韓国の同人誌文化が、2010年代から深刻な危機に陥っているという話題について。
2012年にアチョン法が厳罰化されてたのは全然知らなかった。
ja.wikipedia.org
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韓国の青少年保護に関する主な法律は2つあり、ともに1997年に制定された。有害環境環境から青少年を保護し、青少年が正しく、健全な成長を目的とする「青少年保護法」と、児童ポルノ法の「児童・青少年の性保護に関する法律(児青法)」で、両法律とも女性家族部が主管している
児青法は2012年に「青少年に見えるキャラクターの性描写があるマンガ・アニメ(準児童ポルノ)の頒布等を禁止」「単純所持も同時に禁止」「厳罰化」など、大幅に法改正された
元フェミニストのオ・セラビによると韓国国内では最も不要で解体すべき部として批判を受けている。
オは、慰安婦活動が巨大な産業になっており、正義連やその出身者と共生関係にある家族部は解決を望んでいないと指摘している。
共に民主党の系譜であるヨルリンウリ党女性委員会で活動し、韓国女性団体連合と一緒に仕事をしていた時に韓国の女性運動が民族統一運動に偏りすぎていると気づいたと述べている。
法律による規制とオタクコミュニティ内の嫉妬や対立が絡んだ「通報地獄」のコンボにより、オタクのイベントは崩壊したらしい
韓国では、2010年代初頭に同人イベントが毎月10回以上開催される「黄金期」がありました。
主にアニメ・ゲームのファンが中心で、個人主催の小規模イベントが増え、活気にあふれていました。
同時に、ネット上で排他的なコミュニティが広がり始めました。
そこで、ある人が「気に入らない他のファンダムのイベントでエロい同人誌を売ってるから、警察に通報して潰そうぜ」と提案。
誰も止めず、これが悪夢の始まりです。
ここで鍵になるのがアチョン法です。児童ポルノ(子供の性的描写)の作成・配布・所持を厳しく禁じる法律で、
罰則は懲役7年以下や罰金5千万ウォン(約500万円)と重いです。
特徴は、実在の子供でなくても、漫画やイラストなどの「表現物」も対象になる点でした。
韓国では「仮想児童ポルノ」として、同人誌のエロティックな二次創作が「犯罪」と見なされやすくなりました。
さらに、米韓FTA(自由貿易協定、2012年発効)により、著作権法が非親告罪化されたのも大きな変化でした。
これにより、ファン同士の「通報」が簡単になり、同人誌の二次創作(原作のファン作品)が著作権侵害として狙われやすくなりました。
通報の連鎖とイベント崩壊(2010年代中盤)
まずは嫌いなファンダムのイベントに「エロ同人誌販売」を理由に警察へ通報が殺到しました。
最初はスタッフが警察に「これはファンイベントで安全です」と説明して何とか乗り切りましたが、参加者は常に不安に怯えました。
2014年ころから通報者が本気になり、イベントの会場予約自体を攻撃するようになりました。
会場オーナーに「悪質な通報が来てるからキャンセルね」と脅すように連絡することが増え、結果、会場を借りられなくなり、イベント数は激減します。
借りられても場所を直前まで秘密にし、当日警察の急襲を恐れる「二重苦」の時代に。
2015年ころから男性オタク vs 女性オタクの対立が激化したことでさらに悪い流れに
男性中心の掲示板(例: ウェブ漫画キャラリー)で、女性主催のBLオンリーイベントを「淫乱物」と中傷する事件がありました。
通報や嫌がらせ(しつこい問い合わせ)が続き、イベント中止が相次ぎました。
ここで女性が一丸となって反対したかというとそうではなく一部女性ファンも便乗し、修羅場化しました。
警察も最初は対応しましたが、さすがに「通報者こそ妨害」と見なすようになったことで徐々に止まりました。
しかし、この当たりからもう「気に入らないやつは通報してつぶせ」が慣習化してしまう
Final Fantasy XIVの韓国初の大型イベントが、通報で中止。「公式に許可取ってない!」と暴れる人が現れ、以後イベントは「あるゲーム14」とぼかして開催する羽目に。数年絶滅状態になりました。
アチョン法は基準が不明確で「警察のの裁量次第」というクソみたいな法律であり、21世紀なのに「魔女に与える鉄槌」みたいな機能を果たしている
「子供に見える表現物」が何かを警察の判断次第であったため、通報が「正義の鉄槌」といして多用されるようになった。
特に2012-2014年頃は2ヶ月で数千人が逮捕(主に同人誌所持)という恐怖政治状態になってしまいます。
通報された作家が出頭し、弁護するも「法が創作を理解できない」ため処罰されることも多数あり、警察もパンクする事態に。
ここだけ「狂四郎2030」の世界ですね・・・


運用は緩和されましたが(2014年の判決で非実在物は狭く解釈)、通報文化は残りました。
非親告罪化で、嫉妬(「あいつらだけ楽しそう」「私もやりたいのに」)が「犯罪通報」にエスカレート。
10年前は純粋な逆恨みでしたが、今は「正義感」(「エロは犯罪だから当然」)が加わり、悪化しています。
さらにコロナ禍でネット依存が増え、オンライン攻撃(SNSでの晒し)まで広がり、同人文化は大幅に衰退した
まずイベントの変化として、毎月10回 → 年10回未満に。
場所非公開が常識になり、同人誌販売は減り、アクスタ(アクリルスタンド)などのグッズ中心になりました。
カフェを借りての小規模オフ会が主流です。
二次創作自体がリスクになり、韓国から日本へ移住する人も。
最近でも通報は止まらない
ブルーアーカイブのオンリーイベントで、エロ同人誌が「児童ポルノ」と通報され警察急襲。フェミニスト系アカウントが関与した疑いも。
anond.hatelabo.jp
https://www.reddit.com/r/BlueArchive/comments/1cmhgzm/the_south_korean_police_department_raided_a_local/
ブルアカのロリキャラが大好きなMさんの記事とか見てたらガチで気持ち悪かったけど、
私も二次キャラ好きというだけで普通の人からヘンタイなので、
他人の性癖は実社会で他人に迷惑をかけない限りにおいてお互い黙ってスルーするのが良いと思うんだけどね・・・。
こういう領域で通報アリにしたらそりゃイベントなんか無理に決まってるでしょ・・・

コロナ後、ネットの不穏さが加速し、「レガシーが失われ、無頼(ルール無視の輩)が暴れる修羅場」となってしまったため同人誌文化は「滅びの最中」にあります。
私が大好きなマンガ「図書館の大魔術師」の7巻において、表現規制は第一歩がとても危険だという話がわかりやすく語られています
自由というのは「このくらい制限してもよいか」と少しでも制限をかけると急速にしぼんでいく。

ただし、自由というのは自分以外の他者がもたらす不愉快さに耐えることとセットであるということもしっかり語られています。

結局のところ、みんな「自由」に耐えられない。自由というものの重さを背負いきれないのだ。
そして、しんどくなった人から自由を背負うのを辞めていく。
それだけでは済まない。
他人の自由を背負わなくなった側は、自分の自由だけを守ろうとする。
そのために、特別扱い他の人間の自由を軽視し始める。
つまり、今まで一緒に荷物を背負っていた人間が、今度は自由に対する重荷になっていくのだ。