数が少なく、政策を通せる期待値が少ない野党の議員には積極的に政策を提出するインセンティブが低いです。
実力差がありすぎて米国のように与党と交渉をすることもできません。明らかに反対されないような政策以外は出しにくい。
ちなみに、ニュースの報道が悪いせいで
立憲民主党はなんでもかんでも自民党に反対しているみたいなイメージを持ってる人がいるかも知れませんが
実際は8割近くの政策に賛成しています。
冒頭では立憲民主党についてあえて「世間のイメージ」を意識してネガティブなことを書きましたが
データで見ると、立憲民主党はちゃんと是々非々で判断しています。
反対している時はそれなりにちゃんと根拠があるんです。あまり伝わっていませんけどね。
2:法案の提出を受けて国会で議論をするが、まず最初に「常任委員会」で審査される。ここが重要
当たり前ですが、議員がいちいちすべての法案を一から健闘していたら時間が足りません。
なので、提出された法案は委員会で議論されるわけです。
しかし、与党が強すぎると、委員会の時点でいろんなものが与党に有利なように進みます。
1:委員会審査:
提出された法案は、各委員会で審査されます。
日本の国会には多くの常任委員会があり、法案はまずこれらの委員会で詳細に議論されます。
与党が多数を占める状態では、委員会での審査において与党の意向が強く反映されやすくなっています。
2:本会議での採決→法案成立
委員会での審査を経た法案は、本会議に上程されます。
しかし、ここでの議論は委員会での結果を受けたものです。
つまり、与党の意見が反映されていることが多く、
本会議でもそのまま法案が通過する可能性が高いです。
本会議で野党側が抵抗しようにもだいたいは勝てません。
なので、野党の議員ができることは「ここがおかしいでしょ!」って強くアピールするくらいしかない。
アメリカだと共和党の中にはトランプですら制御できない抵抗勢力がいることが話題になっていますが
日本だと与党側の人間が表立ってみんなで反対するということはあまり起きていません。
もちろん自民党には複数の派閥があったことはご存知のとおりですが、野党に協力するわけではないことが多いですね。
こういう状況を憂いている野党支持者は、スキャンダル追求などを通じて「国民をアジテーション」しようとします
たとえ自民党が有利であっても、「統一教会問題」とか「不正問題」などは
ニュースに多く取り上げられ、自民党がしらばっくれることを許しません。
むしろこういう感じで騒ぎ立てなければ自民党はまともに野党の言うことを聞かない。
実際、与党が提出した政策は9割近く成立していますが野党が提出した政策の成立数は30%程度とかなり低いです。
だから、どうしてもヒステリックな感じで訴えかけないといけない。
対等な立場で議論を交わす関係になれていないのです。
今までの野党がヒステリックに見えたりスキャンダルばかり追求しているように見えたのは、勢力の不均衡が大きすぎたことが原因であり、大いに同情の余地がある。これからに期待
でも、今回自民党の失策もあって、対等とまでは行かないけれど、きちんと影響力を発揮できる立場になった。
www3.nhk.or.jp
ここからほんとうの意味で「野党としての立憲民主党」の価値が問われるターンになると思います。
私は今までの立憲民主党にはカスほども期待していませんでしたが、今後の立憲民主党には注目していきたいところです。
国民民主党は放っておいてもそのうち人気が下火になると思っていますし、そうならないならもう終わりだよこの国。